チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ 3年10カ月

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介護ロングステイ3年10ヶ月

■旅から戻りました
11月24日に13日間のラオス旅行から戻ってきた。おいおい綴っていくことになろうと思うが、今回の旅は過酷だった。アランのトレッキングに付き合ってテニスどころではない日焼けをし、ろくな食事も取れなかったため体重もかなり減った。黒く、細く、まるで牛蒡のような姿で帰宅した。

一応、パソコンを持参したのだが、WiFiがつながらない地区が多く、つながっても電波の状態が不安定で、すっかり世間の情報に疎くなってしまった。どうやら旅行中に衆議院が解散され、12月16日が投票日だという。

積極財政の自民党が有利ということからか、大幅な円安になっていた。10万円をタイバーツに替えた場合、出かける前に比べて2千バーツほど受け取り金額が少なくなる。
2千バーツあればチェンライのレストランで数人の大宴会を催して充分お釣りがくる。

円安は海外の年金生活者には痛手だが、これまでの円高で日本の経済はひどい目にあっている。エネルギー政策の無策とあいまって、国内で操業してもコストが合わず、雇用を切って泣く泣く海外に工場を移した企業は少なくない。円高で利益が上がる企業もあっただろうが、ここ3年、雇用を切り、デフレを推し進め、日本経済を縮小に追い込んだことは間違いない。個人の損得は別にして、円安誘導で日本の経済が立ち直り、活気が出てくることを望みたい。

■他にも
帰宅してカリビアンを動かそうとしたらエンジンが掛からない。バッテリーが上がってしまったのだ。ホンダシティのバッテリーを繋げて、エンジンをかけようとしたがグルルとわずかに呻いただけでウンともスンとも言わなくなった。完全に放電してしまっている。充電してもらっても、放電グセがついて、2、3日動かさなければエンジンがかからなくなるだろう。ここはすっぱりと諦めて新しいバッテリーを購入した。

一般に「苦髪楽爪」という。苦労していると髪が伸びるのが早く、楽をしていると爪が伸びるのが早い、という意味だ。また逆に「苦爪楽髪」という言い方もあるから、何をしていても髪と爪は伸びるということだろう。旅に出る前に爪を切っていったのだが、旅の途中から自分で気になるくらい爪が伸びた。髪も散髪してから旅に出ようかな、と思っていたくらいだからかなりむさ苦しい。早速爪を切り、行きつけのカットのみ40バーツの床屋に行った。

帰宅して母に挨拶をしたら、妙に髪がさっぱりしている。一時帰国している兄が、帰国前にハサミでざっと切ったらしい。兄と自分入れ違いだったが、3日ほど女中さんたちだけで母を見ている期間があった。留守中もママさんはサバイサバイということで髪の形以外は何も変わったことがなかったらしい。
何も変わらないということが一番だ。

ラオスでも
ラオスでは珍しく邦人には出くわさず、アランを始め、ファランと一緒のことが多かった。どこに住んでいるの、くらいから話が始まるのだが、母と一緒にチェンライに4年近く、などというと、どうしてと畳み掛けてくる。
日本は医療が進んでいると聞くのに、なぜチェンライなんだ? それはね、などと長い話を簡潔に説明する。日本語では数え切れないくらい、また英語でも何度も言っていることなので、あまり苦労せず言える。

考えてみれば、検査入院した病院の医師から「お母様の余命はあと3ヶ月と覚悟してください」というご託宣を受けて4年経つ。確実に衰えてはいるが、どのような状態でも母が生きていてくれるということはありがたいことだ。

■意識がはっきりすることも
ジェニさんの整体は毎日続いているが、母はもう歩く能力と意志がなくなったようだ。女中さんとふたりで両側からで抱えて歩かせようとするのだが、両足が宙に浮いている。まるで操り人形だ。ジェニさんの腰にも負担がかかる。兄はジェニさんに、もう歩く練習はいいです、立ったり座ったりの運動を主体にお願いします、と言ったようだ。
来月からは毎日でなく、2、3日毎に整体治療に来てくれることになった。これだけでも母の筋力維持には効果があるのではと思っている。

母は日常、何やら大きな声を出している。何か大声を出さなければならない必然性があるのだろう。お母さん、なに騒いでるの、と尋ねると、なにかつぶやくのだがよく聞き取れない。でも時には明瞭な言葉を発することがある。

先日、母は兄をじっと見つめて「お前はいい子だよ」とはっきり言ったそうだ。兄はたいそう喜んでいた。いくつになっても親に褒められるのは嬉しいようだ。

因みに、自分も母に話しかけるのだがまだ褒められたことはない。

写真はチェンライの市場でのスナップ