チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

食器へのこだわり

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食器へのこだわり

■食器の趣味
友人知人の家に招かれることがある。美味しいものをご馳走になるわけだが、恥ずかしく思うことがある。それはみなさん、食器の趣味がいい、ということだ。それに引き換え、我が家は・・・。

チェンライで家を借りた時、冷蔵庫やテレビはあったが食器類はなかった。近くのスーパーで茶碗や皿を一応揃えたが、その日から使うものであるし、ともかく使えれば良し、選択の余地もほとんどなかった。

数も少なく、我ながら趣味が良くないと思いながらも使っていたが、自分や女中さんが割ってしまうので、いつの間にか6年前購入の茶碗や皿が少なくなってきた。それにつれて、漫画や変な模様のついた、前にもまして趣味の悪い皿やどんぶりが増えてきた。こちらのスーパーでは、レシートを顧客サービスコーナーへ持っていくと皿やプラスチックボトルといった景品を呉れる。ブアさんはこのおまけを貰うことが生甲斐のような人だから、そういった食器が増えてきたわけだ。

ブアさんの作る食事はご飯、スープ、肉野菜炒めが標準。日本では考えられないと思うが、兄と自分のご飯、スープの茶碗がそれぞれ違う。数が揃っていない訳ではなく、手許にあった食器を適当に使うとしか思えない。うちの女中さんだけが特別かと思っていたが、食器にこだわらない、はタイ人一般の考え方のように思える。

兄がチェンマイのインペリアル・メーピンホテルで友人と同じ紅茶を注文した。でてきた紅茶のカップとポットは友人と兄とでは別々のものだったという。メ―ピンといえばANAの指定ホテルで、東洋の歌姫、テレサ・テンが長逗留していた一流ホテルである。カップやポットの数が揃ってないことはないだろう。ただ同じ注文であれば同じ食器を使うと言う日本人なら暗黙の了解がタイ人には無いだけのことだと思う。

■良い食器を日常使う、日本人のセンスを見習いたい!
「台湾ブログ」というネットがある。以下は見出しの書き込みを編集した記事。

この台湾女性は良い食器を使うと食事の雰囲気が楽しくなるといったポリシーの持ち主のようで、「その上日本人は、良い食材を用いて料理する。その真面目な姿から学べることがあると思う」と述べた。和の文化がたくさんの人々の心をつかむのは、そのような真摯な姿勢がつながった賜物だなどと、感じているそうだ。食器も食材も質の高い物を選んで使う、という日本人の意識に共感と感動を覚えているらしい。
 

筆者は2013年にカフェを利用した時に出てきた、カップやポットなどの日本製の食器に「心を奪われた」と文を続け、食器メーカーを探し当てたとつづった。「白山陶器のBLOOMシリーズで青と白の2色使いだが、シンプル過ぎない」と絶賛し、上品な花柄で紅茶の色が映えて美しいなどと、褒め言葉を書きならべた。高価過ぎて購入は難しいと感じたようだが、良い器を使うと楽しい気持ちになることを実感し、「これから器選びを勉強しよう!」と決意を固めたそうなのである。
 

また筆者は、「こだわりすぎる面を持つのも日本人の特徴」だととらえているようで、「信仰心を持ち、どんな物にも神様が宿っているという思いで、敬意を示しているのかもしれない」といった、自身の解釈を述べた。信仰に基づいて細かいディテールまでこだわる、というのが筆者のイメージする日本人像だというのだ。
 

食器をきっかけに日本人の嗜好やこだわりに気付いたと思われる筆者は、“和”のテイストやムードに自然と惹かれる女性なのだろう。お気に入りの食器で食事をし、好みの家具や雑貨に囲まれていると心地良い。日常生活のお供に日本製品を好んで使う台湾人がいるのは、我々日本人を嬉しい気持ちにさせる出来事だと言えるだろう。

■しっくりくる陶器がない
一流の店はともかくとして、タイの一般食堂で使用されるドンブリや皿はメラミン樹脂製だ。一杯30B、40Bのタイそば、クイッティオとなればほぼ100%メラミンドンブリで出てくる。初めは味気なく感じた。タイだから仕方ないか。「家にあれば笥(け)に盛る飯を草枕、旅にしあれば椎の葉に盛る」という万葉集の歌を思い出してしまう。

家でそばを作るときは重くて気に入らないのであるが、ランパンで買ってきたドンブリを使う。同じ陶器であっても日本製とは微妙に違う。ランパンの専門店には夥しい数の陶器があるが、どうもしっくりくる形、大きさのものが無い。弟夫婦に、100円ショップで売っている湯呑を買ってきて、と頼んだ。

毎朝、町内会やPTAで番茶を入れて出すような湯呑茶碗でお茶を飲んでいる。台湾の人に笑われそうだが、この程度のこだわりはあるのです。