チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

コラートのクメール遺跡 2

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コラートのクメール遺跡(2)

■VIPバスは快適
チェンライ発、コラート行きのバスのシートはマッサージ機能付き。背もたれにいくつかの振動機が付いていてスイッチを入れると15分ほどブルブルと振動する。なかなか気持ちのいいものだ。
一度、バンコクからチェンライまで乗ったバスの座席にもマッサージがついていた。これは腰から背中へローラーが往復する本格的なものであったが、スイッチを切らない限り、ずっと動き続ける。
眠り込んでしまったため一晩中ローラーが作動し続け、目覚めた時は背中や腰がグニャグニャになっていた。

その点、このバスのマッサージは15分で自動的に止まる。親切設計だ。リクライニング・シートを倒して何度かスイッチを入れているうちに眠くなってきた。

夜間飛行の、
ジェット機の翼に点滅するランプは、
遠ざかるにつれ、
次第に星のまたたきと
区別がつかなくなります。

お送りしておりますこの音楽が、
美しくあなたの夢に
溶け込んでいきますように。

DVDの放映も終わり、車内は消灯され、VIPバスは平坦な暗い道を走り続ける。乗客は配布された毛布にくるまって暫しの眠りにつく。

■飛び起きる
と、突然、車内に煌々と蛍光灯が付き、大音響のタイポップスが流れる。深夜12時である。タイ長距離バスのお約束事、深夜食の時間だ。
バスはドライブインに横付けする。全員、眠い目をこすりながら下車する。バスのチケットはスーパーのレジでくれるペラペラの領収書とそっくり。その紙が3枚ほどホッチキスでとめられている。この中の1枚が食券となっていて、食堂入り口でお姉さんがピッとそれを回収する。
深夜食はお粥、クイッティオ(タイそば)が定番だが、この食堂ではご飯の上におかずを載せるぶっかけ飯だった。

家で食事を済ませてきたし、真夜中に食べる習慣もないので、食堂の中を見物するだけ。ご飯は食べないという人のために食券と引き換えにジュースと水の飲み物セットが貰えることも分かった。それにしても真夜中に叩き起こされて、辛いタイ飯を食べ、またすぐ眠って胃が悪くならないものだろうか。

■コラートからピマーイへ
バスは朝7時過ぎにコラートの第2バスターミナルに到着した。コラートからクメール遺跡のあるピマーイまでは60キロ、バスで1時間ちょっとの距離である。幸い、発車寸前のピマーイ行きのバスに乗ることができた。

ピマーイ行きのバスは一応冷房車、料金は50Bだった。タイのバスは概ね1キロに付き1B(2.5円)という計算である。ウズベクでもタシケントからサマルカンド行きの長距離バスに乗ったがウズでは1キロに付き10スム(1円)という料金設定だった。東京から大阪までの深夜バスの料金は5000円はするから1キロに付き10円となる。バス料金とGDPは比例関係にあるのかなどと考えているうちにピマーイに着いた。停留所からプラトーチャイ(勝利の門)というクメール遺跡が見える。

ピマーイはクメール王国が隆盛を極めた12世紀に形成された寺の街である。当時は南北に1030m、東西に665mの壁で囲まれた壮大な聖域だった。現在のピマーイ市街はその聖域内に後代の人が住み着いてできた。聖域の中心部がピマーイ遺跡公園となっている。

街で一番大きなホテル、ピマーイホテルはバス停留所の2,3軒先にあった。5階建て、全41室。コラートのクメール遺跡巡りはバンコクから日帰りツアーもあるし、コラートが観光拠点になるせいか、ピマーイにはホテルは少ない。

ホテルは一泊250B、VIPルームは500Bとのこと、VIPルームでないとWiFiが使えないというのでVIPルームにした。さすがにバスタブはないが清潔で感じがいい。

■ピマーイ国立博物館
バイタクに乗ってまずはホテルから1キロほど離れた国立博物館へ。この博物館にはピマーイ始め、コラート、チャイヤブム県、プリラム県、スリン県、シーサケット県の南東北地方で発掘されたクメール美術の逸品が展示されている。11世紀に造られた青銅のシヴァ神ヒンズー教天地創造神話である乳海撹拌の図が掘りこまれたレリーフ、12,3世紀の竜王仏、金剛薩?像など見るべきものは多いが、なんといってもこの博物館の目玉と言えば一階中央ホールに安置されたジャヤヴァルマン7世の石像であろう。アンコール朝20代の王にして、アンコールトム始め、多くの仏教寺院を建立したことで知られている。

博物館内には図書閲覧コーナーがあり、そこで博物館、ピマーイ遺跡公園のパンフレット、タイ東北部の観光地図等を無料で入手することができた。和文のパンフであったところを見ると遺跡修復、保存に日本が協力したものと思われた。(続く)


写真は上から「博物館正門」「勝利門」「ジャヤバルマン7世像」「博物館展示物」「同展示物」「ピマーイホテルとバス停」