チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

さとり世代と清貧

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さとり世代と清貧

■さとり世代
ネットで「さとり世代」という言葉にぶつかった。日本ではこんな言葉が流行っているのか。早速調べてみた。

「さとり世代」とは堅実で高望みをしない、現代の若者気質を表す言葉と言う。インターネットの掲示2ちゃんねるで生まれ、広まった。1980年代半ば以降に生まれ、主に2002~10年度の学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた世代に当たる。

具体的な特徴として、「車やブランド品に興味がない」「欲がなく、ほどほどで満足する」「恋愛に淡泊」「海外旅行に関心が薄く、休日を自宅やその周辺で過ごすことを好む」「節約志向で無駄遣いはしないが、趣味にはお金を惜しまない」「様々な局面に合わせて友達を選び、気の合わない人とは付き合わない」などが挙げられる。

この世代は、高度成長期後のモノが十分に行き渡っていた時代に生まれ、物心ついたときにはバブルが崩壊し、不況しか知らない。一方で、情報通信技術の進歩と共に、当たり前のようにインターネットに触れてきた。このように成熟した時代に多くのネット情報に触れる中で、彼らは現実的な将来を見通して悟ったようになり、無駄な努力や衝突を避け、過度に期待したり夢を持ったりせず、浪費をしないで合理的に行動するようになった、と見られている。

さして出世を強く望んでいるわけではなく、残業もほどほど、気に入らないことには手を出さない。社会的には流行っていても、自分で無駄と考えた消費を慎み、流行や踊らされない。こうした生活態度は少し前に流行した「草食系男子」と共通するものがある。

■さとりの系譜
自分の生活を省みるとさとり世代と共通点がある、つまり、車やブランド品に興味が無い、欲がなく、ほどほどで満足する、気の合わない人とは付き合わない、節約志向で無駄遣いはしない、いまさら恋愛ねえ、といったところはそっくりだ。でもこの「足るを知る」という考え方は別に現代の若者特有のものではない。どこかで聞いたことがある。
20年ほど前、「清貧の思想」という本が出た。時、あたかもバブル崩壊直後。経済的繁栄など邯鄲一炊の夢、むなしいものだ、自らの内面を見つめ直し、質素に生きようという時代のニーズにあってベストセラーとなった。

名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ…。モノとカネにふりまわされ、明け暮れする人生は真に幸福なのか? 無駄を省き、私欲を捨て、つましくも誇り高く生きる。清貧の思想は良寛吉田兼好方丈記鴨長明に遡る。さとり世代はいつの世にもいたし、これからも名前を変えて現れるのだろう。

自分の場合、振り回されるほどモノとカネに恵まれていないものだから、清貧に甘んじているわけであって、これで持ちなれないものを持ってしまったら車やブランド品、タイの愛人を3人囲ってという生活になるかもしれない。とはいえ、足るを知る、という生活はそれほど悪くはない。飢えず、凍えず、毎日口に糊することができる、その上パソコンもあり、雨が降っていなければテニスもできる。これも昭和の御代に生まれ、平成を生きながらえたしるし、あー、日本国に生まれ、年金が頂けて有難い、と書くと人によっては嫌みを感じると思うのでこのあたりでやめる。

■いつの世も
自分がさとり世代と大きく異なるのは「バブル時代」を知っていることだろう。毎年給料が上がるのは当たり前、去年より今年、今年より来年が良くなるという予感があった。上役も鼻息が荒く、若手社員を銀座のバーや赤坂のナイトクラブに連れて行ってくれた。自分が新入社員の頃は酒が飲める、というのはまだ「ハレの日」といった輝きがあった。だから上役や先輩が誘ってくれると喜んでついて行ったものだ。裕次郎の「東京ナイトクラブ」という歌があったし、赤坂のラテンクォーターで木の実ナナの歌とダンスのショーを見たこともある。

今の部長さんたちはナイトクラブを知らない年齢だし、さとり世代を飲みに誘っても、あ、今日は家でプラモづくりをしますんで、と断られるのが落ちだ。大体、酒など飲みたければ自販機で買って自分で飲める。同じビールに1000円も2000円も払うのは無駄・・・。

高度成長のイケイケドンドンの時代がすべて良かったとはいわないが、あの頃、会社に行くのが楽しかったのは事実である。清貧に目を向けるのは年を取ってからでも遅くはない。若い人には夢と希望を持って毎日楽しく働いてほしいと思う。シラケ世代と言われた自分が言っても説得力はないが。




読んでいないのですが、参考書のいろいろ