チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ5年9カ月

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介護ロングステイ5年9カ月

■食事の様子
ブアさん、ニイさんのコンビも2年たった。一番長く続いている。何事も変わらないのがいい。同じ人に世話されている方が母も安心感があるようだ。

ご飯を食べさせてもらう時、母はニイさんを見ながらなにやら呟くのであるが何を言っているのかは息子にもわからない。つぶやきがちょっと途切れた時に匙のお粥が口に入れられる。入れ歯をしていないから匙は口の中にスムーズに入る。匙が上向きに引き出されると、お粥のみ口の中に残る。母はもぐもぐと飲み込む。ニイさんはアロイマイ?(おいしいですか)などと話しかけると母はうんうんと頷く。おかゆは卵、野菜入り、それに日本製のふりかけ、タイの豚肉でんぷなどで味付けに変化を持たせている。時にはナマズ、プラニンなど川魚の身も食べる。水は注射器を使って口内へ。時にはむせてゴホゴホやっている。一度肺炎で入院したことがある。肺炎の原因となる誤嚥が心配だが、ひとしきり咳をした後はまた大人しく食べ続ける。お粥の後はすりつぶしたバナナを茶碗に一杯。喉の通りがいいのかスムーズに飲み込む。

食事時間は30分位、終わるとしばらくソファに座っている。そのままうたた寝をすることもある。うたた寝を始めたころ、ソファからベッドに移されてひと眠り。穏やかな暮らしである。

■薬について
ヤクルトを飲んでいるし、ふりかけには小魚の粉が入っているから大丈夫とは思うが、カルシウム剤くらい飲んだ方がいいかな、と思うことがある。病院に行けば黙っていてもカルシウム剤と一緒にビタミン剤、胃薬、整腸剤などを処方してくれると思うが、身体的には女中さんも感心するくらい健康なので薬は何も飲んでいない。89歳、母のように全く薬無しで生活している老人は少ないのではないか。

そういえば、自分は20代のころから胃の薬が手放せず、さらに40を越してからは尿酸値を下げる薬も飲み続けていた。ところが仕事を辞めた途端に、胃潰瘍の薬が要らなくなった。タイに来てからはテニスをして汗をかき、ストレスの少ない生活を送っているせいか、尿酸値が下がり、長年お世話になったユリノームからすっかり縁が切れた。そのうち、痛風の症状が出たら対処を考えるつもりだが、今のところ母子揃って常用薬はない。

ともあれ、あれ、今日は薬飲んだっけ、飲ませたっけ、と考えなくても済むだけでもストレスが一つ減る。

■4人に1人が65歳以上
総務省が今年の9月に発表した人口推計によると、平成26年の65歳以上の高齢者は前年に比べ111万人増の3296万人だった。総人口に占める割合は0.9ポイント増の25.9%で、ほぼ4人に1人の計算。人数、割合とも過去最高を更新した。第1次ベビーブームの最終世代である昭和24年生まれの人が65歳に達したのが要因だという。

石を投げれば老人に当たるという時代、これだけ供給が増えれば、価値が下がるのも当たり前か。お年寄りを大切にしないという昨今の風潮を嘆く前に、若い人に迷惑をかけない体力と健康を維持したいものだ。お釈迦様が仰っているように、人間、生老病死苦の四苦は逃れられないが、生きている間は、生き生きとした生活を送りたい。健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている。厚生労働省2010年発表の統計によると日本人男性の健康寿命は70.4歳、女性で73.6歳。

午前はゴルフ、夕方はテニスと毎日走りまわっている兄も来年には健康寿命を上回る年齢となる。誰もが70過ぎたら突然、健康が損なわれるわけではなく人によって差があるのは当然だが、心配になる。

■認認介護予防のために
母が認知症と診断されたのは78の時だったと思う。その2,3年前からその傾向があったから、ほぼ日本女性の健康寿命通りだった。認知症は遺伝するとは決まっていないが、認知症に関係する遺伝子はあるということが分かっている。介護の中でも老老介護は問題だが、親も認知症、配偶者あるいは子も認知症という認認介護となると事態はさらに深刻になる。あと数年もすれば我々も健康寿命を終え、認知症になっている恐れがある。女中さんだって認認親子の面倒をみるのは大変だ。

というわけで、認知症予防になるというイワシ、サバなどの青魚、カテキンを含む緑茶、ナッツ類、大豆食品などをとるように心掛けている。また、適度な運動、頭を使うことも大事。心にいつもトキメキがあると老化防止にも役立つ。だから異性の友達はいいらしい。
しかし、いくらタイの女性でも「認知症の予防になるので、付き合ってもらえませんか」と言われたらドン引きするのではないか。