チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

コラートのクメール遺跡 4

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コラートのクメール遺跡(4)

■サイ・ンガーム公園
土曜の夜、チェンライを夜行バスで発った。翌朝7時にコラート着、ここでバスを乗り換えて、ピマーイへ直行。ホテルに荷物を置いて、ピマーイ国立博物館、ピマーイ遺跡公園を回ってホテルに戻り、そのままベッドで眠り込んだ。(前回まで)

起きてみたら夕方の4時頃だった。午前から午後に掛けて、充実した時間を過ごしたせいか、寝ざめがよく体もすっきり軽く感じる。

ピマーイの見どころとしては遺跡の他に、サイ・ンガーム公園がある。まだ夕食には時間があるので、この公園に行くことにした。ここに東南アジア最大のベンガル菩提樹の木があるという。この木は上に伸びて大木になるのではなく、枝から気根という根を垂らし、それが新たな幹となって横へ、横へと延びていく。

ホテルから公園までは2キロほど、バイタクで5分ほどだった。湿地帯の橋を渡るとその島全体がベンガル菩提樹の森となっていた。頭上は枝や葉っぱが絡み合って、足元が暗い。島の中は遊歩道が縦横に走っている。ベンチやあずまやがところどころにある。この1300屬凌垢樹齢350年の1本の木からできていると書いてあるガイドブックもあるが、実際は数本の木が絡み合っているらしい。
1911年にここを訪れたラーマ6世の母、プラシプラチャリンタラ妃が、菩提樹タイ語「サイ・ンガーム」に因んでこの公園名を付けられたとか。

菩提樹とお釈迦様
タイのお寺には菩提樹の木が植えられている。菩提樹はご存知の通り、お釈迦様がこの木の下で悟りをひらかれたという仏教とは縁の深い木である。以前、インドのブッダガヤに参拝された人から額に入った菩提樹の葉の葉脈をお土産に頂いたことがある。ブッダガヤやタイのお寺の菩提樹は高さ20m以上に成長する桑科の常緑樹でインド菩提樹、あるいは天竺菩提樹と呼ばれている。サイ・ンガーム公園の菩提樹は同じく桑科であるがベンガル菩提樹といって、枝が横に伸びる性質を持つ。

枝から水浸しの地面に気根が垂れている。横に伸びていくベンガル菩提樹マングローブに似ている。こんなじめじめした所でお釈迦さまが悟りをひくはずがないと思った。

森をはさんで道路沿いには簡易食堂が立ち並び、公園で憩いをとる人たちが食事を楽しめるようになっている。ここで食べるガイヤーン(焼き鳥)などのイサーン料理は絶品で値段も安いという。
でもそれを知ったのはあとのことであるし、バイタクを往復で雇っていたので、そのままホテルに戻った。

■ピマーイ情報
ホテルでパソコンを立ち上げ、ネットでピマーイを調べようと思うのだが、なかなかうまくいかない。WiFiの電波が弱いのか、パソコンが悪いのか。
ピマーイはもともとクメール語でヴィマヤプラ(ヴィマヤの町)と呼ばれていた。ヴィマヤという人がこの街を治めていたらしい。それがなまってヴィマーイになり、ピマーイになったという。
また、ピマーイ遺跡の南門の部分に刻まれている、“宇宙の神”を意味する“カマラテンサカタシーウィマヤ”と呼ばれる像のウィマヤから来たという説もある。いずれにしても11世紀からの名前だからこの国では由緒ある、といっていいだろう。

毎年乾季の11月にピマーイ・フェスティバルというイベントが開かれる。暮れなずむ遺跡をバックに、ラーマーヤナを題材とした舞踊劇や幻想的な光と音のショーが繰り広げられる。ベルディーの歌劇、アイーダがカイロ郊外のギザのピラミッド前で演じられたことがあるが、ピマーイのクメール遺跡をバックに演じられるラーマーヤナアイーダに劣らぬ迫力あるものではないか。入場料は200B、遠くバンコクからも観光客がつめかけるという。お祭りは3日続くが中日にはピマーイを流れるムーン川でロングテールボートのレースが行われる。

■豪遊のはずが
ネットを見ているうちに夕食の時間となった。フロントのお姉さんに地図を貰い、遺跡公園の近くにあるピマーイ・パラダイスという高級レストランに向かった。日曜の夜ということで、チョンスダサット通りには露店がたくさん出ていた。
ピマーイ・パラダイスは残念ながら休業。タイでは時折、レストランでのアルコール類の提供禁止という日がある。この日はちょうど酒類提供禁止の日にあたっていて、それじゃ客も来ないだろうから店を閉めちゃえ、ということになったらしい。

ピマーイはピマーイ遺跡の門前町ではなく、遺跡の中にある門中街だ。崩れかけた仏塔の前にいくつか屋台が出ていた。そこで一皿30Bの焼きそばを注文。遺跡や博物館入場料がタイ人価格ですんだので豪遊しようと思ったが、外人価格との差額の範囲内のつましい夕食となった。
こうして旅の1日目が過ぎていった。(続く)


写真はサイ・ンガーム公園、一番下は全体が菩提樹で覆われた島。