■いわゆる慰安婦問題の思い出
慰安婦問題で外人からいちゃもんをつけられたことがある。
1999年3月、経団連の奨学金を貰って、オーストリア、ザルツブルグで開催されたセミナーに参加した。ザルツブルグの帰りにストックホルム商科大学を訪れた。この大学はノーベル経済学賞を受けた人が受賞直後に講演するならわしを持つ由緒ある大学だ。ここに欧州日本研究所(EIJS)がある。この研究所は経済産業省の資金援助でできた。当時、自分は経産省系のシンクタンクに出向していたから、兄弟組織と言える。せっかく欧州に行くのだからと、上司の厚意でEIJS見学、研究員との懇談という出張を作ってもらったわけだ。
所長のマグヌス・ブロムストロン商科大学教授とは東京で何度か会っている。気さくな人物で電話から飛び出す「マグヌス、デース」という明るい声を今でも思い出す。ハワイに家族旅行に行き、日中は子供と一緒に海で遊び、夜は執筆、休暇中に本を一冊仕上げたという優秀な学者でもある。
彼の案内で、学内を見学していた時、日本で1,2度会ったことのある米国人教授に出会った。黒髪で背は1,65mほど、東欧系の米国人だろう。名前は覚えていない。ちょっといじけた目つきをしていてあまりいい印象を持っていなかった。この男が突然、慰安婦問題で日本を詰り始めた。失礼ではないか。まず、あなたの言葉遣いが間違っている。セックス・スレイブ(性奴隷)という言い方をやめろ。すると男は喧嘩腰で捲し立てはじめた。マグヌスがまあまあと割って入らなかったら、小突き合いになっていたかもしれない。
15年も前の話であるが、その時にすでに性奴隷という言葉は世界で一般化していたようだ。この言葉は日弁連が言い出しっぺで、1993年のウィーン世界人権会議から国連用語として採用された。その後、国連人権委員会のクマラスワミ報告(1996年)で軍性奴隷(military sexual slavery)の用語が確立している。
■謝罪の気持ちなどない朝日
それにしても不愉快な思い出ではある。自分がこんな経験をしたのは朝日の捏造記事のせいだ。謝ってもらいたい。
しかし慰安婦問題で朝日は捏造を認めていないし、謝ってもいない。いや、木村社長が東電の吉田証言釈明の時、ついでに謝っているという人もいる。でも社長が謝っているのはあくまで「読者の皆さま」に対してである。自分のように朝日を購読していない者には謝罪の必要性を認めていないようだ。自分は不愉快な思いをしただけであるが、米国の小学校では韓国人や中国人児童に殴られて、鼻の骨を折った子供がいる。いじめは朝日の捏造がもとではないか。読者でないから鼻の骨を折られた子供には謝罪の必要はないのか。
朝日新聞は日本と日本人を貶めた。今、生きている我々だけではなく、反論もできない英霊やこれから生まれてくる日本人を貶めている。
8月5日の「慰安婦問題の直視を」と題する特集で、杉浦編集担当は、「捏造といういわれなき批判、記事を書いた記者への中傷」とまるで朝日が被害者であるように言い、「私たちはこれからも変わらない姿勢でこの問題を報じ続けていきます」と結んでいる。その決意は本当だったようで、10月19日付「慰安婦問題―貴重な女性基金の精神」と題する社説で、外務省のHPから基金への呼び掛け文が削除されたことを非難している。呼び掛け文には「多くの女性を強制的に『慰安婦』として軍に従わせた」との記述が含まれていた。朝日はまだ強制連行があったと主張したいのだろうか。
■朝日は消える
日本は民主国家で、言論の自由が保障されている。だから慰安婦犯罪で天皇に死刑判決を下した女性国際戦犯法廷のニュースが報道されても誰も逮捕されない。タイで国王は死刑などという模擬裁判が開かれたら、関係者のほうが死刑になってしまう。
日本人の中には日本を貶めることで、自分は良心的な人間だと喜ぶ人がいる。反日日本人の機関誌が朝日だから、日本人が目覚めない限り朝日は存続する。親の代から朝日だからという熟年世代も多い。若い人は新聞を読まないし、ネットで情報を得ているから朝日新聞、やめようよ、というのだが親の世代は朝日でなければ、という。全国で新聞購読を巡る家庭内争議が頻発している。朝日も罪つくりだ。
新聞は世界的に衰退産業である。新聞を読まない若い世代が壮年になる頃には、朝日も含めて新聞は姿を消すはずだ。桜チャンネルの「朝日新聞を糺す国民会議」は、朝日を即時廃刊に追い込む、と意気込んでいるが、暫く待っていれば、ビジネスとして新聞が成り立たなくなる経過を観察できるはずだ。
写真はタイの仏像。日本のお釈迦さまに比べ、精神性があまり感じられません。