チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

年の瀬や・・・・

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年の瀬や・・・・

■タイの年末
タイは仏教国ではあるが、クリスマスのお祝いもする。チェンライの大型スーパーではクリスマスツリーが飾られ、サンタクロースの衣装が売られていた。
こちらにはモミの木はないので、クリスマスツリーはすべてプラスチック製である。雪に馴染みが無いせいか、ツリーに白い綿を飾ることはない。通常は大小の玉をぶら下げる。金、銀、赤、それなりに美しい。庭に電飾が点滅している家もある。日本と同じく、タイのよい子にもサンタさんからクリスマスプレゼントが届いたことだろう。

クリスマスを祝うのは中産階級以上のタイ人と思う。普通の食堂や商店でツリーを見かけることはない。ジングルベルやクリスマスソングを聞くこともないし、普段と変わらず静かだから、忙しない年の暮れという感じがしない。

■記憶の中の年末
日本だと、クリスマスツリーや点滅電球、ジングルベルやクリスマスセールでにぎわった街は、12月26日か27日には、クリスマスのことなどさっぱりなかったような雰囲気になる。25日以降、クリスマスソングが放送されることはないだろう。
25日を過ぎると、街は年末らしくなって、松飾りが売り出され、お節料理の材料確保に忙しくなる。新しい年を迎えるにあたって、家の中をきれいにする必要もある。

12月は忘年会を始め、公式行事が目白押しで仕事など手につかない。「あー、あの案件は年明け、年明け」と言ってやるべきことを先延ばしにする。年が明けると「ま、松が明けたら」といい、そのあとは「旧正月明けに」、「年度明けには何とか」、「それじゃ連休明けに」・・・。いつ仕事していたのだろう。

■今年を振り返って
ともあれ、日本にはクリスマス、年末年始のケジメがしっかりしているが、タイではメリークリスマス・アンド・ハッピーニューイヤーとなっていて年末から年始がだらだらと続いていく。12月30日ごろから「サワディー・ピーマイ(新年おめでとう」という挨拶がテレビでも流れる。

チェンライ市内では新年のカウントダウンという祭りがあって、特に休暇をタイで過ごすファランに人気がある。市内の目抜き通りが屋台で一杯になり、特設舞台が3つほど作られる。おととしはチンタラという名前の有名女性歌手が来た。

アカ族を訪ねて、豪州人のアランとラオスを転戦していたのは昨年の11月のことになる。あれは旅行というより悪路との戦いといったほうがいい。何度もバイクで転びながら、何とか軽い打撲ですんだ。その模様は今年、「ラオス、アカ族の村を訪ねる」というシリーズ(24本)に書いた。ところがボケオ、ウドンムサイと来て、最終目的地ポンサリに着いたところで筆が止まっている。ポンサリで山岳民族の村を訪ねたり、アラン、ガイドのリー君と別れてもとの道を引き返したことはまだ書いていない。1年以上経ってしまったが、旅の終わりまで書かないとケジメつかないような気がする。

■先人に感謝
外国に住んでいると如何に日本はいい国であるかわかる。日本の悪口を言い、あの国は素晴らしい、という日本人もいないことはないが、そういう人でも日本国籍を捨てて、その素晴らしい国の国籍を取る人はほぼゼロだ。

現在、タイには5万5千人の在留邦人がいる。多くの人は忘れているが、10数万の日本人、それも主として若い男性が在留していたことがある。70年前、タイは日本の同盟国だった。タイは英米に宣戦布告もしている。北タイはインド解放の前線基地だった。インパール作戦ではコテンパンに負けて、敗残兵がビルマから北タイへと逃げ戻ってきた。北タイのメ―ホーソン県のクンユアムにはお寺や学校、民家にも敗残兵が分宿し、村人のお世話になった。日本兵は村人の仕事を手伝った。日本の兵隊さんを嫌だと思う村人はいなかったと当時を知る人は言う。敗走してくる兵隊さんを助けるため象と一緒にビルマ国境を越えたタイ人もいた。
戦争中に、もし日本兵がタイ人を虐待していたら、このようなことは起こらなかっただろう。

タイの片田舎で特に差別されることもなく、自分たち邦人がのんびり暮らしていけるのも、先人が日本人の矜持と誇りを失わなかったからに他ならない。

人柄と同じく「国柄」というものがあって、隣国の根性は120年前の日清戦争前夜とまったく変わるところがない。
来年も隣国の国柄、タイ、日本の国柄を考え、日本に生まれ、育った喜びを感じながら暮らしていきたい。

追記
いつもこの頃になると「年の瀬や、川の流れと人の身は、」の句を思い出します。来年こそ宝船が来るような・・・
ケジメというほどではありませんが年末年始のお休みを頂きまして、来年、1月6日よりブログのアップを始めます。

来たる年がすばらしい年でありますよう、皆々様のご多幸とご健勝をチェンライよりお祈りいたしております。


写真はチェンライのスーパーのクリスマスの飾り付け
その下は今盛りの花と葉に付いた露