チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

成功するビジネスモデル

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成功するビジネスモデル

■市場があればビジネスはうまくいくか
北部タイで介護サービスを展開した場合、ビジネスとして成功するか。ニーズはあるが、競合があるし、市場が小さいから難しいのではないか、と書いた。もう一つ、うまくいかない理由は、ターゲットとなる要介護者があまりお金を持っていないことである。
金がない人が顧客のビジネスモデルは可能性が低い。

貧困撲滅、教育援助、文化の継承など崇高な使命を持って活動しているNPOは数多くある。しかし、その使命とは裏腹に組織の財政基盤は貧弱、つまりお金がない。そういったNPOでも国、市町村、あるいはロータリー、ライオンズクラブなどの公的、準公的機関の補助を受けることは可能である。但し、補助を受けるためには膨大な申請書類を提出しなければならない。これが人員不足のNPOにとって大変な負担となる。

ここに目をつけた人がいた。補助金が欲しい団体はたくさんあるし、活動を支援できる組織もある。ネックは申請書作成ということであれば、書類作成を代行しましょう、そして補助金が出たらその中からいくらか支払って下さい、というビジネスモデルである。

ニッチではあるが市場があったので、申請書作成代行業務には多くの依頼があった。でもビジネスとしては成功しなかった。というのはお客であるNPO が貧乏でお金を払ってくれなかったからだ。

■不動産を巡るトラブル
お金を持っている人がターゲット、これはベンチャーばかりでなく、悪事を企む人も同様だ。老人がみな貧乏であれば、「振りこめ詐欺」など起こらない。
日本の個人金融資産は約1500兆円、そのうち6割を60歳以上の世代が保有して、平均3千万円残してあの世に行くという統計がある。
世を捨て、万にするすみなる身にとっては、あるところにはあるものだなあ、という感慨しかないが、タイにロングステイしたいという人の中には平均またはそれ以上の金融資産を持っている人はいる。

タイの一般庶民は金の首飾りを質に入れたり出したり、ちょっと金が入ればお寺にタンブンするような人が多いから、こういった人をだましても効率が悪い。やはり、お金を持っている日本人をターゲットにするに限る。

ロングステイには住居がいると思いこむ人がいる。不動産の価格は日本に比べれば格段に安い。不動産屋は別名「千三つ屋」と呼ばれる。タイでも同じ。いい物件があります、プール付きで1千万円、日本なら十倍出しても買えない豪邸ですよ、などと言われて手付をうったりする。

知り合って間もないのに、親切に車であちこち案内してくれて、通訳もしてくれる。この人はいい人だ、と信じ込んでタイ語で書かれた不動産売買契約書にサインしてしまう。外国人はタイの土地や家屋を自分名義で所有することはできない、という基本的なことも知らない。大分経ってみて、相場よりかなり高い値段で買わされた、名義人が自分ではない、ということに気づくが、お金は返ってこない。
相手にすれば、いい大人が納得づくで売買を行い、ちゃんと契約書も整っている、騙したなんて人聞きの悪い、法的手段に訴えますよ、ということになる。

■結婚を巡るトラブル
熟年離婚をして、ああ、自由になった、これから第二の青春が始まる、と期待する人はいるだろう。日本でもてなかったのは社会(あるいは政治)が悪かったせいだ、これからが俺の本領を発揮するときだ。確かに誰でももてる場所がタイにはある。でもそれは貴方がお金を持っているからだ。だがそれに気づかない人はいる。

タイに来て「結婚したいんです」という熟年をたまに見かける。そうですか、いい女性を知っているからお見合いしませんか、と親切そうに近付いてくる邦人がいる。ま、ボランティアでやっているのでお礼は要りませんが、娘さんの親に家を買ってやらないと、結納金も幾らかは、などと言葉巧みにお金を引き出す。こうして結婚した人に限って車や家は女性名義、暫くして女性に追い出され、途方にくれる。これは決して架空の話ではない。

タイでの生活の質はそこで知り合いになる邦人の質によって決まる部分がある。親しくもないのに、預貯金や株をいくら持っていますか、などと聞いてくる人には要注意。もしロングステイするならば、短期滞在を繰り返して、自分で調査することが肝要だ。タイ在住の邦人の中には自分も含めて怪しい者がいる。それなりに社会経験を積んで、人を見る目もあると思うのだが、詐欺まがいの被害にあう熟年は後を絶たない。


写真上二枚が「スコタイ王朝3世ラムカムヘン 」、下の二枚は「スコタイ遺跡公園」