チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

高温少湿

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高温少湿

日本は梅雨の真っ盛りでうっとうしい天気が続いているようだ。テレビでBSが視聴できるので、日本にいる時よりもNHKのニュースを見るようになった。日本語の放送は気象情報、交通情報までじっくり見てしまう。

タシケントの6月の気候はJICA資料によると最高気温37.2度、最低気温12.2度、平均気温25.7度であるが、降雨量は1.7ミリと極端に少ない。平均湿度はわずか15.5%である。夕方洗ったジーパンが朝までにパリパリに乾いている。日本のじめじめした6月とは大違いだ。
タシケントは緯度からいうと津軽半島と同じところにある。ただ標高が500メートルくらいあるので高原の気候ともいえる。日中は暑いことは暑いが、日陰に入るとひんやりするし、夕方からぐっと気温が下がってくる。大陸性気候であるので日中の気温差が大きい。空が暮れなずむころには風がさわやかに感じられる。毎晩、驚いてばかりもいられないが「風の音にぞ驚かれぬる」の気分が味わえる。6月下旬の夏至の日から40日間をこちらではチュラといって最高気温が40度を超す一年でもっとも暑い時期に入る。それでも朝夕の最低気温が15度台になる日もあり、いわゆる熱帯夜はない。熱帯夜の多い大阪市と比べると夏の平均気温はタシケントのほうが低い。

湿度が低いと生ゴミがあっという間に乾燥してしまう。茶殻をざるに取っておくと1日で元のお茶の葉に戻ってしまう。(形だけ)スイカやメロンの皮も黴が生えたり、腐ったりする前に干物になってしまう。また炊飯器はご飯がなくなってそのままにしておくと残ったご飯粒がカラカラ、パラパラになるので内釜を水洗いする必要がない。
困るのは野菜がすぐしなびてしまうことだ。日本にいる時、ジャガイモや人参は買い置きしていても暫らくはもつ野菜だと思っていた。でもこちらでは人参を3,4日そのまま台所においておくと萎びて、もう私はだめです、食べないで下さい、という情けない状態になる。じゃがいもも水分が失われてぶよぶよしてくる。きゅうり、サラダ菜など流しにおきっぱなしにしたら1日でだめになる。バザールでは1.5L入りのポリビンの上部に針金でいくつか穴を開けたものを用意して、ビンを振って葉物、人参、蕪など満遍なく水を降りかけている。これをやらないと気温はそれなりに高いので葉物はだめになる。買い置きしても日持ちして大丈夫な野菜は玉葱ぐらいだろうか。

日照時間が長く、気温が高く、日中の気温差が大きいということは、果物にとっては最高の条件だ。糖度が高くなるのだ。野菜も甘みがあっておいしいのだが、果物はさらに甘い。スイカ、メロンはとても甘くて美味しい。スイカは現在、1キロ300スム、スイカは3,4キロあるので1個100円くらいということになるがシーズンになると1個40円に下がってくるらしい。メロンはシーズン初めということもあってハンドボールくらいの大きさのものが1200スムもする。これもいずれ半値以下になる。
ビール瓶を提げて帰るのが面倒だという理由で晩酌をやめてしまったのに、4キロもあるスイカをぶら下げてバザールから戻るというのは矛盾するようだが、健康のため、水分補給のためにがんばってスイカを買いに行かなければならない。というのはこちらでは湿度が低いために大量の汗をかいていることに気がつかないことがある。汗が滴り落ちる前に蒸発していくからだ。実はこれが大事につながる。

先日、歩道に20センチほどの大きな穴が開いていた。緊張感が切れていたのか、その穴にすっぽり片足が入り込んで、ばったりと前のめりに倒れた。瞬間、転倒-骨折-寝たきり-痴呆症の連想が頭をよぎった。幸い首から提げていたデジカメと足の骨には損傷がなく、ほっとした。(すりむいたヒザは自然に治るが、デジカメが壊れたら自然には治らない)

それと同じ様な連想で、夏は、高温-大量発汗-脱水症状-意識混濁-腎不全という可能性がある。激しい発汗にはミネラル分を含んだ水分の補給が大切である。せいぜいスイカやメロンを食べて腎不全にならないようにして、この夏を乗り切りたい。