チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

定年まで勤めていたら

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定年まで勤めていたら

■2分化する高齢者
3ちゃん農業などというが、農業分野では生涯働くという元気老人は少なくない。経験は充分、やりがいもある。それに体を動かすことは健康によい。漁業従事者にも同じことが言えるだろう。また自営業の人もこれまでのお得意さん、長年の蓄積があるから若い人に頼りにされる。自営業従事者も仕事にやりがいを感じるから高齢者となっても働き続ける。精神的にも溌剌としていて、元気である。

これに引き換え、60歳で定年、それから嘱託で働いているサラリーマンは、男性更年期外来のお医者さんに言わせると、ぐっと老け込んで元気がないという。でも元気がないのは当たり前、一般にサラリーマンの給料は55歳をピークに減り始め、60歳で一応定年退職する時は7割くらい。さらに、65歳まで嘱託の再雇用なら多い時の半分でも良い方で、年収が3割くらいに減ったという人もまれではない。稼ぎだけが男の価値とは限らないが、カミさんを始め、周りの人が自分を軽んじているように思う。農漁業や自営業と違って、自分の頑張りで収入が増えることもない。こうすれば営業成績が上がるのに、と思っても、後輩はアドバイスに耳を貸さないし、嘱託の存在そのものを迷惑がっているようだ。

働いても働かなくても7割カットの給料じゃやる気でないよなあ、でもやめるとカミさんに怒られるから仕方ないかなあ。もし自分がずっと会社に勤め続けていたら、こうなったに違いない。胃潰瘍の薬、痛風予防薬、それにうつ病治療の向精神薬も飲んでいただろう。

■嘱託を拒否したら
嘱託でもいいから働きな、というカミさんの命令を聞かず、そんな給料でおんなじ仕事ができるか、と60歳の定年と同時に会社を辞めたらどうなったか。家にいるとカミさんに嫌な顔をされるから仕事を探す。収入に見合ったやりがいのある仕事など見つかるはずもない。外出すると何かと支出が増えるので、家に籠りきりになる。籠池問題や加計問題をテレビで見て、テレビの言うことが正しいことを新聞で確かめて、やはりアベはよくない、アベはアホか、などと呟く。ああ、自分の老後も日本の将来も暗い。こうして気分が落ち込むと体調まで悪くなる。仕事探しどころか病院通い、家庭内では同情されるどころか邪魔者扱い。「アンタ-、一億総活躍社会なんだよー、少しは家の経済考えてよ」、「俺だってなー、現役時代は気が張って多少の体調の悪さは緊張感で乗り切ってきたんだ。でも辞めたら体がもう勘弁して下さい、って言い出したんだ。そうか、苦労を掛けたなあ、少し休むか、そう自分の体に言うのが何が悪いんだー」。良くなかった夫婦仲が更に冷える。我が人生、登ってないのに下り坂・・・。
ここまで書いてきて、最近見た綾小路きみまろの漫談の影響を受けていることに気づいた。

子供のころから軽薄な性格で、兄によると映画を見た後はその真似ばかりしていたとか。こういった性格を早く見抜いて、親が「野口英世物語」とか「リンカーン」といった映画を見せてくれればもう少し真っ当な人生を送れたかもしれない。

■3つの悪パターン
夫がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名したことで知られる大阪大学の石蔵文信医学博士によると、定年後の男性が陥りやすい三つの悪いパターンがあるという。

1)毎日の晩酌が昼間から始まり、飲酒を繰り返しアルコール依存になる
2)小遣い稼ぎのつもりで始めたギャンブル、特にパチンコなどにのめり込む
3)飲み屋の若い娘にやさしい言葉をかけられて日参する

昔の「男性三悪行」と言われた“飲む・打つ・買う”だ。どのパターンも心身の健康に良くないばかりか、なけなしの年金をつぎ込むので生活が破綻し、熟年離婚の原因にもなる困った行動である。こうなるくらいならチェンライでのんびりテニス暮しでも、とお勧めしたいところだが、周囲の邦人を見ると、朝から飲んでいるアル中みたいな人はいるし、パチンコはないがタイ国境にはカジノがあって年金を握りしめてバカラに没頭する人も、あと場所柄、若い娘にハマる人は数知れず。

自分も朝から飲みたいと思うことはあるし、やさしい言葉をかけてくれるなら娘さんによっては日参してもいい、と思っている。悪パターン予備軍であることは間違いない。定年とは関係なく、何処にいようとそうなる人はなるし、そうならない人はならない、ということか。