チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ5年7カ月

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介護ロングステイ5年7カ月

■母とドリアン
タイに移り住んで5年7カ月たった。母の調子は前月と全く変わりがない。

今は雨季、ドリアンの季節である。こちらに来た頃は6月末になると市場から姿を消していたが、近隣の国から輸入するようになったのか、はたまた品種改良が進んだものか、近年は8月になっても街でよくドリアンを見かける。キロ50B、一個400円前後。マンゴーやマンゴスチンはキロ数十円、あるいはそれ以下で買えるから、一般のタイ人にとってはかなり高級な果物である。日本ではタイ産のドリアンが一個3-4千円で売られている。

そのことをブアさんに話したら、日本では食べられなかったのだから買いなさい、ママさんもドリアンが好きだし、と母をダシにして盛んに勧める。確かに母はドリアンが好物で、食べる様子がお粥やバナナとはっきり違う。匙でドリアンをいれてもらうと満足そうな顔をするし、口を開けて催促する。

実はブアさんもドリアンが大好物、お相伴にあずかるのを楽しみにしている。兄もマンゴーやパパイヤなどに比べればドリアンが好きなようだ。

ドリアンは、この世の中はドリアンが大好きな人と大嫌いな人の2通りしかいないと言われるほど、好みが極端に分かれる。私はドリアンを食べるためにタイに移住しました、自分の奥さんを売りに出してまでドリアンを買うお金を作る、という人もいるとか。

ドリアンはビタミンA、鉄分、カルシウム等を多く含み、強精効果があることでも知られている。但し、食べ過ぎると体調を壊す。ブアさんが、母が喜ぶことをいいことにどんどん食べさせた。といってもひと房分、手のひらに乗る程度の量だったのだが、それで少し母のおなかの具合が悪くなった。トイレに行くには介助が必要である。帰宅していたニイさんに来てもらって、自分と3人がかりで何度かトイレとベッドを往復した。薬も飲まず一晩で元通りになったが、ブアさんはいっぺんで懲りたらしい。あまり、ドリアンを買え、と言わなくなった。

でも母の好物であるし、1匙や2匙なら問題はないのだから、買おうと思うのだが、自分がそれほど好きでないせいか、その後ドリアンを買っていない。親不孝である。

■チェンライ市場
というわけで、チェンライの市場に行った時、ドリアンを買って、といつもより100B多いおかず代を渡した。市の中央に時計台があって、その北側に広がる市場には週2,3回買い物に行く。山岳民族が地べたで野菜や果物を売っていてちょっとエキゾチック。チェンライ市民はもとより、観光客も多く訪れる場所だ。

露店であのトゲだらけのドリアンが山のように積まれている。ドリアンを別名「悪魔の果物」という。デーモン閣下のメーキャップはドリアンからヒントを得たものではないか。ドリアンのトゲトゲを強調すればあの頭になる。この日、ドリアンはキロ45B、一個2-3キロであるから、小ぶりであれば100Bで十分買える。

市場にはファランの家族連れが歩いている。フランス人の団体も見かけた。そういえば8月、欧米はバカンスの季節だ。それで子供が多いのか。昨年は市場やビッグC(チェンライのスーパー)で日本人観光客をよく見かけたが、今年はあまり見かけない。軍事クーデタ、5月の地震の影響で、チェンライ県の観光収入は当初予定を10%以上、下回っているという。さらに客足が遠のく決定があった。

■ビザラン禁止
これまでタイに1月以上滞在する邦人旅行者は、まずノービザで30日、そのあと一度国外へ出てビザ延長手続きをしていた。一般にビザランと言われる方法で、約3カ月タイで過ごすことが可能であった。しかし8月13日からビザランが認められなくなったという。つまり、ビザが無ければタイ滞在は30日まで、一度国外に出てもタイ再入国できず、強制的に国外退去となる。この措置は最近、タイ人の入国資格を厳しくした韓国への対抗措置と言われる。チェンライの出入国管理事務所には「韓国人はビザラン禁止」という張り紙があったという。

係官によっては再入国でノービザ30日の滞在を認めてくれる可能性はある。ビザランは絶対だめ、ではないところはタイらしい。でも日本人観光客で多分大丈夫だろうと、入国から60日後に戻る航空チケットを持ってタイに来る人はいないだろう。30日で国外退去になったらチケットがパーになる。

母は入管に出頭しなくても毎年、1年有効のリタイアメント・ビザをもらっている。ビザは相互主義、もしタイが日本と同じビザ制度を主張すれば、親子3人帰国するしかない。

そんな心配をよそに母はドリアンを食べさせてもらっている。




写真はドリアンと最近の水田、まだ田植えをしている田もあって生育状況は様々です。