日本紹介巡回展
8月の中旬、隊員が中心になって「日本紹介巡回展~日本を知っていますか?」がタシケントの日本センターで5日間にわたって開催された。
世話人のI隊員は言う。「この巡回展はウズベクの人々にもっとよく日本を知ってもらいたい、たくさんの人に日本への関心を持ってもらいたいという気持ちから開催するに至った。日本というと、今の発展した姿にしか目がいかないウズベクの人も少なくないが、戦争の残したあとや戦後の人々の暮らしぶりなどにも目を向け、戦後の復興期の日本人の姿も知ってほしいという気持ちがある。また、ウズベキスタンには戦後、2万5千人にも及ぶ日本人が抑留され、強制労働に従事したという歴史がある。この事実を我々ウ国に滞在する邦人はもちろんのこと、この国の人たちにも伝えていかなければいけないのではないかと思う」
猫の手ほどの役にも立たないかもしれないが、飾りつけの手伝いに出かけてみた。準備会場には8名の女子隊員がいてSVのおじさんは自分ひとりであった。展示内容は以下の通り。また展示、体験コーナーに加え、タシケントの抑留者資料館所蔵のビデオ、原爆関連DVDの上映。また特に楠本大使、SVの斎藤氏による講演も行われる。
(1)これまでの記憶
々島・原爆ポスター展示
▲汽瀬海叛淞瓮櫂好拭偲玄─▲張襪鮴泙辰討澆泙靴腓
DVD上映
(2)日本人抑留者の記憶
〕淮閏圓建設に参加した施設の紹介
日本人墓地の紹介
F鐱椰様淮閏圈日本人墓地墓守の証言
(3)戦後の復興の記憶
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(4)祈りを込めて
見学者が一針一針縫い上げて、スザニ(刺繍)を完成させよう。
(5)日本紹介
‘鐱槓顕従匆陝弊験萢夕亜行事、食べ物、剣玉、お手玉、)
体験コーナー
・健康について考えてみよう(平均寿命、体脂肪測定、血圧測定)
・書道体験
・茶道体験
(6)講演
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‰酘G酣SV 「シベリヤ抑留の教訓~1人の抑留者の戦後と考察~」
I隊員がおびただしい量の写真をインターネットから取り出して印刷し、ウズベク語、ロシア語キャプションをつけて大判ボール紙に配置してある。原爆関係は広島の原爆資料館からポスターとCDロムを送ってもらい、写真はそのCDから印刷したものだ。
戦後の復興過程では闇市、浮浪児、昭和20、30年代の農村、新宿や銀座の情景など如何に日本が貧しかったか、そして如何に急速に高度成長を遂げたかが、日本昭和史博物館のネットからの写真で見ることができる。飾りつけ、展示スタイルは現場合わせで皆、アイデアを出しながらてきぱきと進めていく。文化祭のノリである。
原爆、抑留の資料を展示しながら隊員たちと61年前のこの出来事をどう思うか聞いてみた。明らかに戦時国際法の違反です、原爆は老人、子供、女性など無辜の非戦闘員を殺すために殺したのではありませんか、シベリア抑留も日ソ中立条約を破って、ソ連が満州に侵攻し、兵士、民間人を国際法に反して60万人も強制連行した、6万人以上の人が死んだことは許せない、などという。展示物には米国やソ連をあからさまに非難するような文言はない。しかし、こういった隊員の発言を聞いて、手伝いに来てよかったな、と思った次第である。
(この巡回展は10月にタシケント、ジザクの学校や大学で、11月にブハラ、サマルカンドの学校や孤児院で、(ヒヴァはまだ未定)順次開催予定である)