チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ミャンマーの旅(3)

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ミャンマーの旅(3)

■国境の街、ミヤワディ
歩道には机の上に札束を積み上げた両替店がいくつもある。ミヤワディ対岸のタイ、ターク県の住民の3人に1人はミャンマー人という話もある。ミヤワディからメーソットへ日用雑貨を仕入れに行く人が多く、タイバーツとミャンマーチャットの両替需要が多いのだろう。交換比率は1000バーツは36,500チャット、最高額の1万チャット札が日本円で820円くらい。1万バーツほど両替したがバッグが札束で膨れ上がった。

急ぐ旅ではないのでここで1泊することになり、ホテルを探す。川べりのホテルは1泊500バーツ、しかし外人は宿泊できないという。その筋のお達しにより、外国人は指定の高級ホテルに泊まることが義務付けられ、ミヤワディにはその条件を満たすホテルは2,3軒しかないとのこと。その一つ、ミヤワディホテルへ行く。ゲストハウスに近い3流ホテルだが1室なんと30ドル。タイならば天皇陛下ご一家は無理にしても皇族方がお泊りになっても恥ずかしくないホテルに泊まれる価格だ。4人で4室、少しまけてよ。フロントの女性はニコリともせず首を横に振る。
そう言えば、メーソットまで一緒に来たバックパッカーの若者は街中でもホテルでも一人も見ない。多分、ミヤワディ宿泊情報を事前に把握し、夜行バスでそのままヤンゴンへ、あるいは途中にあるコーカレイまで行ってそこで安い宿を取っているのだろう。

フロントの女性は前払いのドル札をチェックすると、少しシミが付いた古い20ドル札を突っ返した。ミャンマーでは新札のドル紙幣しか受け取らないと聞いていたが本当だった。ウズベキスタンではピン札のドル紙幣は嫌われた。偽札の確率が高いからとか。ヨレヨレのドル札のほうが、実際に流通した証しとして喜ばれたものだ。

■まだ紛争地域を抱える国
ミヤワディはミャンマーのシャン州にある。ミャンマーは8つの部族、135の民族が住む多民族国家である。それぞれの部族はそれぞれの州、それぞれの文化を持っている。シャン族は戦後ずっと独立分離運動を続け、軍事力をもってミャンマー政府と対峙してきた。ミャンマー政府とシャン族と一応の停戦合意ができたのは2012年、ほんの数年前だ。
北タイの国境メーサイからタチレクに行ける。でもその先は少数民族ミャンマー軍の紛争があるので、タチレクから陸路マンダレー、コヒマに今でも外人は行けない。メーソット-ミヤワディの国境もいつ閉鎖されるかわからない。俺が行った頃はまだ安全でね、はバックパッカーの常套自慢セリフだが、自分もそんなことをいう時が来るのかもしれない。

ミャンマーはご存知の通り、英国の植民地だった。英国にとって植民地での民族紛争は大歓迎、いわゆる分割統治だ。インド人やベンガル人を入植させ、白人と現地人の間においた。今、ロヒンギャの難民問題が起こっているが、もとはと言えば英国の植民地政策が発端だ。悪い男は都鳥ではないが今、世界で起こっている地域紛争は概ね白人宗主国が種をまいたもの。白人は罪が深い。

■翌日の予定を知る
ともあれ、ホテルは決まり、翌日のヤンゴン行きをどうするか。バスだと1万チャットから1万5千チャット。ホテル代は高いが交通費は安い。タクシーをチャーターすれば10万チャット。4人で割れば一人2千円ちょっとで行ける。気は若くても体は年相応、途中でトイレに行きたくなったとしても貸し切りならば我慢する必要はない。お金と時間に余裕のある熟年旅行者だから衆議一決、タクシー利用となる。

とにかく、皆さんに付いて行けばいい、と思っていたので、この段階ではどこに行くかわからなかった。聞いてみるとヤンゴンに直接行くのではなく、まずモン州にあるチャイティヨー・パゴダ(ゴールデンロック)に行くらしい。すでに空路ヤンゴン入りしている仲間2人は明日バスで3,4時間かけてゴールデンロックに行く。そこで我々4名と落ち合うことになっていて、ゴールデンロックで泊まるホテルもすでに予約済みとのこと。牛に曳かれて善光寺参りではないが、先達に曳かれてパゴダ参り。

予定も決まった。ミャンマー最初の夜は豪華絢爛に。でもホテルから歩くが中々レストランが見つからない。やっと見つけた食堂は客が一人もいない。インド系の店主がどうぞどうぞ。やたら愛想がよく、頼みもしないスープをフリー、フリー(無料)といって出してくる。なんか怪しい気がしたが、やはり勘定は少し高め、ミャンマービールが1本3000チャット(250円)。ヤンゴンやパガンでは1本せいぜい2500チャットだった。お金に余裕のある熟年旅行者だから、この程度は気にしないと言いたいが。




写真はミヤワディホテル、携帯電話店の可愛い店員さん、16歳とか、シムカードは1500円くらい。あと2枚は市内のお寺