チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ4年3カ月

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介護ロングステイ 4年3カ月

■旅券の再申請
チェンライに来る直前に、母は5年有効の旅券を取った。旅券の取得は本人出頭、本人のサインがいると頭から思いこんでいたので、歩行が多少不自由だった母を車いすに乗せて、有楽町の交通会館まで行った。係員の呼び掛けに返事をし、多少震える書体であったが、サインもできた。

こちらでの生活はもう5年目に入っている。そろそろ新しい旅券を取得しなければならない。正直に言えば、旅券の切り替えが必要になるほど母が長く生きてくれるとは思わなかった。
母は今、87歳だ。来タイ前、母が検査入院した病院の若い医者は、お母さまは83歳でお亡くなりになりますから、そのお覚悟で、と兄と自分に告げた。
もう年だから、そんなものかなーと思ったが、それを聞いた時は暗澹とした気分になったものだ。それから5年近く、衰えてきたといっても母は息災に暮らしている。息子としてはどんな形であっても母が生きてくれているだけで嬉しい。

母はもう歩くこともサインすることもできない。旅券を取るにはどうしたらいいのだろう。1年に一回、在チェンマイ日本国総領事館領事のチェンライ出張サービスがある。領事に母の病状を話し、どうしたら旅券が取れるのでしょう、と聞いてみたら、代理人が旅券申請書に記入して提出すればいい、サインも代筆で構わないとのことだった。旅券の申請は現旅券の失効1年前からの受付、タイ国の1年滞在ビザとの関係で来年の5月切換えがいいでしょう、というアドバイスを貰ったのが昨年の話。そうか、代理申請ができるんだ、日本にいるときに教えてほしかったなー、という気もしたが、領事の説明を聞いて気が楽になった。

■相談、即、申請
それから1年、母の旅券の有効期限が6カ月を切り、再び領事の出張サービスの時期になった。昨年貰った記入サンプル見ながら代理申請の用紙に必要事項を書き込む。新規に旅券を取る場合は健康保険証や戸籍謄本、住民票等が必要であるが、現在有効の旅券を持っている場合は、本人の身分証明は旅券だけですむ。

今年の総領事館のチェンライ出張サービスは3月30日に領事、およびタイ人担当者の2名が来て行われた。
正式な旅券申請は5月でいいと思っていたので、今回は予備審査のような軽い気持ちで出かけた。領事は30代の頭のよさそうな女性だった。書類をチェックして「長男代筆」とかくようにとか、申請写真が今のパスポートと同じ写真というのはまずいですね、といった指摘をした後、書類受理から最短で4日で新旅券ができあがるが、今日、申請書類を受理して5月にお渡しすることはできます、という。5月に申請するとすれば、申請と受領のためチェンマイを2往復する必要がある。受領のための往復1回で済むなら大変助かる。

家にとって返し、まず母の写真。もう一人では体を起こすことができない。女中のニイさんと兄が腕と背中を支える。写真背景は無地と決まっているので、カーテンレールに敷布をかける。母は気に入らないのか大きな声を出す。口を大きく開けた顔写真でも受理されるのかもしれないが、あまり見たことがない。少し、落ち着いた時のショットを何枚か撮ることができた。これをパソコンに入力、多少編集してプリンターで印刷、これで申請写真はできた。書類をそろえて再び領事さんのところへ。

それでは書類と旅券をお預かりします。他に必要書類がありますがそれはチェンマイから用紙をお送りしますから。
あー、これで1件落着と、帰宅した。帰宅して、ふと気が付いた。タイでは90日ごとに出入国管理事務所に在留届を提出しなければならない。その期限が4月初めだ。提出遅れ1日に付き2000バーツの罰金がかかる。在留届提出に必要な書類が旅券にくっついたままだ。

■領事さんの尽力で新旅券交付はわずか4日で
あたふたとまた会場に行く。3度目だ。わかりました。最短で4月4日に新旅券をお渡しするようにします。チェンマイから必要書類をメールしましょう。

領事のHさんから「旅券交付時出頭免除願」の書類が送信されてきたのは土曜の夜だった。Hさんと日曜にも何度かメールをやり取りし、母の診断書と共に、免除願を31日日曜の午後にファックスした。免除願の本省への許可申請などHさんの迅速な処理のお陰で、予定通り4月4日に母の新しい旅券をチェンマイ総領事館で受け取ることができた。

新旧旅券を持参して、イミグレの90日の在留届提出も問題なくすませた。1年ビザ再取得は5月だがこれも問題ないだろう。

こんな大騒ぎも知らずに母はいつもと変わりない日々を過ごしている。


写真はチェンライの市場のスナップ