チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

バンコクの爆弾テロ

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バンコクの爆弾テロ

■標的は何?
バンコクでは8月17日、都心のラチャプラソン交差点の観光名所「エラワンの祠」で爆弾が爆発し、タイ人6人、中国人とマレーシア人各5人、香港人2人、シンガポール人とインドネシア人各1人の計20人が死亡、日本人を含む128人が負傷した。翌18日には都内を流れるチャオプラヤ川のサトン船着場の水路で爆弾が爆発した。この同時多発テロは日本でも大きく報道された。

ジャカルタに住む友人からお見舞いメールが来た。

「最近タイも物騒になったというニュースが流れてきますがチェンライは大丈夫ですよね?以前のインドネシアでの爆弾騒ぎは米系ホテルや豪州からの観光客が標的でしたが、今回のタイは誰を標的にしているかわかりません。狙いがある方がこっちも対応の仕方がありますが、何が標的かわからないと避けようもないので、暫くはバンコクには行かないでください。」

事件から1月たち、「犯人」が次々に逮捕されているが、確かに事件の標的、目的がさっぱり分からない。

■懸賞金
タイの警察は、事件直後に現場から立ち去った黄色シャツの男の似顔絵を公表した。防犯カメラに映る男の姿も何度も放映された。タイにも防犯カメラが設置されている。日本の中1男女殺害遺棄事件では犯人逮捕に防犯カメラが大いに役立ったが、タイの防犯カメラは故障中のものが多く、犯人の足取りをとることが事実上不可能だったという。これでは犯人逮捕は難しいのでは、と自分は思っていた。

ニュースクリップ、8月25日付
 「タイ軍事政権やタイ警察の幹部は今回の事件について、国際テロ組織の関与を否定し、軍政と対立する国内勢力の犯行という見方を示している。ただ、『テロではないが、犯人は外国人かもしれない』(ソムヨット警察長官)と、犯人像は不透明。犯人逮捕については、『運が良ければ逮捕できる』(ソムヨット警察長官)と悲観的だ。こうした中、タイ警察は犯人逮捕につながる情報への懸賞金を当初の3倍の300万バーツに引き上げた。」

300万バーツの懸賞金は警察長官が100万を個人のポケットから、あとの200万は友人が申し出た金額という。
日本でも犯人逮捕につながる有力情報に対し、懸賞金が掛かることがあるが、それは迷宮入りとなりそうな事件が対象。事件後、1週間もしないのに懸賞金が出されるのでは、まるで捜査能力がないと言わんばかりで、一線の捜査員のやる気を削ぐのでは、と思われるが、タイでは全く逆。懸賞金目当てに一生懸命捜査に励む。

そして当局は29日、バンコク都内ノンジョーク区のアパートを捜索し、偽造とみられる複数のパスポートを所持した外国人の男1人を逮捕した。男が滞在していた部屋からは爆弾の部品多数がみつかった。300万バーツはこの犯人を逮捕した警官たちに贈られると言う。

■次々に犯人検挙
「タイ当局は1日、8月17日にバンコク都心で起きた爆弾事件の実行犯とみられる外国人の男をタイ東北部サケーオ県アランヤプラテートのカンボジア国境で逮捕したと発表した
タイ警察のプラウット報道官は「重要な容疑者と確信している」と述べ、爆弾を仕掛けた実行犯の可能性が高いという見方を示した」
この男は中国新疆省から来たウイグル人。黄シャツの男と目されたが、その後、実行犯ではないことが判明。

更にこんなニュースも。
バンコクで起きた連続爆弾事件に関連し、タイ当局が1日、マレーシア国境のタイ深南部ナラティワート県スンガイコロクでタイ人男(38)を逮捕し、バンコクの陸軍基地に移送して取り調べを行っているもようだ。」

■不明な犯行動機
「犯人」が逮捕され、取り調べを受けている割には、事件の背景が何も浮かびあがってこない。不法入国で逮捕された中国籍ウイグル族109人が今年7月、タイ軍事政権により中国に強制送還されたことへの報復として、ウイグル族が関与する組織がタイ軍政と中国人旅行者を狙い、爆弾テロを実行したという見方がその後、強まっている。それならば偽造パスポートがバンコクでいくらでも手に入るのになぜ犯人は、新疆の旅券を持っているのか。もし犯人なら、私は中国のウイグル族ですという旅券を持ち歩くはずがない。それに中国の公安が新疆のウイグル人にやすやすと旅券を交付したのもナゾである。チベット人ウイグル人に、中国政府が旅券を交付することは稀と聞く。

タイ南部のイスラム勢力からも犯人とみられる男が逮捕されたということはウイグル族だけではなく、南部イスラム過激派も事件に関与しているということだろうか。背景が明快でないため、誰が、何のために事件を起こしたのか、さっぱりわからなくなってきた。(続く)


写真は実行犯の似顔絵、あとは市場から。