チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スリランカ旅行(9)

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スリランカ旅行(9)

■ポロンナルワへ
かなり内容の濃いアヌラダープラ観光を終えた後、プール付きの高級ホテルに泊まった。部屋の天井もやたらと高かったという印象がある。Iさんが今度の旅行で1番高いホテルですという。でもツインルーム、1泊で6500ルピー、日本円にして約4000円だから一人当たりにすればそれほどではない。
翌朝、アジさんの車が迎えに来た。この日はアヌラダープラからポロンナルワへと向かう。100キロ、約2時間のドライブだ。ポロンナルワは11~13世紀にアヌラダープラから遷都したシンハラ王朝の王都があった。仏教都市として栄え、多くの遺跡があることで知られる。1982年に世界遺産登録。

道路沿いに「象に注意」の看板が見える。野良象が道路に飛び出してくることがある。本来、象はジャンブルの中で暮らしていたのだが、スリランカが木材輸出に力を入れ、象の住む密林を次々に伐採していったため、住む場所が無くなり、道路にも姿を表すことになった。イッテQのイモトが数年前の番組でスリランカにある象の孤児院を訪れている。これらの象も開発の犠牲というべきだろう。そんなことを話しているうちに道路左手に2頭の象が現われた。車の速度を落として写真を撮る。向かってくることもなく、大人しく草を食べている様子が何となく哀れに感じられた。

■博物館からスタート
まずはポロンナルワ博物館へ行く。入場料は25ドルと高いが、券に切り離し式の半券が付いており、主要な遺跡の入場料込みということがわかった。博物館では芸術的に優れた石像、彫刻が多く展示されている。遺跡や都市の復元模型もあるので、あらかじめ見ておくと遺跡群の全体像がつかめる。残念なことに館内の写真撮影は禁止になっている。昔は写真は自由に撮れたけど、とIさんは言っていたがだんだん厳しくなっているようだ。博物館でなくても釈迦像とのツーショットは原則禁止である。それはお釈迦様にお尻を向けるので失礼に当たるという理由である。

博物館を後にして、ポロンナルワで最も有名な「パラークラマ・バーフ1世の宮殿跡」に行く。レンガを積み重ねたどっしりとした柱に驚かされる。壁の厚さは3メートルはある。壁には所々に穴が空いているが、往時は穴に床柱が通っていたとのこと。宮殿は幅13メートル、奥行きが31メートル、50以上の部屋があったらしい。今は3階部分までしか残っていないがもともとは7階建てだった。さぞかし荘厳であっただろう。シンハラ朝12世紀の優れた建築技術が偲ばれる。この重厚なレンガ造りの壁は写真映えがする。人物を配すると男女を問わず3割方美男美女に撮れるので、お越しの際はぜひ試してほしい。

■仏教遺跡
宮殿跡の近くにはいくつかの遺跡が点在している。まずは宮殿の北、仏陀の歯が祀られていたというアターゲ寺、54本の石柱に囲まれたその奥に高さ3mほどの右手が欠けた釈迦立像がある。昔は2階建てだったというが、現在は1階部分の石柱のみが残っている。全く記憶に残っていないのであるが、石柱にはインドグプタ美術を彷彿とさせる浮き彫りが施されている。尚、仏歯はその後キャンディに運ばれたので今はない。

ラトナギリ・ワタダーゲも見逃してはならない仏教遺跡だ。ワタダーゲとは円形の仏塔を意味する。円形の壁に囲まれ、東西南北四方に入口があり、基壇上には夫々の方位、方角を守護する四体の禅定坐仏像が配置されている。7世紀の建立とか。この日は白人のグループツアー客が多く、人が写り込まない釈迦座像を取るのに苦労した覚えがある。壁や階段には動物などのレリーフが丁寧に彫られており、模様の細かさや装飾の複雑さに目を奪われる。

階段の手前にはハーフムーンストーンがある。ハーフムーンストーンとは文字通り半月石で半円の石板に象や馬、蓮の花などが彫りこまれ、一番外側には炎が巡っている。仏教の輪廻を表したものといわれるが自分にはよくわからなない。日本からのツアーの中には「ハーフムーンストーンを見て回る旅」がある。彫り込まれている動物の種類やヒンズー教の影響など、興味のある人にとっては各地のハーフムーンストーンを見て回るだけでも行く価値があるのだそうだ。

石に書かれた本、ガルポタも近くにある。長さ9m,幅1.5m,厚さ45cm,重さ20tもあるそうで,表面にはびっしりニッサンカ・マーラ王への称賛の言葉が彫られている。顔のない巨大仏像のあるランカティラカにも行ったが、ガルポタ同様、写真はあるのに全然記憶がない。どんなに証拠を突き付けられようとも、いえ、全く記憶にございません、は他にもたくさんあるのではないか。



写真は野良象、パラークラマ・バーフ1世の宮殿跡、ラトナギリ・ワタダーゲとハーフムーンストーン、アターゲ寺。