チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

北タイの仏教遺跡巡り(4)

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北タイの仏教遺跡巡り(4)

■安宿自慢
俺はこんなに安いところに泊まった、という安宿自慢をする人がいる。若いうちはそれでもいい。でもそれなりに年を取り、ある程度の余裕があるのであれば、無理に安宿に泊まる必要はない。宿の設備、満足度は値段に比例してくる。自分も泊まるならせめてプール付き、豪華バスタブ、シャワー室付きの部屋をと思うのであるが、現実は一泊500B、日本円で千数百円が我が宿泊費の標準になっているように思う。一泊1000Bと聞くと、天皇陛下は無理としても皇族方がお泊りになっても恥ずかしくないのでは、と考えてしまう。宿泊費感覚がタイ庶民なみになっているようだ。

それにしても旅の2日目、サワンカロクのホテルは一泊220B、ホテル付設のレストランも、フロントの応対もまずまず、こういった小さな驚きも行方定めぬ旅烏ならではのハプニングである。

■走行距離の目安
スコタイ県のサワンカロクからカンペッペ県の県都、カンペッペまでは113キロ、1時間46分の距離である。初日自宅からラムパンまで250キロ、2日目ラムパンからサワンカロクまで270キロ走っているので、113キロなら訳はない。
自分がバイクに親しんだ20代の頃、ツーリングの距離は1日100キロくらいが適当と言われていた。今は道路状況やバイク性能がよくなっている。ネットによると1日のツーリング距離の目安は、観光メインであれば150キロから200キロ前後、移動メインであれば300キロから400キロ前後、体力勝負の走行は600キロから~、となっていた。

北タイには高速道路はない。見通しがよい場合、100キロ以上出せるが、一般国道だから自転車、歩行者、時には牛が通る。休憩の時間を入れれば平均時速は50キロ前後ではないか。昨年のラオス縦断旅行では、国道を歩行者、牛の外にヤギが頻繁に道を横切る。その道を1日400キロ以上走った。あれは確かに体力勝負の走行であった。何もこの年になって、「限りある身の力試さん」とがんばる必要はない。のんびり観光したり、お茶を飲んだり、1日100キロほどのツーリングが自分に合っているのではと思う。

■カンペッペ歴史公園
サワンカロクを出て20分ほどでスコタイ市内に入るが、今回はスコタイはパス。スコタイを過ぎて10時ごろ101号線沿いにカンペッペ歴史公園の入り口を見つけた。
カンペッペはスコタイ朝、そのあとのアユタヤ朝時代には、ビルマの侵略に対抗する重要防衛都市だった。今も当時の堅固な城壁が残っている。カンペッペとはタイ語で「金剛の城壁」を意味するという。しかしこの金剛の城壁も1767年にビルマの攻撃を受けて崩壊した。ビルマ軍に破壊されたため、現在、形をとどめている寺院、仏塔、仏像はほとんどない。

カンペッペ遺跡公園の入場料は100B、この公園はバイクの乗り入れができた。遠足と思しき小学生のグループもバスで公園内を回っていた。ここの遺跡はラテライトという穴ぽこだらけの石材でできている。概ね寺院は長方形の敷地が塀に囲まれていて、祭壇は一段と高い場所にある。黒っぽいラテライトの階段や祭壇を上り下りする。遺跡巡りも体力勝負、あと10年も経ったら、炎天下の遺跡登りは不可能となるだろう。旅はやはり若い時にしておくべきか。

■もう一つの公園
公園を後にして、10分ほど101号線を南下したら道路沿いにワット・プラケーオの2体の仏像とその前に横たわる寝仏が見えた。5年前、この仏像を見た記憶がある。あの時は塀はなく、自由にはいれたと思うが、現在は入場券売り場があって、また100Bを支払うことになった。2つの遺跡公園を見るときは通しで150Bの切符を買えばいいのだが、これは後で知ったこと。

ワット・プラケーオの仏像は近年にセメントで修復されたのではないか。比較的四角い顔、つながった眉はアユタヤ朝、ウートン様式という。首がなかったり、のっぺらぼうに顔が磨滅した仏像がいくつもある。抽象的とも見える磨滅仏の後ろに回ってみたら、背中に鉄筋が刺さり、セメントで固定されていた。仏教国ならばもう少し敬意ある修復方法があるのではないか。
有名な2体の仏像と寝仏の東側にはワット・プラ・タートの美しい仏塔がある。大小2対の仏塔であるが正面に回ると同じ大きさに見える。丸みを帯びた塔はスコタイ様式とか。

カンペッペ市内に入り、以前泊まったことのあるペッホテルを探したが見つからない。ペッホテルが街一番の高級ホテルで朝食付き600B(2000円弱)と「地球の歩き方」には書いてある。探すのに疲れてピン川近くにあったコーチョクチャイ・ホテルに投宿。一泊280B。前日の泊り代が記憶にあるから280ではもう驚かない。(続く)


写真はカンペッペの金剛の城壁、カンペッペ遺跡公園からワットチャンロープの象、ワットプラケーオの摩耗仏、涅槃仏、ワットプラタートの仏塔