チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

4月のスコタイ

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4月のスコタイ

世界遺産
タイには世界文化遺産が3つある。スコタイ、アユタヤ、バンチェン遺跡である。世界には文化遺産は745カ所あり(2012年7月現在)、日本は奈良、京都、日光、姫路城など11カ所が指定されている。日本100名山とか四国88カ所と聞くとすべてを踏破してみたいと思う人は出てくる。さすが745遺産をすべて回ろうという人は時間的、財政的理由でそれほど多くないと思う。それでも世界遺産500制覇などというブログがあるから、目標とその達成感を感じたいという人はいるのだろう。
ラオス文化遺産はルアンプラバン1つのみ、カンボジアアンコールワットプレアビヒアのクメール遺跡2つだけだ。インドシナ世界文化遺産全踏破は難しいことではない。

世界遺産のスキームを考えたのは日本人だという。おかげで「調査」で世界中を大名旅行してまわるユネスコ職員ばかりでなく、世界遺産ツアーを企画する旅行業者や航空運輸、観光業者もかなり潤っているのではないか。出不精の自分でさえ、世界遺産なら行ってみるか、と腰を上げたことがある。

■雨の降らないチェンライ
ソンクランの水掛け祭りに参戦する、と言って東京から娘が4月にやって来た。水掛けを3日間楽しんだ後は、家でゴロゴロしている。ガイドブックには「この時期、是非、タイの暑さをお楽しみください」などと書いてあるが、扇風機だけの我が家の2階では、楽しむどころか暑さにぐったりという感じだ。
今年はなかなかスコールが来ない。蒸し暑い日の午後、突然、強風が吹き、落ち葉を巻き上げる。雨雲で空が暗くなったと思ったとたん、夕立のようなスコールが降り始める。雨は30分ほどで上がり、また日が差し始める。でも雨の後は気温がぐっと下がって爽やかだ。雨の降る場所が移動していくので美しい虹を鑑賞できるのもまれではない。

ベートーベンの交響曲第6番「田園」の第4楽章では、突然襲った昼下がりの激しい驟雨の様子が活写される。低弦が遠雷の様子を、中高弦・木管が怪しい風音・閃光と雨足を、全管とティンパニが激しい雷鳴と大地の鳴動を表現し、最終部では雨足が遠のき雷雲が去って晴れ間が差した清々しい麗らかな田舎の情景が奏でられる。高校生の頃、こんな豪雨の後、すぐ日が差してくるもんかい、と思っていたがタイやヨーロッパでは雷雲が去れば穏やかな陽光が差してくる。ところ変われば降雨も変わるということか。

ともあれ、チェンライにスコールが来ない。娘が暑い、暑いというので、それじゃスコタイにでも行ってみるか、世界遺産だし、といことになった。

■シー・サッチャナライ遺跡
スコタイはチェンライから約400キロ南へ行ったところにある。朝早くチェンライを発てば、昼食をスコタイで摂るのも可能であるが、それほど急ぐ旅でもない。
スコタイの手前50キロのところに世界遺産を構成するシー・サッチャナライ遺跡がある。スコタイ時代、副王領として栄えた所だ。スコタイ遺跡から離れているため訪問者は少ないが、ラムカーヘン大王によって建てられた寺院やクメール様式の仏塔など215以上の遺跡が残っている。

シー・サッチャナライ遺跡公園に着いたのは14時頃だった。公園の敷地面積は45平方キロもあるから車で回ることになる。ワット・カオ・パノム・プレーンに至る階段の前で車を降りた。凄まじい暑さだ。気温は40度を越えているだろう。熱く焼けたラテライトの長い階段を上る。頂上に着いた時は汗で、有難いセイロン風仏塔も見えないほどだった。この後は車の中から遺跡を見学、ちょっと降りて写真を撮ったら車に駆け戻る。観光客は我々だけだった。こんな暑いところを歩き回るのは自殺行為と言える。

■スコタイでも暑さに参る
スコタイではネットで一番評価の高いTRGHに宿泊。コッテージタイプ、冷房付き一泊500B。

翌朝、涼しいうちにと9時前にスコタイ遺跡公園へ行った。公園入り口で自転車を借りる。1日30B。

鬱蒼としたジャングルの中に数百年にわたって放置されていた遺跡群をユネスコの協力で修復し、このスコタイ遺跡公園とした。タイでは修復するというと新しく作り直すことが多い。仏塔遺跡の尖塔部分はセメント塗りで風情がない。スコタイのイメージを象徴するワット・シー・チュムのアチャナ仏も1950年代に修復、というより新たに作り変えられた。崩れかけた石仏でもそれなりに趣があると思うのだが、ここが日タイの文化の違いだろう。

この日も暑く、自転車をこいでいるうちに頭痛がしてきた。熱中症の初期症状だ。
暑季のタイ観光は避けるべき、が今回の旅の教訓である。そう言えばタイ人観光客はほとんど見かけなかった。


写真上から「ワット・チェディ・ジェット・テーオ」「ワットチャンローム」「アチャナ仏」「スコタイ遺跡公園内」「ワット・マハータート」