チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スクータでラオス旅行(5)

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スクータでラオス旅行(5)

世界遺産
ルアンプラバンが世界遺産に登録されたのは1995年。それ以来、街並みに高さ制限が設けられた。なんとなく落ち着いた雰囲気が漂うのは高い建物が無いからだろう。だがこれで世界遺産とは、と誰もが思うらしい。街で出会った日本の若者に、どうしてここが世界遺産なんでしょう、と聞かれて答えに窮した。

世界遺産はもう1000個所くらいあるのではないか。「世界遺産踏破5百」と言うブログを見たことがあるが、次々に登録されるのでは、いくら金と暇があっても回りきることは難しい。
「日本名山100選」とか「四国八十八カ所霊場」があるのだから、「世界遺産よりぬき八十八カ所」とか、「東西世界遺産番付」というものがあったら喜ぶ人はいるだろう。番付となると富岡製糸工場跡や姫路城は幕下あたりにランクされるか。ラオスの人は怒るかもしれないが、ルアンプラバンが幕内に入るのは難しいと思う。

とはいえ、世界遺産から受ける感動は人によって違う。誰が何と言っても、メコンに沈む茜色の夕陽、夕暮れにモン族が露店でひっそりと売る布地に感じる郷愁、といった自分なりの密やかな感動を大切に思うことが、「世界遺産」ビジネスに踊らされない基本だと思う。

■滝への道
ルアンプラバンのクワンシ―の滝は行くべき処という。市内から南に30キロほど行った森林の中にあり、水は神秘的なターコイズブルー、とガイドブックにはある。ターコイズブルーとは緑と青の中間色、水色に近い青緑色だそうだ。どんな色だろう。百聞は一見に如かず。ラオス語で「クワンシ―の滝へ行きたい」と書いてもらった紙を持って出発。1,2度道を曲がるのであるが、その度に現地の人に道を確認する。3つほど橋を渡った。木製の橋で車のタイヤが通る2本の道が板で補強されている。コンバット等の戦争ドラマで工兵がジープを渡すために架ける仮橋そのものだ。

自動二輪免許の試験の中に、通称「一本道」、幅30cm、長さ15mの板の上をバランスよくゆっくり走行する課題がある。40年もたって一本道を経験するとは思わなかった。板もきれいに張られているわけではなく、所々剥がれている。脱輪して転倒すると面倒だ。時速10キロ以下で慎重に走行、肩に力が入ってしまった。

モン族の村や田んぼを過ぎて山道に入ったなと思ったら食堂やお土産物売り場が連なる場所に来た。ここが行き止まり。駐車場でスクータの駐車料金2千キップを払った。駐車場を上がった処にゲートがあり、入場券を買う。2万キップ。単位が大きいので気分が滅入るが2千キップ、2万キップはそれぞれ日本円で20円と200円くらいだから落ち込む必要はない。

滝までの道はよく整備されている。ゲートの右側に小さな動物園があり、ツキノワグマがたくさん飼われていた。このクマはクワンシ―の滝を公園として整備した時に捕獲されたそうだ。

■神秘の滝
森の小道を10分ほど歩くと清流の先に白濁した直径10mはある池が見えた。何だ、仙石原温泉蔵王温泉みたいじゃないか、と思ったが濁っている中にも透明感がある。山が石灰岩でできているのでその成分である炭酸カルシウムが溶け出して石灰華を形成している。池ではすでに何人かのファランが泳いでいた。若い金髪女性のプロポーションには見とれてしまう。写真を撮っても変質者として警察に連絡される心配もない。皆、屈託なく楽しそうだ。

水着の用意をしていなかったが、ジーパンだけ脱いで水の中に入った。冷たい水が火照った体に心地よい。深いところは背丈以上あるからファランが勢いよく飛び込んでいる。自分は元水泳部、美しい飛び込みを披露したかったが、パンツが脱げるのは確実なので自重した。
岸辺に腰かけていると無数の魚が泳いでいる。その小魚が自分の足の周りに集まってきて、足をツンツンと突く。皮膚の角質を食べているのだ。タイの観光地にある「フィッシュ・スパ」の天然版だ。

天然のプールは上流にさらに2つほどあった。初めに入った滝壺には中国人女性が数人入ってきて大騒ぎだ。シャワー設備やトイレはよく整備されていない。自分は、中国人はもちろん、ファランの公徳心をほとんど信じていないので、人の少ない一番上流の滝壺で過ごした。

小道を登りきった処に大きな滝が見えた。高さや三層に流れ落ちる水の量もさることながら、岩や滝の周りの木々のバランスが良く、品格のある滝だ。
昼近くなって続々とピクニックのラオス人やファランが上ってきた。長居は無用。身も心もすっきりしたところでスクータに。濡れたT シャツは帰るまでにすっかり乾いていた。(続く)





写真は途中の橋、ターコイズブルーのプール、最後が滝。