チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

徳政令とトラウマ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

政令とトラウマ

■8月末は憂鬱
東京の小中学校は9月1日から2学期が始まる。今、原稿を書いている8月末は毎年のことながら気が晴れない。あれ、こんなにのんびりしていていいのかな、何かやることがあったよな、という軽い強迫観念に駆られる。
今はどうかわからないが、自分が小学生だった頃は「夏休みの宿題」というものがたっぷりと出た。算数、国語、理科、社会の学習帳、中にはこういうものを作ってみようという工作の自由課題もあった。

「お前は夏休みの宿題でお母さんの手を煩わせなかった」とよく母に褒められた。7月の20日に宿題を貰ってきたらその日から1週間,真面目に1日に1-2ページと割り当てられた学習帳に取り組んで、ほぼすべて書き終えてしまう。8月にはいったら、学習帳を一切見向きもせず、遊びまわる。
それでも工作、絵、それから学習帳の算数の頁が空いていて、8月末になると苦労した。そのトラウマが残っていて8月末になるといわれなき不安に駆られるのでないか。図画工作は5段階評価で2だったし、算数もだめ、大学は国立を目指したが、結局入試科目に数学のないところしか受からなかった。

■小学生で徳政令を体験
実は小学生の時、夏休みの宿題を全くしないで済んだことが2回ある。それは父の転勤が夏休みにかかったからである。亡き父にはいろいろ恩があるが、この時ほど父に感謝したことはない。宿題無しに夏休み過ごせる、小学生にとってこれほどうれしいことはなかった。もっとも担任の先生によって違うようで、弟は転校し、初登校した9月1日に夏休みの宿題を持って帰ってきた。「出来るところだけでもやりなさいと先生が言ったよー」と殆どべそをかいていた。

夏休みの膨大な宿題をやらなくてもいい、これは徳政令が発布されたようなものだ。後年、社会人になって、上からどやされ、下から小突かれ、仕事の上で追いつめられることがあったが、その度に、ああ、あの宿題帳消しみたいな「徳政令」がおこらないものかなあ、と夢想したものだ。これは現実逃避のトラウマの一種であろう。

■原稿が書けないときは
介護ロングステイといっているが、実際に母の面倒を見てくれているのは女中さんたちだ。日本にいるときは母を一人にすることはできず、自分の時間の8割は介護に費やされていた感じがする。ゴミ捨て、買い物、介護士、看護師の訪問、通院、デイケアなどスケジュールはぎっしり詰まっていた。
チェンライに来て介護に振り向ける時間は日本にいた時に比べれば激減した。でも好きな時に好きなだけ、落ち着いた気持ちで母に接することができるのは、母にとってもよいことではないかと思っている。

時間がありすぎて安逸に流れるから、というわけではないが、週3日はタイ語の授業、それからほぼ日課のテニスをやって、生活のメリハリをつけている。加えて週2回、ブログ原稿を書く。これで何とか今日が何曜日かを理解しているわけだ。

タイ語もテニスも兄と一緒にやっているから続いているが、原稿書きは個人作業、それほど楽ではない。ウズベクに行った当初は軽い躁状態で、いくらでも書くことがあった。予備原稿を10本くらい書き溜めていたこともある。ところがタイに来てからはあまりにものんびりしているせいか、書く意欲が湧いてこない。PCを開いてもネットニュースを読んだり、フリーセルのゲームをやってみたり、ダラダラと時間を過ごし、なかなか原稿書きに取りかかれない。

普通、原稿を書く場合、書きたいテーマがあって、その資料と記憶を整理して書き始める。シンクタンクにいた時、たまに原稿用紙20枚ほどの政治経済レポートを書いた。その時はあらかじめ目次、小見出しを作り、資料を見出し毎に並べる。そして前後の流れを考えながら資料を抜き書きする。出来の悪い学生のレポート作りと同じ。

ご賢察のとおり、今でも原稿はネット資料のつなぎ合わせが多い。何時に起きて何を食べたか、個人的体験だけを書き連ねれば、字数は稼げるが自分以外は面白くないだろうし、一方、ネットや新聞記事の引用だけではこれまた説得力がない。経験4割、資料6割にまとめると何とか満足できる内容になる。

日曜の夜、サザエさんのテーマ音楽が流れてくると、明日はまた会社か、と胃がキリキリと痛くなった、という友人がいる。自分も原稿を書く火曜日と土曜日は気が滅入る。書くことがない、書けない。ああ、どこかから原稿のストックが20本くらい出てこないものか。いくつになっても夏休みの宿題ゼロの徳政令が忘れられない。


写真上から「ジアップ先生と娘のチンチン」、「ソフトボールチームの仲間」、「 ホコテンでの餅つき」