チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

交通事故死の比較

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交通事故死の比較

■ルーズな遵法精神
先日、家の近くで交通事故があった。ピックアップトラックが衝突し、5名亡くなった。タイではトラックの荷台に人を乗せてもいいことになっている。ピックアップトラックには工事現場に行く労働者、それもミャンマー人が多数乗っていたらしい。ピックアップは日本でいう小型トラックである。山の方へ行くと山岳民族の子供たちが立錐の余地もないの例え通り、トラックの荷台にびっしりと立っている。トラックが村々を結ぶスクールバス代わりだ。これが崖に落ちたら、と思うとぞっとする。

バイクの事故も多い。ちょっと郊外に行けば小学生にしか見えない子供がバイクを飛ばしている。2人乗りのバイクがこけた現場を見たことがある。運転していた若者はバイクを起こせないほど泥酔していた。バンコクのドライバーの無免許率は8%ということだが、チェンライの無免許率はもっと高いだろう。バイクに限って言えば免許を持って運転している人は半数ほどらしい。事故が多いのはバイクの数が多いだけではない。法規の考え方に問題があると思う。

無免許運転は日本では大罪であるが、こちらでは罰金200Bで済む。それもたまたま摘発された時のことであって、運が良ければ警官に捕まることはない。免許を取りに行く手間を考えれば、1年に何回か200B払った方がいい、と思うのだろう。タイにも交通法規はあり、罰則もあるのだが、酒酔い運転の検問、スピード違反の取締りは、こっちに来て5年以上になるが経験したことがない。

■バイクの取締り
バイクの取締りはよく見かける。まずはノーヘル、それに無免許、無保険バイクの摘発といったところか。道路に立つ警官を見て、くるりと来た道を逆走して逃げるバイクもある。白バイが待機していて追いかけるわけではないから逃げ得ということになる。チェンライ市内を走るバイクのノーヘル率は30%以上と思うが、どういうわけか一斉取締りのある日はヘルメット着用率が高くなる。警官は一斉取締りのない日はたとえ、目の前をノーヘル3人乗りのバイクが走っていても停止させることはない。

自分が日本にいた時、知らないで一方通行出口に原チャリで進入したことがある。そうしたら駅前の交番からお巡りさんが自転車で追いかけ来て、違反切符を切られてしまった。あの時、「おーい、その原チャリ待てー」と大声で呼ばれたので、つい停車してしまった。違反という自覚があればそのまま走り抜けていったと思う。
まあ日本のような厳格さ、職務に対する忠実さをタイの警官にも持ってほしいが、たぶんそれは無理だろう。

■やはり安全な日本
北タイをドライブする限り、車はまだ少ないし、道路が整備されているので、日本で運転するよりは快適である。日本は交通標識や交通標語が道路の左右、頭上、道路上までしつこく書いてあって、読むまいと思っても目に入ってくる。「交通事故死ゼロ宣言市」、「あっ、危ない、そのスピードが死を招く」、「狭い日本、そんなに急いで何処へ行く」・・・。事故死ゼロを宣言すれば事故が無くなるのか、それじゃ地震ゼロを宣言して災害を無くしてくれ、憲法9条があるから中国は攻めてこないという人もいたな。あっ、危ない、といっても制限速度以下40キロのスピードで走っております。日本は狭いかもしれませんが今日私の行くところは遠いんです。いちいち反論していると疲れてしまう。

でも日本では交通法規を厳格に施行し、お節介と言っていいほどに交通安全の指導、啓蒙に努めているから交通事故死が少ないと言える。以下はタイのニュースから。

タイの交通事故死率、世界3位 10万人当たり38人

世界保健機関(WHO)がまとめた2010年の人口10万人当たりの交通事故死者数はタイが38.1人と世界で3番目に多かった。1位は人口1500人程度の島国ニウエで68.3人、2位はドミニカ共和国で41.7人だった。2010年のタイの交通事故死者数はタイ政府発表で1万3365人だが、WHOは実数がほぼ倍の2万6312人だったと推定した。

 WHOによると、アジア諸国の2010年の人口10万人当たりの交通事故死者数はマレーシア25人、ベトナム24.7人、中国20.5人(WHOによる推定死者数27万5983人)、ラオス20.4人、インド18.9人、インドネシア17.7人、カンボジア17.7人、ミャンマー15人、韓国14.1人、フィリピン9.1人、日本5.2人、シンガポール5.1人。

というわけで、タイは日本の7倍以上、ラオスカンボジアでも3倍から4倍、交通事故で死ぬ確率が高い。タイに行ってまでねえ、と友人に後ろ指さされないよう安全運転に心掛けたい。

写真はチェンライでよく見かける光景