チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

暑くてもテニス

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暑くてもテニス

■暑季到来か
2月下旬から最高気温が35度前後となってきた。最低気温はまだ15,6度であるが、この最低気温が20度を越すようになったら、完全に暑季入りということになる。タイの学校は概ね3月から5月にかけてが夏休み。いくら熱帯の子供でも暑い時期には勉強できない。ただ、暑季の始めは風があり、日蔭に入ると心地よく感じる。湿度が低いせいだろう。

そろそろ山焼きが始まっていて、遠くの風景が少し霞んで見える。毎年、タイ政府は山焼き禁止を呼び掛け、違反者は罰金、通報者には報奨金を出すことになっているのだが、山焼きが下火になることはない。いくらタイ国内で山焼きを自粛しても、ミャンマーラオスから煙が流れてくるのだから仕方がない、という。肥料の買えないタイの少数民族ミャンマーラオスの農民は何百年も焼き畑農業を続けてきたわけで、一片の通達だけで、はい、やめます、とは言えない。テニスコートに野焼の黒い燃えカスがチラチラ落ちていて、ボールがすぐに薄汚れる。いくらか気分が落ち込む。午前中しかプレーをしないのだが、この時期、10時過ぎになると急に気温が上がってきて、シャツが汗でグッショリ濡れる。炎熱のもとでコートを走り回っていると、どうしてこんな難行苦行を、と思うこともある。

■コートは賑やか
毎年、乾季に鹿児島からU夫妻とその友人がテニス・ロングステイに来られることはご紹介した。その後、1名帰国し、2名新たに参加、現在6名の熟年プレーヤーが、テニスにいそしんでいる。熟年と言っても2人はまだ50代、我々の仲間では50代は若手、動きが違う。お1人は奥様だが、学校でテニス部だったというだけあって、守る位置がいいし、球への反応も素早い。若かった頃はテニスなど皇族方が楽しまれるみやびなスポーツと思って敬遠していた。60の手習いではとても奥様のレベルには追いつけない。早くからやっておけば、と後悔してももう遅い。
ラリーの練習が終われば、すぐ6ゲーム先取のダブルスの試合を行う。Uさん効果で、朝の参集者は十数名、4人揃ったところで試合が始まるが、腕の程度は周知のことであるから、ゲームが楽しめる組み合わせとなる。特に、日本人はワンサイドゲームにならない組み合わせを自然に作る。楽しく体が動かせればいい、と自分も思うのだが、そうではない人もいる。

■勝負に拘る人
自分がチェンライに来たころ、毎朝ゲームをしているファラングループがあった。当時は彼らのほうが格段に上手で、とても相手などしてもらえない、と思っていた。何カ月経って、恐る恐る、一緒にやらしてもらっていいでしょうか、と頼んでみた。中に気さくな老人がいて、いいよ、なに62歳? それじゃ俺たちからみりゃあベイビーよ。それからこの米人グループと研鑽を積んできた。その後、帰国した人が多い中で、今でもコートに現れるファランがいる。もう80歳を越えているのではないか。

彼はパートナーを自分で選ぶ。選ぶ基準は一番腕のたつ人。どうしても勝ちたいのだ。プレー中、明らかにラインの外であっても自分が打ち込んだ球なら「イン!」と叫ぶ。相手の球であればインでも「アウト」という。時にはカウントを有利なほうへ間違える。セカンドサーブも力いっぱい打ち込む。俺はまだ若い、まだやれる、負けてたまるか、だ。狩猟民族の末裔はこれだからなあ、と思う。年老いて狩猟集団から置いてけぼりにされた先祖がいるのではないか。タイ人は心優しいから間違いを指摘することなく、微笑みを持ってプレーを続けている。自分もボランティアで彼と組むことがある。ゲームを落とすと不機嫌に黙り込むし、勝つとやたらと誉めてくれる。わかりやすい性格と言えばそれまでだが。

■謝る日本人
日曜を除いて毎日コートに来るスイス人がいる。ミスをすると「オー、ノー」とか「シット」というがほとんど謝らない。ファランは概して謝らない。タイ人は少し謝る。それに引き換え、日本人は「すみません」、「ソーリー」を連発する。テニスは相手のミスを誘うか、こちらがミスをするかのスポーツだ。でも相手にスマッシュを決められた時でも「リターンが悪かった、すみません」と謝る。多分、口癖になっているのだろう。ゲーム中、ずっと謝り続けている。気になるので、そんなに謝らなくてもいいのです、と言ったことがある。世の中にはうかつに謝ると「更なる謝罪と賠償」を要求してくる国がある。幸い、コートに中韓の人は来ないが、安易に謝る癖が外交にも影響しているのではないかと思う。

テニスの話が中韓批判になりそうなのでここでお終い。




写真はパガンの仏教遺跡