チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

映画と人種差別

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映画と人種差別

ラオス、骨折、療養
このところラオス旅行のレポートが続いている。まだラオスを旅行中かと思われる方もおられるかもしれない。でもラオスに行ったのは昨年の11月、2週間足らずの旅だった。ラオスに渡って、ムアンムン、ウドンムサイ、ポンサリと3地点を移動していくのであるが、レポートのほうはムアンムンの途中で12本も書いてしまった。この調子だとラオス旅行を書き終わるまでにあと3カ月かかってしまう。

ムアンムンでは泥道で3度も転倒したにもかかわらず、奇跡的に怪我をしなかった。12月にチェンライでテニス中に左足首を骨折したが、ラオスの山の中で骨折したと思えば、これは不幸中の幸いと言うべきであろう。

20代の時、3カ月ほど、富士宮にある貿易研修センターで研修を受けたことがある。ソフトボールをしていた時、友人が転んで手の小指を折った。石膏で固めたのだが、毎晩、宴会がある。友人は歌を歌う時、石膏の手をテーブルに叩きつけて拍子をとっていた。そのせいで骨がくっついた時、小指は奇妙な形に曲がっていた。小指なら問題ないが足首が変形しては、テニスどころか歩くにも支障が出る。とまあ、昔のことを思い出して、ギプスで足を固められている時はおとなしく家で寝ていた。

■科学を敵視しない心
友人が映画ソフトを2テラほど提供してくれたので、療養中、退屈することはなかった。多い日には1日5本立てで映画を見た。

洋画では科学は人類にとって破滅をもたらす邪悪なものとして描かれる。70年代、80年代の、今から見ればちゃちなコンピュータが、いつの間にか知能を持って人間に復讐する。宇宙からの侵入者、未来から来たロボットは異形であり、圧倒的な科学的戦闘能力、超能力を持ち、人間を滅ぼそうとする。
その悪にヒーロー、ヒロインが立ち向かって人類滅亡を防ぐ、という筋立ての映画は多い。

人工頭脳やロボットが人類に刃向う、という考え方は日本人にはなじまない。
人間とロボットは共生し、科学は明るい未来を作る。これは手塚治虫先生の「鉄腕アトム」のメインテーマだ。アトムは日本人のロボット観形成に影響を与えたと思う。鉄腕アトムの前に前谷惟光の「ロボット三等兵」があって、個人的にはこの漫画からも影響を受けた。横山光輝の「鉄人28号」は操縦する人によって悪にも善にもなるが、自ら邪悪な意志を持って人間に襲いかかる存在ではなかった。鉄人28号はその後、マジンガーZガンダムに引き継がれていく。鉄腕アトムドラえもんの系譜をたどって、ロボットは弱い者の味方のイメージを定着させる。

日本は科学に対する偏見は少なく、ロボットマシーン製造では今や世界のトップに立つ。これは科学と人間の明るい未来を予見した手塚先生のお陰ではないか。彼の功績は文化勲章はもちろん、ノーベル平和賞に匹敵するのではないかと思う。

■人種差別のルーツ
ついでに言うと、洋画では外界、宇宙とか未来から来た存在はほとんどの場合、悪の化身だ。米国の片田舎に平和に暮らす住民たち、そこに姿の見えない悪が襲いかかる。

日本の場合、宇宙からやって来たものが邪悪とは限らない。「マグマ大使」は地球を守るため、宇宙の果てからやって来たのではなかったか。ゴジラも核実験に明け暮れる人類に警告を発するために、太古の眠りから覚めて東京湾に姿を現したのではなかったか。一連のゴジラシリーズでは、大暴れした後、ゴジラは再び海に戻っていく。(松井ゴジラも米国に上陸したが、ニューヨーカーに爽やかな感動を残して日本に戻って来た)

日本では古来、外界から来るものが不幸をもたらす存在ととらえていなかったように思う。大体、七福神が宝船に乗って海の向こうからやってくるという発想は日本特有のもので西欧にはない。日本は島国であり、稲作や仏教、あるいは文字など大陸の文化、技術が渡来人によってもたらされた影響があるのだろうか。
人も技術も文化も大きな摩擦なしに消化してきた日本は特殊な国である。

欧米人はここ数世紀、有色人種を従えて、白豪主義謳歌してきた。白人にしか繁栄の権利はないと思っていたところへ、邪悪なエイリアンが入り込んでその栄光をズタズタにした。それが20世紀の日本だった。欧米エリートの中には今だに執拗にその憎しみを潜在的に抱いてる人は多い。これは米国に知己の多い外交評論家、加瀬英明氏が述べていることである。

世の中、日本の発展を妬ましく思っている国は隣国ばかりではない、こういう中で国益を全うしていくには強靭な精神が要求される。

洋画を見ても憂国の念に駆られてしまうのは考えすぎか。

写真はチェンライで今が満開の花