チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス、アカ族の村を訪ねる 22

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ラオス、アカ族の村を訪ねる 22

■ウドンムサイのホテル
ラオスのウドンムサイは首都ビエンチャンからバスで15時間、中国雲南省の景洪まで8時間、国境のモンラーなら6時間という距離だ。中国、ベトナムに近い。

ウドンムサイではアカ族の村アノン村を訪ねた。友好的どころか敵対的と言っていい対応を受けたが、ヨソ者の外国人がいつも歓迎されるとは限らない。
チェンライにAさんというアカ族の人がいる。彼は十数年前、ラオスのアカ村を回ったことがある。やはりどこの村でも歓待されたわけではなかった。同じアカ族でも言葉が通じない村もあり、危害を加えられるのではと心配したという。

ある村ではこの道を行くのは危ない、筏を作ってやるから川を下っていけ、と言われた。多分、道路沿いにあるケシ畑を見られたくなかったのだろうという。竹製の筏は人が乗れる大きさではないため、荷物だけ乗せて、川の中を引っ張って歩いた。首まで水につかるほど深くなってきた。すると、何匹ものウシ蛭がひらひらと彼めがけて泳いできたそうだ。縞模様の大型蛭だ。30センチはある。こんな蛭に吸いつかれたら、自分なら発狂してしまう。

ウドンムサイ最後の夜はダンサバン・ホテルという最高級ホテルに泊まった。一泊1200円。だがその夜は結婚式があり、階下の大宴会場からのカラオケで床が振動するくらいだった。普通ならとても眠れないところだが、18時過ぎまでバイクに乗り続けで疲れていたのだろう、そのまま寝入ってしまった。

■最終目的地ポンサリへ
ラオス旅行9日目、最後の目的地である北ラオス最北の街、ポンサリへと向かう。ウドンムサイからポンサリまで180キロ、180キロと言うとチェンライ-チェンマイ間と同じ距離であるが、バスでの所要時間はタイでは2時間半のところラオスでは9時間かかる。これは一部を除き、ポンサリまでの国道が舗装されていないことによる。道路事情は国の経済力を反映する。

1日1本の定期バスは貨物便も兼ねている。バスの屋根に次々と段ボールやトランクが積まれている。バイクをロープで引っ張り上げて屋根に固定する。
バス代は一人7万5千キップ、数字にびっくりしてしまうが日本円で750円だ。乗客はファランが2,3人、どういうわけか中国人が半分以上だ。予定の時間を1時間ほど遅れて、9時過ぎにウドンムサイのバスターミナルを離れた。

ポンサリはリー君が住んでいるところだし、アランも行ったことがある。二人とも心なしかうきうきしているように見受けられる。ポンサリでは近くの村をバイクで回った後、二人は食料を背負って、山奥のアカ村を数日かけて回る。

バスは川沿いに北へ登っていく。途中ラオス人や山岳民族が乗り降りする。箒とか缶入り塗料とかを持ち込む。みなスモールビジネスに精を出しているように見受けられた。

ラオス、バスの旅
曲がりなりも舗装された片側1車線を2時間ほど走ったところで、ドライブインに停車した。この先、食料を調達できる場所はないとリー君が云うのでカオニャオや豚の炙り肉を買う。乗客のほとんどがここで昼食を仕入れる。店先にはモモンガのように四肢を広げたネズミ、串刺しのカエルの干物などがお土産品として並べられている。田ネズミというお米が主食のネズミは肉が香ばしく、大変美味しいものだと聞いたことがあるが、ぎっしり生えた小さい歯、恨めしそうに窪んだ眼窩を見るととても食欲がわかない。どうしても食べるものがなければ目をつぶって口に運ぶ種類のものだ。

ドライブインを過ぎてバスは左折し、山道を登る。未舗装の泥道だ。何日か前に雨が降ったらしい。いずれ舗装されるのだろう、場所によっては大型建機が道を均している。道路工事をしている場所に差し掛かると、中国人の団体が窓から体を乗り出して外を眺める。彼らはポンサリ近くの道路工事に従事する出稼ぎ労働者なのだろう。
ブルドーザーや油圧ショベルは日本の中古もあったが、多くは中国製だ。時折すれ違うトラックは雲南ナンバーばかりである。

ポンサリは標高1400mはあるという、バスはつづら折りの道をゆっくり登っていく。まったく、お前の国は山しかねーのかよ、とぼやきたくなるほどの山また山の単調な風景、眼下の稜線に白い雲がたなびく。20代のファランカップルが飽きもせず窓の外を眺めている。

あとで知ったが、女性はドリー、ベルギー人、男はトニー、英国人、考えてみればベルギーも英国も平たい国で高い山はない。緑に覆われた山は彼らにとってはエキゾチックな風景なのだろう。


写真ウルから「バスの内装」「バスの外観」「カエルの干物」「ネズミの干物」「昼食場所」