チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

目的は同じだが

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目的は同じだが

集団的自衛権
若い頃は年をとれば少しは賢くなるかと思っていた。でも60を半ばも過ぎたというのに全く進歩はない。ロバが旅をしたからと言って馬になって帰ってくるわけではない。

その昔、「世界」とか「朝日ジャーナル」等、岩波、朝日新聞系の出版物を無理して読んだ。わからないのは自分の頭が悪いからと、何度も読み返した。やがてわかったことは、自分の頭が悪いのではなく、書いた人の頭が悪いため、誰にもわかるように書けない、ということだった。もしくはわからないように字を並べるという特殊技能か。それにしても読者を馬鹿にした話である。そのせいか朝日ジャーナルは廃刊になったし、世界はまだあるが図書館では手に取る人もなく常に新刊並みにきれいである。雑誌はあいうえお順に並べられており、世界の隣に置かれた「正論」がぼろぼろになるまで読み込まれているのと好対照である。

タイの田舎のわび住まいであるので、日本の状況はよくわからないのであるが、昨今の「集団的自衛権容認問題」では左右に分かれて大騒ぎだったという。この問題については異国にいる自分から見るとなんだかなあという感じがする。自衛権については国連憲章51条で加盟180カ国が認めている権利だ。国際常識から見て日本も普通の国になったということだ。

日本が集団的自衛権の行使を容認したことに対し、欧米各国はもちろんアセアン各国も歓迎している。懸念を表明したのは中国と韓国だけ。この2カ国が反対しているのだったら、安倍首相の言うことが正しいのだと思ってしまう。戦後、朝日新聞社会党の主張の反対が正しかったように。

■よくわからん
兄から、お前なあ、自分の言っていることが正しいとは限らないんだぞ、とよく言われる。だから自分とは相容れない考えの文章も謙虚に読む。でも理解できない時がある。例えば朝日新聞6月29日付、松下秀雄編集委員による(政治断簡)「殺し合い、あなたが命令されたら」という記事。さっぱり意味が通らない。

まず、
『徴兵をやめるのは「軍国主義」への回帰を意味する。そんなドイツ軍将校の発言を、ニューズウィーク日本版で見かけ、目を疑った。』という書き出し。途中は略すが、

『「ベトナム戦争から撤退した73年、米国で徴兵が停止されると、大半の国民にとって戦争はひとごとになり、国は戦争をしやすくなりました」。なるほど、ベトナム戦争の時ほどの反戦運動の盛り上がりは、その後は記憶にない。』

と徴兵制停止で反戦運動が下火になったと説く。結論は徴兵制度が戦争を防ぐ道だ、ということになると思うがそうではない。これに続く文章はとんでもない方向へ飛ぶ。

『ところで、集団的自衛権である。この議論も、ひとごとのように軽くはないか。
 決めようとしている政治家が、みずから戦うことはないだろう。私たち一人ひとりも「自分なら人を殺せるか」を問い、悩んでいるか。自衛隊員は、日本の防衛のためには危険を顧みないと誓っていても、ほかの目的で戦うことは想定せず入隊している。殺し、殺されるおそれが格段に高まる憲法解釈の変更を、おかしいと思う人は多いはずだ。彼ら、彼女らは本音を言えているだろうか。国民全体で悩みもせず、踏みだしてはならない。それは民主主義に反する。』

何の前提もなく殺せるか、などと問われて「はい」といえるか。それに民主主義とは悩むことではなく、多数決が基本だろう。中韓を除く世界各国が日本の集団的自衛権を歓迎しているのであれば、多数の方向に舵を取るのが民主主義ではないのか。

集団的自衛権で戦争を回避
朝日新聞は、集団的自衛権は戦争への道だという。さらに軍隊があるから戦争が起こるという。でもそれは警察があるから犯罪が起こると言うに等しい。犯罪は警察があっても無くても起るし、逆に警察がしっかりしているおかげで犯罪が未然に防がれていることも多いだろう。世の中、犯罪者がいるのと同じように国際法に反して領土を侵し、国民を拉致するような国があるのは事実。

安倍首相は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の後、記者会見を行い、行使容認の意義について「万全の備えをすること自体が、日本に戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく大きな力を持つ」と述べ、日本に対する攻撃の抑止力を高める効果を強調した。戦争を起こさないために集団的自衛権が必要ということだ。

朝日新聞自民党も「戦争に巻き込まれてはいけない」という目的では一致する。ならばどちらの方法が目的を達成できるか、現実的に考えれば自明と思うのだが。




写真は本文と関係ありませんがチェンライの市場。