チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ観光案内 その6

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チェンライ観光案内 6

■タイのスイス
日本のスイスとは信州の白馬八方尾根、栂池公園を言うらしい。安曇野スイス村という施設もある。また、富士五湖の一つ、本栖湖を同じく日本のスイスと呼ぶ人もいる。

タイのスイス、というと何処になるだろうか。北タイのメーホーソン県、ペチャブン県、バンコクの西にあるペチャブリ県スアンプンなどがタイのスイスといわれている。

でもやはり、タイのスイスと言えばチェンライということになるのではないか。
プミポン国王の母上(シーナカリンタラー=ボーロマラーチャチョンナニー王太后、王母様)はしばしばスイスのローザンヌで静養されていた。しかし老齢となり、ヨーロッパ往復の旅がお体に触るということで静養先をチェンライドイ・トゥンに定められ、ここに離宮を建てられた。チェンライは高地で涼しく、ローザンヌに似通っていると思われたのだろう。

■ドイ・トゥン・パレス
離宮、ドイ・トゥン・パレスはタイ北部のランナー・タイ様式にスイスの山小屋のイメージを採り入れた造りとなっている。1989年から、お亡くなりになる1995年までこの離宮で過ごされた。王母様の離宮があるということで他の王族やバンコクのお金持ちがこぞってチェンライの山の中に別荘を建てた。高級リゾートホテルもできた。そしてチェンライはハイソサエティの人々が避暑に訪れ、ロングスリーブの服を着て楽しむ場所となった。

離宮はチェンライ市内から約60キロ、車で1時間ほどのところにあって、王族の方が使用されていない時期は一般に公開されている。短パンやショートスカートでの入館は禁止、入り口でだぶだぶのズボンを着用する。靴を脱ぎ、帽子をとって建物の中に入る。決して豪華ではないがシンプルで趣味のよいインテリアが目を引く。大広間の高い天井には12宮の星座が描かれている。いくつかぽつぽつと灯りの点いている星があるが、これは王母様がお生まれになった1900年10月21日の太陽系の位置を表わしているという。

床は木目の美しいローズウッド(紫檀)で出来ている。一昨年訪れたラオスの王宮の床は小学校の廊下のように歩くたびにギシギシと音がした。しかし、この離宮の床は曇り一つなく磨きあげられ、緩みは一つもない。この紫檀の床を見るだけでも行く価値がある。床と違って、離宮内の壁板の大部分は輸入商品の梱包に用いられた松の廃材が利用されている。これは環境問題にご関心のあった王母様の思し召しという。

■メーファールアン庭園
離宮のテラスからは遠くミャンマーの山が見える。ここは海抜1000mほどあり、澄んだ山の空気が爽やかで肌に心地よい。天気の良い日には山の中腹に点在している山岳民族の村が見える。そしてテラスの眼下には山の斜面を利用した庭園が広がっている。王母様もここから庭を見下ろされていたのだろう。

イギリス式とも世界各国の様式を取り入れたともいわれるこの洋風の庭園はメーファールン庭園と呼ばれ、1万2千坪の広さを持つ。メーファールアンとは「偉大なる慈母様」の意味で王母様の別称である。チェンライには大学や空港を始めメーファールアンの名を冠している施設は少なくない。

このあたりでは昔、山岳民族が山を焼き、阿片を栽培していた。王母様は山岳民族の貧しい暮らしに心を痛め、阿片の代替作物の普及、森林回復をはかるドイ・トゥン・プロジェクトという事業を始められた。庭園に咲き乱れる色とりどりの花も周辺山岳民族の手によって定期的に植え替えられている。

また「海外旅行をしたことがないタイの人達に、世界の珍しい花を見て楽しんでもらいたい」という考えに基づいて冷涼な気候を利用して、世界各国の花が育てられている。園内の菊の花は日本から送られたものではないか。またいつ行っても見つけることができないのだが、庭園内に美智子皇后陛下がタイに贈られた「ソメイヨシノ」がある。ソメイヨシノは10度以下の日がある程度続かないと開花しないので、残念ながら日本の桜を庭園で見ることはできない。

庭園の出入り口のある道路沿いには珈琲やハーブティー、蘭の苗など、ドイ・トゥン・プロジェクトの物産が売られている。また駐車場の近くには山岳民族の女性達が農産物、手工芸品を販売している一角がある。

入場料は離宮と庭園合わせて180Bと決して安くはないが、この半日コースは女性には大変評判がいい。通常、女性は自分自身を花だと思っているから、美しい花が好きであるし、咲き乱れる花をバックに写真を撮ると20%から30%増しで美人に撮れることを知っているからだろうと、自分は思っている。


写真上から二枚が「離宮」、以下は庭園の景色です。