チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ハンドルの遊び

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ハンドルの遊び

■カリビア
リビアンことスズキのジムニー、1300奸1989年製は健在である。ほとんど毎日乗るし、時には長距離ドライブにも行く。5段変速、ギア比をうまく使わないと、車のほうでそれじゃやってられませんよ、とギヤ鳴りで文句を言ってくる。上り坂では2速で轟音を響かせ、私は頑張っております、と主張する。ノークラッチの車に比べてかなり人間的だ。
27年落ち、少なくとも数十万キロは走っている。自分が乗るようになっても年に2万キロは走っている。

5千キロごとのエンジオイル交換以外は手はかからない。それでも人からハンドルの遊びが大きすぎると指摘を受けた。遊びとはハンドルを回しても、空回りして操舵できない最初の部分のことだ。通常の運転では痛痒を感じないのであるが、オイル交換のついでに、ハンドル調整をしてもらった。おかげでハンドルから手を放しても直進するようになった。以前は手を放すと車が左方向に蛇行していったものだ。考え方は右寄りでも車は左に傾くのか。

ハンドルに遊びがないほうがいいか、あるほうがいいかについては議論がある。遊びがなければ、でこぼこ道などでタイヤから入力された力が直接ハンドルに来て、車は右に左にとぶれる。常に細かな操作が必要、緊張してハンドルを握るため、大層疲れる。疲れは即ち事故につながる。レーシングカーのハンドルは遊びがないから、テキパキと車を制御できる反面、マンホールに片輪乗り上げただけで1メートルは振られるらしい。レーサーは別にして、一般のドライバーはハンドルの遊びのおかげで快適な走行を楽しんでいると言えそうだ。

■金銭授受問題
3月25日からプロ野球が開幕した。今年は開幕前に「球界金銭授受問題」がマスコミを賑わせた。巨人軍で声出しをした選手に、試合に勝てば全員から5千円、負けたら千円を声出しがチーム全員に支払うというもの。広島カープソフトバンクDeNAでも同じようなことが行われていたらしい。球界の紳士たる巨人がこのような恥ずかしい行いをした、1年間の対外試合中止くらいのバツは当然、という声もあったという。
でもこれは一種のゲン担ぎといったもので、出すほうも貰うほうも、悪いこととは思っていなかったと思う。貰ったほうも将来のために貯金していたわけではなく、食事会や飲み会に差し出していたのだろう。

ミス1件につき、いくらか出して部内積立、お茶代、飲み会の補助、これくらいはやっている会社はざらにあるだろう。自分が現役の頃、部内のゴルフコンペでは馬券が作られた。自分など率先して買った。高校野球が始まると1,2位をあてる馬券があって、一口200円で5口くらい付き合った。当たったためしはない。
ある商社の人が高校野球トトカルチョをやったら、関係会社の知り合いが、俺も、俺もと馬券を買い出して百万円を超す金額が集まってしまい、恐ろしくなって全員に返金してやめた、という話を聞いたのもこの頃。
社会の許容範囲といった不文律を皆が承知していた時代だったかもしれない。

■自分も賭博法違反者
商社で思い出した。5社合弁の会社に出向していた時、仲間といつも連れだって昼食に出かけた。当時、ステーキ定食が600円で、100円玉4個のおつりがくる。帰り道、100円を賭けてじゃんけんをするのだが、いつも商社出身の人に400円召し上げられていた。
これは厳密にいえば賭博法違反である。負けても一家離散になるほどではなかったし、どういうわけか楽しかった。

テレビ局でも新聞社でも麻雀くらいはやるであろう。記者だってゴルフでニギることもあるだろう。
1981年にドリフターズ志村けん仲本工事が競馬のノミ賭博容疑で書類送検されたことがあった。この時、謝罪会見が行われたのであるが、記者席から「子供に夢を与える仕事でありながら、子供たちに申し訳ないと思わないのか」(正確ではないがこのような趣旨)という質問が飛んだ。その時のうつむいて、笑いをかみ殺していた志村けんの表情が忘れられない。結果的には起訴猶予となったのであるが、志村にしてみれば、記者さんだって・・・、それに子供に謝れといわれてもねえ、というところか。社会をお騒がせし、誠に申し訳ありませんでしたと、叩頭させたいマスコミの偽善と、社会が決めた型に従わない志村の芸人魂が際立った瞬間だった。

今回のオチは、ハンドルにも社会にも遊びは必要で、それも車や時代、住む社会によって違うということ。ただ、タイの社会は遊びが多すぎると思うが、それについてはまたいつか。



写真はカリビアンと毎週土曜のタンブン