■暑かった
4月から5月中旬にかけての暑さは異常だった。気温40度越えの日が続くと体も頭もどうかしてくる。日中40度でも夜から朝にかけて22-23度に気温が下がる。だからチェンライには熱帯夜はない。ただ我が家の2階は西日が当たるため、西側の壁が蓄熱体となって、部屋の温度が下がらない。
30度以上の部屋でパソコンに向かうのだが、扇風機をかけてもそれほど涼しくならない。そこでTシャツを水に浸し、よく絞って、そのまま着る。そして背後から扇風機をあてる。こうすると風が当たる部分が気化熱で冷や冷やして気持ちいい。
エアコンが部屋にあるのだが、年代もので、ジェット機が離陸するときのような騒音が出るし、目の玉が飛び出るくらいに電気代が跳ね上がる。それでここ数年はエアコンなしで過ごしている。
このような暑い時期、タイ人はどうやって過ごすのか。聞いてみると、暑さで目が覚めるたびに、汲み置きの水を浴びて体を冷やすのだという。タイの娘が水浴びをし、ホラ、私の体、冷たくてキモチいいわよ、と言って寝床に忍び込んでくる。おお、確かに、と日本人はころりと騙される、といった話を書物で読んだことがある。実体験はないが、さもありなん、と思う。
■ホテルで避暑
エアコンの効いた涼しい部屋でゆっくり眠りたい。最高気温40度を越えるころ、何度かホテルに泊まった。兄がネットで検索し、チェンライ市内の、プール付き、朝食付き、ツインの部屋を予約。こちらは1室いくらで決まっており、1人でも2人でも値段は同じ。ネットで検索すると、宿泊費はもちろん、宿泊経験者のコメントやスコアが出ている。日本人がよく利用するメリディアンやデュシットなど最高級ホテルでも日本円にして1泊で1万円ほどであるから、プール、朝食付きでも5千円以下でも評判のいいホテルは結構ある。一番安かったフェン・チャン・ティップは2人で泊まって700B、2千円ちょっとだった。一応、屋外プール付き、プールサイドには珈琲、紅茶、それにバナナ、クッキーなどが用意され、もちろん無料である。朝食はジュース、パン、バター、ジャムのコンチネンタルの他、タイ式お粥や卵、ソーセージなども用意されていた。日本なら珈琲だけで千円は取られる。一人千円あればこちらではプールで泳いで、エアコン付の涼しい部屋で寝て、朝ご飯まで食べられる。
概ね、昼過ぎにチェックインして、午後はプールで泳いだり、涼しい部屋でテレビを見たり。ウトウトと昼寝をすることもある。夜は市内のレストランで食べる。いつもは女中さんの作る肉野菜炒め中心の変わり映えのない夕食をとっている。ホテル宿泊はハレの日と言っていい。フロントで訊いた「美味しい」レストランへ繰り出す。時には観光客のように、ナイトバザールのフードコートへ行く。生ビールのタワー(3リットル入り)をドンとテーブルの上において、周りの屋台から買ってきた唐揚げなどを肴にまずは一杯。自宅と違って日が落ちると急激に涼しくなる。あー、日本にはまだ働いている友人もいるというのに。
頑張っている友には申し訳ないが、チェンライはいいぞ、と思う瞬間である。
■好雨知時節
あちこちで井戸が枯れ、田植えができないと、雨不足が心配されていたが、5月の中旬から待望のスコールが来るようになった。好雨時節を知り、は春の風景を詠んだものというが、いい時に降ってくれるよ、と嬉しく思う気持ちには変わりはない。どんよりと山を遮っていた煙害がきれいに洗われて、草木が息を吹き返し、緑が一段と映える。この方向にも山があったのだなあ、と遠くに紫色の山並みが出現する。5月の下旬から6月初め、つまり先週は毎日のように雨が降っていた。チェンライの天気予報はずっと「晴れ時々曇り、ところにより雷雨」。チェンライ県は東京都の5倍の面積がある。それに家の周りで降っていても10キロ離れた市営運動場はかんかん照りということも珍しくないほど局地的に雨が降る。まあ県内、常にどこかで降って、どこかは晴れている。
暑季の頃もテニスには通った。8時過ぎはまだしも10時を過ぎるとぐんぐん気温が上がってきて、汗が滝のように流れる。こうなると楽しみではなく難行・苦行だ。通常、6ゲーム先取のダブルスを2-3セットやるのだが、暑季は1セット、せいぜい1時間でやめていた。6月に入って最高気温は30度ほど、2時間はできる。暑季には足が遠のいていたタイ人も集まるようになった。週に1、2度、降雨のため休めるのも嬉しい。この年になってコートを走り回れることも嬉しい。何かと嬉しく思えることはいいことだ。
写真は各ホテルのプールとナイトバザール近くにあるフードコート