■文化の違い
ネットや無料情報誌で、タイの新聞記事の翻訳が読める。犯罪や事故でもお国柄を反映している。
まず麻薬関係から。
タイ北部、軍が薬物密輸を阻止、７人を射殺
軍当局によれば、タイ最北端のチェンライ県で４月12日、パトロール中の兵士らが武装した不審者グループと銃撃戦になり、グループのうち７人を射殺するとともに、隣国から持ち込まれたみられる大量の覚せい剤を押収した。
荷物を持った不審者は約10人で、兵士らが持ち物検査のため立ち止まるよう命じたところ、発砲してきたという。
銃撃戦は約30分にわたり、不審者は７人が射殺され、残りが逃走。現場に置き去りにされた荷物から覚せい剤約70万錠、末端価格約２億バーツが見つかった。
兵士側に負傷者はなし。また、待ち伏せ攻撃される恐れがあったため、逃走した不審者を追いかけなかったとのことだ。
軍の担当者は、「覚せい剤はソンクラン祭の連休に密売するために持ち込まれたものだろう」と述べている。
トラック荷台床下に隠し格納庫、覚醒剤１２キロなど押収 タイ北部チェンライ
タイ警察は２２日、北部チェンライ県の路上検問で、中型トラックに積まれた覚醒剤の錠剤１７５万錠、粉末１２キロを押収し、トラックに乗っていたタイ人夫婦（４０、４１）を逮捕した。覚醒剤は二重になった荷台の床下に隠されていた。
容疑者は取り調べに対し、約５万バーツで覚醒剤の密輸を請け負ったと供述。荷台に野菜を積み、チェンライからバンコクまで覚醒剤を運ぶはずだったと話した。
日本では覚醒剤使用犯の記事が時折出るが、タイで捕まるのは運び屋が多い。運ぶ薬物の量も半端ではなく、100万錠、数十キロの単位がざらだ。麻薬犯罪の取締りは厳しいのだが、こういった記事がいつも出るということは麻薬がタイ社会に深く浸透しているということだろう。
■坊さん関係
僧侶の車の運転は法律により禁止
僧侶法第7条により、僧侶は車およびバイクの運転を禁止されており、違反した僧侶は一定期間漱石をはく奪されると定められている。2月、僧侶法に関する会議が行われ、第7条に関しても意見交換が行われた。第5管区の僧侶代表は「僧侶学校への通学など車を使う必要があるときでも、檀家に運転してもらう等の対応をすべきであり、とにかく僧侶は自分で運転してはならない」と述べた。第7条違反は再犯のケースが多く、違反者はその都度僧籍を剥奪されている。
車やバイクを運転している坊さんを見かけない理由が初めて分かった。
破戒僧侶、他人の妻と密会
2月7日ランパーン市警は、夫のある女性と不倫を行っているとして、市内に住む60歳の僧侶を捜査した。僧侶は住んでいる寺から200mほど離れたところに自宅を持っており、ここで女性と密会していたのを住民が目撃し警察へ通報した。警察が僧侶の自宅を訪れると家にはかぎが掛けられていたが、中から声が聞こえたため、警察は強制突入を決行、僧侶は裏口から素早く逃げだしたが、中には寺の近くに住む37歳の女性Hが残っていた。Hには夫も子もあったが、この僧侶と懇ろになり、毎日バイクで仕事の帰りに僧侶の自宅に寄るようになったという。僧侶は逃走したのち、しばらくして自宅に戻り、警察に事情を話した。僧侶は容疑を認め警察や村長に対し、「今回のことは非常に反省している。自分は責任を取って3月中に還俗する」と話した。
タイの僧侶は227の戒律を守る義務があり、女性に触れることはできない。しかし戒律を破っても還俗するだけで許されるらしい。
■感動的な記事も
両手右足不随の女性、老いた父を養育
スコタイ県サワンナローク郡に住むオットさんは、現在38歳、生まれつき両手と右足が不自由で動かすことができるのは左足1本だけだ。しかし彼女は左足1本で家の中を移動し、階段の昇り降りもでき、左足で字を書くこともできる。また、ココナツの葉を削ったり、竹ほうきを作る内職を行って現金収入とし、72歳の父を養育している。
オットさんは記者に対し「私は運がよかったわ。だって左足が自由に使えるんですもの。生まれてきたことに誇りを持って、自分のできることを一生懸命やれば、誰のお荷物にもならずにこうして自分の力で何とか生きていける。自殺なんてする気にもならないわ。障害者の皆さんも絶対あきらめちゃだめ！」と元気に語ってくれた。
社会福祉制度が無くても精一杯生きている人がいる。五体満足に生まれながら、何かと人のせいにして不平不満を言って暮らす人もいる。人間の品位は生まれや収入によるものではない。
写真上から三枚目はヘロイン１７５Kg、その下容疑者夫婦と麻薬
