チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ 3年11カ月

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介護ロングステイ、3年11カ月

■ 総選挙終わる
このところ、政治ニュースがさっぱり面白くない。総選挙が終わって、落ち着くべき所に落ち着いてしまったからだろうか。なんだ、民主党の体たらくは、と腹を立てていたころのほうが楽しかった。それにしても3年前、自民党にお灸をすえると言って民主党に投票した人たちは、お灸の火が母屋に燃え移って、気が付いてみたら、焼け跡に茫然と立ちすくむ、といった気分を味わったことだろう。

お灸をすえるとは、決して見捨てるわけではなく、改心すれば許す、免職、懲戒解雇ではなく「戒告」といった感じだ。それで前回は民主党に票が流れた。今回の選挙で自民党は大勝というか3年前の状況に戻ったわけであるが、敗北した民主党に「お灸をすえた」という論調は聞くことがない。民主党未来の党に対して国民が下した審判は「諭旨解雇」といった重い処分で、「市民あって国民なし」のポピュリズム政党が再び政権の座に座ることはほぼ不可能ではないかという気がしている。

■総選挙で投票
北タイの片田舎にいても国政選挙には投票できる。ただし、チェンマイ総領事館まで足を運ばなければならない。
締切前日に領事館に行った。領事館員、アルバイトが暇そうにしている。何種類もの書類に記入し、やっと投票できる。数人の係員が自分の一挙手一投足を監視しているようで居心地が悪い。

「今日までに何人投票したんですか」と聞くと83人、今日は貴方が3人目ですから86人ですと教えてくれた。2010年の参議院選挙ではチェンマイ総領事館で投票した人は119人というから今度の選挙でも投票者は200名に届かなかっただろう。

チェンマイ総領事館が管轄する北部タイ9県には23年10月現在で3573人の届け出済みの在留邦人がいる。この中には未成年者もいるし、在留届を提出していても、在外選挙人登録をしていない人もいる。母は在留届は出しているが、選挙人登録はしていない。投票にはもういけないからだ。
チェンマイまで行くにはガソリン代も時間もかかるから投票率が低いのは仕方ない。

因みに2010年の統計では海外在留邦人の数は110万人を超えている。同年の参議院選挙の時の在外選挙人登録者は全世界で約10万人、そして実際に投票した人は約2.4万人、投票率23%、票にならなければ政治家は振り向いてくれない。この票数、投票率ではそれも仕方ないというべきか。

■薬を代える
母はここしばらくイクセロンパッチという貼り薬を使用していた。認知症の新薬で当初は言葉がはっきりして効き目があるように思った。でもこの薬には譫妄、下痢の副作用がある。おなかを壊すと体力が低下するので、女中は母の状況を見ながら、パッチを張ったり、やめたりを繰り返していた。パッチをやめると、夜中じゅう騒ぐことがなくなる。

このような副作用があるんですが、とタヌー医師に相談すると、あっさり「じゃ、薬を代えましょう」と言ってレミニールという薬を処方してくれた。ひと月分以上残っていたイクセロンは「必要ないから置いて行きなさい」。帰宅して女中のブアに、イクセロンはどうした、と聞かれ、これこれと答えると、あれだけで1000バーツ分はあった。タヌー医師が自分のクリニックで流用するに違いない、私を連れていけば薬剤部に掛け合ってお金を取り戻したのに、などと怒られた。
何度もありのタイだから、一度処方された薬でも飲まなければ返品、返金が利くのかもしれない。

イクセロンもレミニールも軽度から中程度の認知症の進行を1,2年遅らせる効果がある、薬理作用が同じであるから同じ副作用がある、とネットには出ていた。認知症を治療する薬は今のところないから、気休めに過ぎないのかもしれない。でも薬を代えてから、一晩中騒ぐ、ということはなくなった。
施設に入っている患者なので夜中に大声を出すことは差しさわりがある。そこでイクセロンの処方をやめた、というネット記事があったから、イクセロンは譫妄と関係があったのだろう。

日中は大きな声を出すことがあるが、夜は静かに休んでくれることが多くなった。もう87歳、自分として体力を消耗してまでも認知症の治療を続けるべきではないと思っている。残された母の日々が穏やかなものであれば、と願っているところだ。

■ごあいさつ
短パン、Tシャツの暮らしで、全く師走という感じはしないのですが、あと数日で2012年も終わり。今年もいろいろお世話になりました。12月には左足首骨折でご心配をおかけしました。幸い抜糸も無事に済み、松が明けるころにはギプスが取れて歩行開始のはこびです。今年の正月は松飾ならぬ松葉杖と共に迎えます。
本号が今年最後のブログとなり、年末、年始のお休みを頂きまして、1月7日より再開いたします。

年の瀬や、川の流れと人の身は・・・・、皆様におかれましてはひとつよいお年を迎えられますよう、北タイの片田舎より祈念いたしております。

写真は今回の旅でアランが撮ったアカ女性です。