チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス、アカ族の村を訪ねる 3

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ラオス、アカ族の村を訪ねる(3)

■ガイドと会う
このブログでは、自分の健康状態は書かないということをモットーにしている。でも先週、12月13日の骨折はアクシデントであり、こういった事故に遭遇する可能性は誰にでもある。また、足の裏が90度外側を向く、という経験はそう頻繁にできることではない。というわけで、個人的なことではあるが、あえて前号で怪我の顛末を書かせて頂いた。

多くの人からお見舞いのメールを頂いた。入院中、そう広くもない病室に何人もの友人が詰めかけて、自分を案じてくれた。人間は一人で生きているわけではないし、また、一人では生きていけない存在なのだなあ、と改めて感じた。
ご心配下さった皆様に心からお礼を申し上げたい。多少、不自由な生活を強いられているが、骨折は時間が経てば必ず治る。何人かの方が言って下さったように、めったにない休養の時と思って、ゆっくりと来し方、行く末を考えてみたい。
「年暮れぬ笠着て草鞋履きながら」。サンダルも履けない状態だが、異国にあって心は芭蕉と通じ合っている気がする

さて、ラオスの国境の町フエサイ、アランと自分はメコン川に張り出したテラスでビヤラオのグラスを片手に話をしていた。途中、何度かアランはフエサイに到着しているはずのガイドに連絡を入れるのだが、シムカードの違いか電話が通じない。

来ていないんじゃないの、と聞くと、アランは絶対来ている、間違いないと確信をこめて言う。2年前、ラオスで雇ったことのあるガイドが紹介してくれた人物で、この日がお互い初対面とのこと。ポンサリ県から2日がかりでフエサイに来ているらしい。

レストランを出てすぐのインターネットカフェで、アランがスカイプを操作した結果、ガイドと連絡を取ることができた。イミグレ近くの暗い道に小柄だががっちりした体格の青年が立っていた。アランを見てほっとした、という表情を浮かべた。彼もアランに何度も電話したが通じなかったという。

■心もとないガイド
レストランに入り、食事をとりながら、自己紹介やら旅のスケジュールについて打ち合わせ。

ガイドの名はリー、高校を出て観光関係の学校で学んだ。風貌がどこか片岡鶴太郎に似ている。見た目30歳くらいかと思ったが、後で聞いたところ23歳だという。8人兄弟の上から2番目、兄弟は5人と3人と言ったので、どうして、と聞くと死んだ実の母の兄弟が5人で、父親が再婚してからできた妹が3人とのこと。

すぐ下の妹から何度も電話があったそうだ。彼女は法律関係の学校で学んでいるのだが、リー君の稼ぐはずの30ドル掛ける20日のお金がないと学業が続けられない。
ラオスの国民一人当たりGDPは1300ドル程度だ。数百ドルの収入がいかに彼と彼の家族にとって大きいものかわかる。アランが必ず来ている、といった理由がわかったような気がした。

ガイドというから、リー君が行き先、アカ族に詳しく、希望を言えば適当に案内してくれるのかと思っていたのだが、彼自身フエサイのあるボケオ県に来るのは初めて。アカのことも行く先についても何も知らない。アランはウドンムサイ県やポンサリ県のアカ村に行ったことはあるが、ボケオのアカ村については情報がない。

■大まかなスケジュールを決める
実はこの旅に出る半月ほど前に、チェンライにあるアカ教育文化協会のダイレクター、アトゥに会いに行っていた。彼のNGOの援助はラオスのアカ族にも及んでいて、ボケオ県のムアンムンにはアカ族の村が6つあると教えてくれた。フエサイからムアンムンまでの道は悪くないから、たどり着くのにも苦労はないという。

それじゃ、とりあえず、ムアンムンまで行こうとアランが言う。そこでアカ族の情報を集めて村を訪問する。ムアンムンに3泊、そこからフエサイに戻って1泊、フエサイからウドンムサイに行ってそこを起点にアランが2年前に行ったアカ村を回って2泊、ウドンからポンサリに行って近くの少数山岳民族の村を訪問、さらにバイクでは行けないアカ族の村を3,4日トレッキングして回るという大まかなスケジュールができた。

二人の話の中で、トレッキングという単語がよく出てくる。自分が履いているのはいつものサンダルだ。これで山歩きはできるのか。リー君は、ポンサリでもトレッキングシューズは買えますよ、というが、そもそも山歩きは好きでないし、ビザの有効期限とかチェンライでの用事を考えると、ポンサリでアランたちがアカ村トレッキングに行くときに別れることにした。10日ほど二人に同行できる。(続く)


写真は上から「フエサイの朝」「ラオスの鶴太郎」「リー君」