チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

年頭のご挨拶

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年頭のご挨拶

■明けましておめでとうございます
多事多難であった昨年でありましたが、皆様におかれましては今年がより良い年となりますよう、心からお祈り致します。どうか本年もよろしくお願い致します。

昨年は金融不安、独裁者の死、暴動、天災、政治の迷走と激動の年であった。今年はその難題をどう解決していくかの年となりそうだ。
とはいえタイの田舎、チェンライに暮らして3年、PCやテレビにスイッチを入れさえしなければ、毎日が平穏無事に過ぎていく。元旦は最低気温16度、最高気温30度の爽やかな1日となった。暮れの日本人会の餅つき大会で分けてもらった餅と、到来物の大吟醸で新年を寿いだ。母にも雑煮を少し食べさせたし、日本酒も嘗めさせた。正月に限らず、昨日と同じ日が今日も、今日と同じ日が明日も続いてくれれば、と感じている。淡々と、またひっそりと時間が過ぎていく小津安二郎の世界はいつまで続いてくれるのであろうか。

■変わらぬもの
働いていた時は、様々な情報を仕入れ、ああでもない、こうでもないと様々な人と議論をし、時にはレポートまで書いていた。今は上役や大学の先生に意見を求める必要はないし、意に染まぬ考えに同調する必要もない。思ったままを言うことに遠慮しなくていい。この年になり、利害を離れてみると、世の中の動きに、ああ、こうなんだ、と自分なりに得心いくことがあって面白い。ホレ、ワシの言っていた通りになったじゃろうが、という場面もないではないが、聞いてくれる孫はいない。

権謀術数、裏切り、弾圧、政治の世界はすべて史記の繰り返しだ。人の悪賢さ、権力への渇望は昔から変わらない。だから歴史から学べることは多い。また人の弱さ、人生の空しさについては宗教や哲学書、古典小説から得るものがあるだろう。人間の行うこと、考えることに進歩はない。

朝鮮半島をめぐる地勢学的情勢は150年前と何も変わっていない。中国の傲慢さは4千年の歴史があるし、米国は敵国と決めたら手段を選ばず、戦争を仕掛けてきた歴史を持つ。米西戦争大東亜戦争イラク戦争然り、多分イランでもやるだろう。世界で覇権を求める国は米国と中国だけ、衰えたりといえども米国が中国の覇権を認めるのかどうか。春秋に義戦なし、平和のお題目で世の中は動かない。

国には国柄という国独特の性格があって、人柄と同じくなかなか変化しないようだ。我が国は東日本大震災で、被災民を含め多くの人々が忍耐、礼儀、協力、思いやりといった世界を驚かせる国柄を発揮した。これは政治の無策と対照的に特筆されるべきことであろう。

天皇陛下のご感想(新年に当たり)
昨年感動した文章の一つに天皇陛下東日本大震災の直後に出されたメッセージがある。(http://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/51593113.html 国民の一人として誇りに思う)改めて拝読してみた。自衛隊の名を筆頭に救援活動に当たるすべての組織の人々に、また世界から寄せられた支援、お見舞いに感謝されている。簡明ながらこれほどに行きとどいたメッセージを知らない。利害損得から超越された方であるからこそ、万民に寄りそった暖かい、ご誠実なお言葉がほとばしるのであろう。東宮ご教育常時参与として帝王学を講じた小泉信三氏の影響もあるのだろうか、まさにこの国と国柄にふさわしいお人柄をお持ちではないかと思う。

新年にあたってのお言葉は以下の通り。

 昨年は春には東日本大震災が起こり,夏から秋にかけては各地で大雨による災害が起こり,多くの人命が失われ,実に痛ましいことでした。また,原発事故によってもたらされた放射能汚染のために,これまで生活していた地域から離れて暮さなければならない人々の無念の気持ちも深く察せられます。昨年は誠に心の重い年でした。そのような状況の中で,皆が互いに助け合い,また多くの人々が被災者の支援に力を尽くしていることを心強く思っています。

 今年は,復興に向けて様々な計画を立て,将来への指針を選択していく年であるとともに,がれきの処理を始めとする多くの困難な業務に取り組まなければならない年になると予想されます。人々の英知が結集されるよう,また業務に携わる人々の作業が安全に行われるよう,願ってやみません。

 日本は大震災の影響等により現在厳しい状況にありますが,皆が被災者に心を寄せつつ,力を合わせ,明日の社会を築くために忍耐強く力を尽くしていくことを期待しています。

 この年の我が国及び世界の人々の安寧と幸せを祈ります。(引用終わり)

このお言葉も簡潔ながら、陛下のお人柄がうかがえる名文と拝察する次第。自分も忍耐強く力を尽くしていきたいと思う。