チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

英国のEU離脱

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英国のEU離脱

円高になった
当地に在住する年金生活者の関心ごとは、1に為替、2にビザ問題、3,4がなくて5に健康、あるいは人によっては異性関係といったところか。
1月くらい前までは、顔を合わせると、ずっと円安で困りますね、というボヤキが聞かれたものだ。

ご存知のように、6月23日に行われた英国のEU離脱を問う国民投票の結果、英国がEUを離脱することになった。5月から6月初めにかけて1ドル110円前後であった為替レートは、6月中旬以降、105円前後と円高に振れ、EU離脱が伝えられると一時100円を割り込む。
いよいよ、世界経済恐慌の再来か、とマスコミでは大騒ぎ。自分は異国の片田舎に侘び住まいする退職者、英国のEU離脱が恐慌の始まりかどうかわからないし、心配したところでどうなるものでもない。大騒ぎするマスコミをよそに、ああ、これでバーツの手取りが増える、もっと増えないかな、と小市民的喜びを感じているだけ。

2か月ごとに高松とチェンライを往復している弟夫婦がやってきた。4か月前にチェンライに来た時は10万円が、確か2万7千バーツくらいだった、今回は3万5千バーツになるのだから大きいよな、とホクホク顔だ。

■番狂わせ
EUの残留、離脱を巡っては、残留派の女性下院議員がテロの犠牲になり、その同情票が上積みされるから、英国のEU離脱はない、という見方が大勢だった。国民投票直前の世論調査でも、わずかに残留派が多かった。日本の報道、解説も英国はEUに残留する、が主流だった。

英国は何でも賭けの対象になる。サッカー・プレミアリーグで優勝したレスターの優勝オッズは5001倍だった。国民投票はほぼ半々に分かれるのだから、賭けの面白さはないように思っていた。でも6月23日に配信されたブルームバーグには

「英国民投票ブックメーカーオッズでEU残留確率約90%に上昇」とある。以下本文。

英国の欧州連合EU)残留・離脱を問う国民投票が進行する中、ブックメーカー(賭け屋)とギャンブラーは残留への確信をいっそう深めている。
アイルランドブックメーカー最大手パディ・パワー・ベットフェアは23日、残留オッズが1/12となり、残留確率が92%に高まったことを示唆したと公表した。前日のオッズは確率77%を示していた。残留確率の上昇はブックメーカー各社で見られている。
ベットフェアのナオミ・トッテン氏は文書で「今朝だけで400万ポンド(約6億3000万円)のトレードがあり、残留がいま一度強く支持された」とし、「スコットランド独立住民投票の当日には約1000万ポンドのトレードがあった。国民投票が続く中で、(オッズの推移を)注意深く見守る価値はあるだろう」とコメントした。

9割のギャンブラーはお金をすってしまった。日本のエコノミストの見立てが間違っていたのも仕方ない。

■安倍さんの慧眼
英国のEU離脱で起きた世界経済の混乱は、G7伊勢志摩サミットで安倍首相が見通した未来が正しかったことを証明した。

首脳宣言のなかで安倍首相は英国のEU離脱とその懸念を述べている。最後の一文に注目。
「世界経済の回復は続いているが,成長は引き続き緩やかでばらつきがあり,また,前回の会合以降,世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきている。近年,世界的な貿易のパフォーマンスは,期待外れの状況にある。弱い需要及び未対応の構造的な問題が,実際の及び潜在的
成長に負荷を与えている主な要因である。非経済的な由来による潜在的なショックが存在する。英国の EU からの離脱は,より大きな国際貿易及び投資に向けた傾向並びにこれらが生み出す雇用を反転することになり,成長に向けた更なる深刻なリスクである。」

安倍総理の宣言に対し、民進党の玉木代議士は「世界経済危機をでっち上げる怪文書」と評した。同党の柿沢代議士も「安倍総理リーマンショック宣言は国際会議軽視」と批判。
共産党の志位委員長は「リーマンショックの前のよう、なんて言っているのは安倍総理だけ。自分の経済政策の失政の責任を世界経済に転嫁するとはあまりにも無責任。」

慶應義塾大学経済学部の金子勝教授に至っては、「息を吐くように嘘をつく安倍首相がサミットで、リーマンショックと同じで世界は危機的と語った。100年に一度の世界金融危機とは違う。公約違反を隠すために世界に恥をさらす」

嘘をつき、恥をさらしたのはどっちだったか。円高は世界が、信用できる円にシフトした結果。日本経済が評価されているということだ。日本の政治もしっかりしているようだ、と円高がさらに進むかも。円を換えるのはもう少し後にしようか、悩みが尽きない。