チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス、アカ族の村を訪ねる 14

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ラオス、アカ族の村を訪ねる(14)

■ムアンムンを後にして
人はラオスをアジアの小国と呼ぶが、国土面積は日本の本州と同じ位、約24万平方キロある。北朝鮮、韓国を合わせた朝鮮半島より広いし、イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドを合わせた英国の面積に匹敵する。
但し、人口は600万人程度、この少ない人口が政府の発表では49の民族に分かれている。言葉も習俗も違う。同じアカ族、ラフ族同士であっても支族によっては言葉が通じない。どこの国であれ、経済的な発展を遂げるためには、言語、民族、文化といった同一性が条件となる。その意味ではラオスはその条件を欠いている。欠いているどころか、ベトナム戦争を通して国民同士が殺しあったという暗い歴史もあって、国家、国民が一丸となって発展するには更に時間を要するのではないかと思われる。

ラオスは18の行政区(県)に分かれていて、県の下に郡がある。ボケオ県には6つの郡があり、ムアンムンはその一つだ。郡役所もあるのだが、街に食堂は2軒、GHも2軒のみ。フエサイとムアンムンを結ぶバスは1日に一往復しかない。バスと言ってもソンテウ、小型トラックを改造したミニバスだ。フエサイとムアンムンの距離はで約150キロであるが、国道がまだ舗装されていないのでミニバスで3時間以上かかる。物流、交通の便を考えるとボケオ県の発展はいつのことになるのか。

朝9時過ぎにGHの前にソンテウがやって来た。アランとリー君は荷台へ、2人の好意で自分は助手席に乗った。前夜の雨で道はぬかるんでいる。4輪駆動ではないが、運転手はこういったスリップしやすい道に慣れているのだろう、巧みにハンドルを切りながら山道を下る。途中、中国製の大型建設機械が道路を均していた。アジア開発銀行は大メコン圏形成のためにインフラ整備の大型融資を行っている。北ラオスでも道路整備が盛んに行われていた。工事は中国企業が落札しているのか中国人や中国製トラックが目につく。

所々で、川を渡る。コンクリート製の橋もあるが、「戦場にかける橋」のような木組みの橋もいくつかあった。橋の中央、タイヤが乗る部分だけ、厚板で補強されている。橋のたもとには12トンまでOK、といった立札があるが、ソンテウがスピードを落として橋をギシギシと渡るときはかなり緊張した。

■フエサイで1泊
5日ぶりにフエサイに戻って来た。フエサイはタイからラオス世界遺産、ルアンプラバンへ行くときに通過する渡し場の街というイメージがある。
1泊は仕方ないが長逗留するところではない。でもムアンムンから来れば大都会、ホテルもあれば白いテーブルクロスがかかったレストランもある。

実はフエサイから数キロのところに中国のビジネスグループが2万5千エーカーの土地を99年リースで借り受け、マカオを凌ぐ一大娯楽センター、カポックシティを建設中である。開発が終了するとカジノ、空港、ゴルフコース、別荘、ショッピングモールなどが揃うという。一部のカジノは営業しているが、中国語や人民元しか通用しない租界状態である。フエサイとチェンコンを隔てるメコン河をまたぐ第4タイ・ラオス友好橋が完成すると、フエサイはさらに変貌を遂げるかもしれない。

数日前に泊ったアリミットGHは満室とのことで、イミグレーション近くのGHに行った。1泊千円を越えると言うのでアランは機嫌が悪い。でも3時間半もソンテウに揺られてきて、さらに宿泊所を探して歩くのもしんどいので、そこに決めた。

■フエサイからウドンムサイへ
ウドンムサイはフエサイから330キロ、北は中国雲南省、南はメコン河に面しており、古くから中国、ベトナム、タイを結ぶラオス北部の要衝として栄えていた。ここから中国の景洪に出る旅人も少なくない。

アランはウドンムサイに行ったことがある。リー君も自分の出身地ポンサリに近い。二人とも土地勘があるので元気が出てきた。フエサイの夜は少しいいものを食べて、翌朝、フエサイのバスターミナルへ。バス停に英語とラオス語で「ラオス国内ではキップで支払いましょう」という看板があった。ラオスでは人民元、ドル、バーツなどがラオス通貨キップと並んで通用する。お釣りとしてバッチい中国の札がくるとガックリする。元はババ抜きのババみたいなものだ。バス代は一人850円だった。

フエサイからウドンムサイを結ぶ国道は舗装されている。でも勾配のきつい山道続きだからスピードは出せない。まったくお前の国は山しかねーのかよ、と言いたいくらいの風景が続く。道に沿って所々に村があり、そこでモン族やアカ族の人が乗り降りする。(続く)

ソンテウ」「フエサイまでの国道」「木橋」「フエサイの街」「フエサイの街角で」「キップを使おう」