チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

今、何勝何敗ですか

 

f:id:hidenaka24:20210321110155j:plain

よく行く飯田橋の映画館

f:id:hidenaka24:20210321110235j:plain

飯田橋、外堀の貸しボートはまだあった

f:id:hidenaka24:20210321110322j:plain

東京大神宮

f:id:hidenaka24:20210321110351j:plain

近くの短大卒業生、

f:id:hidenaka24:20210321110418j:plain

歌舞伎役者の絵馬があった

f:id:hidenaka24:20210321110435j:plain

玉三郎さん、意外と悪筆




 

今、何勝何敗ですか

 

■人生最良の時
暇であるから自分の過去ブログを読み返してみる。同じことを何度も書き連ねている。ボケの始まりか。自己嫌悪に陥る。反日3ヵ国に怒り、だらしのない政府に怒り、しょうもない野党やマスコミに怒る。でも毎日、怒っているわけではない。怒りの感情は免疫機能を低下させるし、まず、楽しくない。ジイサン、そんなこと言っても仕方ないでしょ、ムダ、ムダと自分に言い聞かせる。

残り少ない人生を穏やかに過ごせないものか。とはいえ、昭和、平成、令和と恙なく生き延びて、雨風を凌ぐ住処があり、なんとか飢えずに口に糊することが出来る。有難い。サブサハラの黒人や中南米インディオの生活を思えば天国だ。

60歳で仕事を辞めた。60で死ななくてよかった、と心から思う。働かなくても暮らせる、こんな気楽な生活が待っていようとは想像もしていなかった。チェンライに遊びに来た友人に言ったことがある。「オセロでさあ、白になったり黒になったりするだろ、それを繰り返していたが、最後に白石を置いたら盤面が真っ白になっちゃった、今はそんな感じかな」。友人は即座に言い返した。「もう一つ残っていて、そこに黒石を置いたら全面真っ黒になるんじゃないか?」。

対戦相手は神様だから、どんでん返しが待っているかもしれない。でもそんなことを心配しても仕方がない。白優勢と思って暮らしている方がいい。

■努力だけではどうにもならない
精神一到、何事かならざらん」、「一念岩をも通す」、「為せば成る、為さねばならぬ何事も」といった努力至上主義は怠惰な自分としては好きではない。為せば成る、は「為せば成る、ナセルはアラブの大統領」のパロディがすぐ思い浮かぶ。若い人にはさっぱり受けないギャグだが。
ともあれ、努力は必要である。自分だって、タイ語のジアップ先生がこの範囲でテスト、といえば前夜にノートを広げる。この程度の努力は報われる可能性が高いが、人生、努力だけで成功するなら苦労はしない。高校球児はみんな大リーグで活躍できるか、理系の院生はフィールズ賞ノーベル賞を貰えるか。努力では如何ともしがたいことはある。はっきり言えば、いくら石を磨いてもダイヤモンドにはならない。成功には天の与えた資質も必要だ。

それに成功だけが人生のすべてでもない。成功したから幸福、平凡だから不幸とも言えない。年収1億を目指して24時間働くよりも家族と団欒の食卓を囲む方がいいという人もいるだろう。また、IQや学歴、美醜、生まれ、育ちによって人生の幸福度が左右されるものでもない。人が羨むような才能、美貌を持っていながら自殺に走る人もいる。まあ、満足のいく人生を送るには、努力半分、運半分と言ったところではないか。

■過去を悔やんでも
もう亡くなったが、ある二世議員がいた。親から引き継いだ地盤があり、選挙にも強かった。政治家として恵まれた境遇であったから、率先して国事に邁進したかというとそうでもない。地盤があるということは地方議員、応援者など利害関係ががっちり形成されているということだ。そういった地元の人に担がれて親の仕事(政治家)を継いだものの、俺は政治家になんかなりたくなかった、と不平を漏らし続けていた。羨ましいなあ、と思っていた同僚議員はいただろうが、本人には生まれが不幸のタネだったようだ。

生まれ、育ちは自分ではどうしようもない。自分は劣等感の塊だった。スポーツはダメ、英語、数学は赤点、無知で無礼でその上生意気、多くの人を嫌な気にさせたに違いない。夜中に昔を思い出して、思わずポカポカと自分の頭を叩きたくなる。
でも、恥と失敗のマイナスを掛け合わせれば、結果プラスの「いい経験」になるじゃんと思える年齢になった。たくさんの恥のお陰で今の自分があるような気がする。

年下の人に「あなたの人生、今のところ何勝何敗かな」と聞く。このところ、負けが込んでおりまして・・・とか今のところ全休です、といった答えが返ってくる。
日本人に生まれただけで、4、5勝は稼いでいる。あとは自分の気持ち次第。自分はというと60歳以降、勝ち星が増えて、現在8勝6敗というところ。うまくいけばもう一つ白星を重ねて、敢闘賞がもらえるかもしれない。

でも人生、8勝7敗で人生終了を迎えるなら、それで充分ではないか。全部白のオセロゲームは欲張りすぎだし、神様の最期の一手はまだ残っているような気がする。好事魔多し、ひっそり、穏やかの生活がもう少し長く続きますように。