チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スリランカ旅行(3)

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スリランカ旅行(3)

■講和会議の空気が一変
スリランカ旅行と謳いながら、中々、スリランカに辿り着かない。しかし、もう少しジャヤワルダナ演説をご紹介させて頂きたいと思う。

当時44歳のセイロン蔵相ジャヤワルダナ氏のサンフランシスコ講和会議での演説は各国の代表に深い感動を与えた。演説の全文はネットで読める。原文も掲載されているから、英語の得意な方はその格調の高さに感銘を受けるのではないか。

講和会議でソ連は、「日本に平和や自由を与えることは許されない」、「国を分割して統治すべき」と、米ソ英中の四ヶ国による日本分割統治を提唱した。その分割案に真向から反対した国が出席国の中で最も弱小の島、英連邦内自治領セイロン(現スリランカ)代表だった。
同じアジアの仏教国という立場から、参加国に寛容の精神を求め、日本に対するいかなる制裁にも反対し、日本の完全独立を認めて国際社会の一員として迎えるべきだと説いた。

この演説で、多くのアジア諸国が日本との関わりと恩恵を想起し、また日本人は同じ肌の色をしたアジア民族であり、日本が戦ったのはアジア人を搾取した白人国家だったのだと再認識することとなった。彼はアジアの一体感を呼び覚ましたと言える。敗戦国に対して、利害を超えて「尊敬」と「共感」を表明し、日本の独立を強く支持するJ・R・ジャヤワルダナ氏の言葉に会場はうち静まっていった。彼が話し終えた途端、会場であるオペラハウスは窓が割れんばかりの大拍手に包まれたという。

■ジャヤワルダナ氏の演説の抜粋
何故アジアの諸国民は、日本は自由であるべきだと切望するのでしょうか。
それは我々の日本との永年に亘るかかわり合いの故であり 、またアジア諸国民が日本に対して持っていた高い尊敬の故であり、日本がアジア緒国民の中でただ一人強く自由であった時、私は、この前の戦争の最中に起きたことですが、アジアの為の共存共栄のスローガンが諸国民にアピールし、ビルマ、インド、インドネシアの指導者の或人達がそうすることによって自分達が愛している国が解放されるという希望から日本の仲間入りをした、という出来事が思い出されます。

セイロンに於ける我々は、幸い侵略を受けませんでしたが、空襲により引き起された損害、東南アジア司令部に属する大軍の駐屯による損害、並びに我国が連合国に供出する自然ゴムの唯一の生産国であった時に於ける、我国の主要産物のひとつであるゴムの枯渇的樹液採取によって生じた損害は、損害賠償を要求する資格を我国に与えるものであります。

しかし我国はそうしようとは思いません。何故なら我々は大師の言葉を信じていますから。
大師(ブッダ)のメッセージ、「憎しみは憎しみによっては止まず、ただ愛によってのみ止む」はアジアの数え切れないほどの人々の生涯(生活)を高尚にしました。仏教の元祖のメッセージこそが、人道の波を南アジア、ビルマラオスカンボジア、シャム、インドネシアそれからセイロンに伝え、そしてまた北方へはヒマラヤを通ってチベットへ、支那へそして最後には日本へ伝えました。これが我々を数百年もの間、共通の文化と伝統でお互いに結びつけたのであります。

この共通文化は未だに在続しています。それを私は先週、この会議に出席する途中、日本を訪問した際に見付けました。また日本の指導者達から、大臣の方々からも、市井の人々からも、寺院の僧侶からも、日本の普通の人々は今も尚、平和の大師の影の影響のもとにあり、それに従っていこうと願っているのを見いだしました。我々は日本人に機会を与えて上げねばなりません。
そうであるから我々は、ソ連代表の云っている日本の自由は制限されるべきであるという見解には賛同出来ないのです。

1951年9月6日、サンフランシスコ対日平和条約の締結と調印のための会議に於ける演説、スリランカ大使館(東京)資料より

■アジアもいろいろ
この演説に感銘を受けた吉田茂首相は生涯、ジャヤワルダナ氏との交流があったという。彼の顕彰碑は日本に4つある。/斉狎邯鎌倉にある大仏でおなじみの高徳院、東京都八王子の雲龍寺、D耕邯長野市善光寺、ぐγ慮愛西市の明通寺である。お近くの方は是非訪れて頂きたい。

インパール作戦に参加したインド国民軍にはセイロン人部隊があった。英国はセイロンからも徴兵してマレー半島で日本軍と戦わせていたからだ。セイロン始め多くのアジアの国々が戦中、戦後を通じ、一貫して日本への尊敬と共感を表してきた。アジアは中国と半島だけではないことを常に想起したい。


写真トップは若き日の、最後は講和会議で演説するジャヤワルダナ氏