チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

堅調な経済、安定した政権

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堅調な経済、安定した政権

■政治情報無し
日常生活の話以外に、月に一度ほどタイの政治について書いていた。2014年5月のクーデタ以前は赤シャツ、黄シャツが入り乱れて政争を繰り広げ、死傷者が出るのは日常茶飯事、タイの英字紙や日本語情報サイトでも全くこの国はどうなるんだ、といった過激情報がふんだんに流れていた。

現在のタイ政治は全く平穏で何も揉め事はなく、来年に行われる総選挙へ向けてプラユット政権が着実に舵取りをしているように見える。政治ニュースが殆どない。これは軍事独裁政権による完全な報道管制が敷かれているせいである。政権批判をしたテレビは放映差し止め、新聞も検閲に引っかかって白紙部分があったことは記憶に新しい。タイにはバンコク・ポスト、ネーションなどの英字紙があり、数年前まで友人がその主だった記事の翻訳を送付してくれていた。でもクーデタ以降、面白い記事どころか記事そのものがないという理由で配信が途絶えてしまった。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」がまとめた2017年の報道の自由度ランキングで、タイは対象の180カ国・地域中142位(2016年136位)だった。これは世界180カ国を対象にメディアに与えられる自由度を数値で表し、ランク付けしたもので、因みに日本は72位、63位の韓国より下位というのは気になるところではあるが。

昨秋、日本に一時帰国した折、新宿東口で「安倍独裁政治を許すな」の書きなぐりの立て看を並べて中年のおばさんが「ドイツは独裁者が出ない仕組みになっている、それに引き換え日本では…」とマイクで叫んでいた。何が安倍独裁ですか。独裁だったらあなたは即、逮捕されてここにはいないよ。それにテレビ、ラジオ、多くの新聞は放送、発行停止に追い込まれる。「安倍独裁」と叫ぶ人は一度、タイに来て「プラユットの独裁を許すな」と王宮前広場あたりで呼びかけてほしい。すぐ警察が飛んできて独裁とは何かをしっかり教えてくれるはずだ。

■経済良ければ全て良し
1993年から2001年までアメリカ大統領だったクリントンは品性下劣な人間だったが、余り非難されなかった。それは彼の任期中はITバブルで米国の景気がよかったからだ。政権の人気は景気の良し悪しで決まる。

プラユット政権が発足した2014年に0.9%に過ぎなかったタイの経済成長率は、2015年には2.9%、2016年、3.2%と着実に回復し、2017年は3-4%の成長が見込まれている。またタイ観光・スポーツ省の発表によると2017年通年の外国人旅行者数は前年比8.8%増の3538万人に達し、観光収入は12%増の1兆8300億バーツになるとのこと。2014年に政治情勢のため127万人にまで落ち込んだ訪タイ日本人数も2017年には157万人にまで回復している。また2017年のタイ輸出額は通年で前年比10%増、また車の生産も好調に推移している。

こうしてみると、タイ経済は堅調に推移しているので、これだったらもう暫くプラユットさん続投でもいいんじゃないのという声が出てくる。独裁だから国民の支持がないというのは民主主義に毒された考え方で、プラユット政権の支持率は決して低くはない。クーデタ直後の80%以上の支持率は眉唾にしても、私立バンコク大学の世論調査バンコクポールが2017年5月に全国1269人を対象に行なった世論調査によると、プラユット首相に対する支持率は52.8%と過半数を超えている。これに対して25.6%が支持しない、21.6%が無回答だった。
NHKが今年1月に行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は46% 不支持率は37%だから、プラユット軍事政権は安倍政権より国民の支持を受けているということになる。

■ヤル気十分のプラユット氏
独裁政権の支持率は信用できるか、という声はある。もし公然と不支持を表明すれば逮捕される恐れがあるからだ。でもまあ、そこそこ暮らしていければ、ご政道には口は出すまい、とタイ庶民は考えているのではないか。前述、バンコク大学の世論調査でも、総選挙については、50.6%がすぐに行なって欲しいと回答する一方で、24.6%がどちらでもいい、21.8%がこのままでよいという結果となっている。

始めは2015年に実施されるはずだった総選挙は今年11月からさらに延期され、来年以降になった。但し総選挙があってもタクシン派が多数をとれない仕組みとなっているし、上院は当初の5年間、軍政が議員を選任し、軍幹部も議員に含まれる。要するに総選挙後もプラユット続投は十分可能。プラユット首相は1月3日の記者会見で、初めて自らを「政治家」と呼んで、続投を公然と示唆している。この分で行くと、プラユット首相は安倍さんより長期政権となる可能性がある。独裁でも構わないから平穏な暮しを、これがタイ国民のホンネかもしれない。



最後の写真の兄妹は2月10日から13日まで日本に滞在していたようです。恩赦はあるか?