チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ観光案内 その4

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チェンライ観光案内(その4)

ビルマ領タチレク
ミャンマーはあまり外人の入国を喜ばない。ウズベクにしても北朝鮮にしても独裁色の強い国にはそういった傾向がある。メーサイからビルマ領タチレクに入国できても入国資格はビザでなく、エントリーパーミットなので、ここからからマンダレーヤンゴンには行けない。中国国境に近いチャイントンはタチレクから約160キロ、1日2本ほどバスが出ており、ここへの移動は可能。但し、行くにはミャンマー政府の指定するガイドの同行が条件だ。日当を1日当たり25ドル払う必要がある。かつてランナー王国の城があり、アカ族の村も点在しているというチャイントンに行こうとタチレクまで行ったことがある。でもガイドを雇ってまで行く気になれず断念した。
ミャンマー入国に関するルールは国境閉鎖という措置も含めてよく変わる。以前のようにタチレクでビザが発行され、北タイからヤンゴン方面に行けるようになるといいのだが。

■タチレクをサムロー
タチレクの市場に並ぶものはほとんどが中国製だ。タチレクは合法、違法を問わず、中国製品の交易地点となっていて、それなりの賑わいがあり、雑多な商品が溢れている。タバコは中国製の他に北朝鮮製のものもあるそうだ。1箱50円のマルボロマイルドセブンは多分それだろう。タイ、ミャンマーの人々はほぼ自由に国境を行き来しているようだ。税関もあるのだが、密輸品を摘発している場面に遭遇したことはない。国境を隔てるメーサイ川は、どこからでも渡ることができるから、何も税関を通る必要はないのだろう。

商店街を一通り見て回り、特に買いたいものがない場合は、そのまま対岸のメーサイに戻ってもいい。しかし、ゲストが男性の場合、あえてサムローに乗ってタチレクの市内観光へと出かける。サムローはバイクに人力車ををくっつけたような乗り物だ。無理すれば3人は乗れる。ミャンマーのイミグレを出たあたりと商店街入り口あたりに客引きがたむろしている。ワットや首長族など観光箇所の写真を見せながら100Bという。そういえばタチレクでミャンマーの通貨、チャットを使用した覚えがない。

バイクの馬力が低く、ローで大きなエンジン音を響かせながら、サムローはみすぼらしいが活気ある市街を走る。道路の状態はよくない。あちこち大きな穴があいている。ゴミは散らかっているし、土ぼこりも立つ。ミャンマーの国民一人当たりのGDP は600ドル、タイは5,000ドル、道路一つとってみても中進国タイとは大違いだ。

ロンジーという巻きスカートを身につけている男性も見かける。女性や子供はタナカというキナコのような粉をほっぺたや鼻筋に付けている。タナカとはタナカという柑橘類の木を粉にしたもので、日焼け止めとお化粧に用いられる。個性的な塗り方をしている女性もいるが、タナカを塗ると美人に見えるかというとそうとも思われない。

サムローはチェディサビラコーンという金色に輝くパゴダを持つワット(寺)に必ず行く。高台にあるが馬力の弱いサムローでは坂道を登りきることができないので、三人いたら一人は降りてサムローに伴走することになる。この高台から、タチレク市内、メーサイ方面を一望できる。

■オキヤ
日本人とみると、「オキヤ、オキヤ」と意味ありげにサムローの運転手が言う。オキヤは置屋のことだが、ほぼ死語に近い。タイ語ではバーンサオ(女の家)、要するに娼婦館のことだ。始めの頃、オキヤなんて行かないよ、と断っていたのだがサムローの運転手に、お客を案内するだけでお店からいくらか貰えるから、と懇願されてからは敢えて断ることはしなくなった。

メインロードを10分ほど走り、右に曲がる。住宅地だが道路は未舗装で土ぼこりが舞う。大きな鉄門が半開きになった家の中庭にサムローは入る。軒先に女性が一人いて、中に声をかけると、ぞろぞろと10人ほどの若い女性が出てくる。Gパン、Tシャツ、皆、愛想がいい。でもここでもてなかったら人間おしまいだ。そういう場所である。
同行者の中には、絶句する人もいるが、年、いくつ、きれいだね、などと軽口を飛ばす人もいる。家の中に小部屋があり、気に入った女の子と消える仕組みになっているが、「悪いけど待っててくれる?」と言った友人はいない。

ネット情報ではタチレクには20軒の置屋があるという。貧しさと売春は、かつての日本がそうだったようにどこかで繋がっている。書けないことは多いので、興味のある人はタチレクをキーワードにネットを覗いて頂きたい。


写真一番上から「国境の川」、「タチレクの道路」、「タチレクのマーケット」「ほとんどが中国製の商品」、