チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

雨季真っ盛り

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雨季真っ盛り

■ 冷涼、高原の気候
東京は連日30度を超す猛暑とか、熱中症にかかる人も出ているようだ。こちらチェンライは漸く雨季らしい天気になってきた。最低気温は20度、陽がささなければ最高気温は30度を下回る。クーラーはもちろん、扇風機もいらない。東京からチェンライに避暑に来てほしいくらいだ。

7月下旬になってチェンライ県の週間天気予報はずっと雨。でもチェンライ県は東京都の5倍、新潟県秋田県ほどの広さがあるから、県内のどこかで雨が降っていてもチェンライ市内で降るとは限らない。それでも家の周りでは遅れていた田植えが盛んに行われるようになった。7月末、8月の、それも五月雨式に行われる田植え風景にも慣れた。田植え時期が少々遅れても台風が来たり、霜が降りるようなことはない。水さえあれば1年中、米作りができる。でも山岳や灌漑施設の乏しい地域では天水に頼ったこの時期の田植えが一年で唯一の機会。まさに好雨知時節、このあたりの農家は胸をなで下ろしていることだろう。コートが濡れてテニスができないことくらい我慢できる。

年間を通して米作ができるのであれば野菜や果物も一年中あるかという話になるが、やはり果物によって違うようだ。ライチやラムヤイは実る時期が決まっていて、市場中ラムヤイ一色になっていたかと思うとあっさりと姿を消す。でもバナナやパイナップルは年間を通して出回っている。スイカは夏の果物というイメージがあるが、ここでは年間を通していつでもスイカが食べられる。食卓にとても甘いスイカが出たことがあった。ブアさんにこのスイカ美味しかったよ、と言うと彼女は、そのスイカの種をとっておいて、自宅の庭に蒔いた。日本にいた時、スイカの皮を庭の隅に放り投げたものだ。ひょろひょろした芽が出たが、秋の訪れと共に姿を消した。ところがブアさんの蒔いたスイカの種は芽が出て、蔓が伸び、その先にゴルフボールくらいの実が付いた。それがあれよあれよとラグビーボールくらいになった。ポンポンと叩いてみて、もう食べられます。同じ味のスイカだった。ネットでスイカの栽培法を見ると、摘芯、人工授粉など手がかかるようであるが、ブアさんは肥料もやらなかった。日本では考えられない手軽さだ。

■向き、不向き
日本の百均ショップでは2袋100円で野菜や花の種が売られており、時折頂くことがある。そこそこ暖かければ発芽、成長するというものではなく、種によっては気難しく、芽を出さないものや芽を出しても大きくならずに枯れてしまうものがある。日本胡瓜は花がついたがどうしても胡瓜にならない。鑑賞用として栽培するほど美しい花ではない。4カ月面倒見たが諦めた。チェンライでも日本と同じ胡瓜が市場に出ているから、何かコツがあるのだろう。

コツで思い出した話がある。先日、ミョウガを知人から貰った。タイにはミョウガはない。日本からの輸入品かと思ったが、日本から取り寄せたミョウガを増やした国産品らしい。そのまま植えておくと1年でミョウガは土に還ってしまう。11月に根を掘り上げて、冷蔵庫へ2,3カ月寝かせ、それから再移植する。そうするとミョウガは、ああ、冬が過ぎ、そろそろ芽を出す季節になったと錯覚してと芽を出す。更に電照で、季節を狂わせると長い間、収穫できる。こんなこと考えついて実行するのは日本人だけだろう。そこまでしてミョウガを食べたいか、と思ったが、バンコクの高級スーパーではすでにミョウガ一個が50円くらいで販売されているとのこと。ミョウガを食べるタイ人が出現しているらしい。日本ではパクチーラーメンが大人気と聞いた。タイにはカノムチーンという日本のソーメンそっくりの麺類がある。激辛スープやタレをかけて食べるのが一般的だが、ミョウガと出汁でさっぱりと頂く、がブームになるかもしれない。

■ニイさん帰る
金曜の夕方になるとタイテレビの全チャンネルがプラユット首相の講話になる。外国テレビも一部を除いて視聴できなくなる。国民すべて首相の有難いお話を聞くように、という心遣いだ。講話の内容は、国民は真面目に働くように、車の運転には注意するように、連休期間中、お酒の量はほどほどにしよう云々。右側を歩こう、廊下は走らない、を付け加えてもいいくらい。

首相の講話を聞いたわけではないと思うが、足掛け1月半不在だった女中のニイさんが7月28日にひょっこり戻ってきた。拍子抜けするくらい屈託なく、母の世話や掃除、洗濯に勤しんでいる。いつまで続くかわからないが、暫くは落ち着いた生活が続きそうである。雨が降っても心は明るい。