チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

片雲の風にさそはれて 6

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片雲の風にさそはれて(6)

■日帰りツアーに申し込む
西双版納は少数民族の里と言われている。アカ族と親類のハニ族も多く居住している。ハニ族の村を訪ねるツアーに参加する、これが今回の旅の目的だった。ジンホンの街にはタクシーは頻繁に走っていて、10元(125円)もあれば概ね、市内の主だったところに行ける。賓館からタクシーで街の繁華街へ出かけ、車窓から旅行代理店を探してみたがさっぱり見つからない。タクシーの女性運転手に「旅遊」、「切符」などと書いて、ようやく目的地を理解してもらえた。携帯で連絡を取りながら車を走らせ、途中で男性を助手席に乗せて再び車を走らせる。このおじさんの指示で、無事旅行代理店に到着したが、その場所は出発地点の賓館と目と鼻の先だった。

旅行代理店には4,5人の女性が働いていたが、誰も英語を話さない。日本人と分かって、意思疎通は筆談となる。わかったことは少数民族訪問ツアーは2人一組で申し込まないとダメとのこと。A4の紙に印刷された各種日帰りツアーメニューのほとんどが2人一組タイプだ。
一人で申し込めるツアーはどれですか、熱帯植物園と?(タイ)族観光村巡りです、じゃそれを。

タクシーを降りた時からずっとおじさんが付き添っている。
あまり口出しをしないが、夜の民族大舞踏ショーを指さして、これもいい、とか言っている。申し込み手続き、支払いが終わって店を出ると、おじさんが、おずおずと、あの、タクシー代、という。そういえばタクシー代を払っていなかった。金額はごく妥当なものだった。女性運転手の連れ合いなのだろうか。前日、バスターミナルから賓館まで連れてきてくれたタクシーも親切だった。中国では人の善意を信じるな、というがそれがすべてではないかな、と少し反省した。

■バスツアー
朝、賓館にバスツアーのガイドが迎えに来た。バスは各ホテルで参加者を拾いながら熱帯植物園へと向かう。同乗者は30名ほど。家族連れ、カップルが多いが単独の参加者もいる。市内の外れで瀾滄江(ランツァンホアン)を渡る。この川は下流ではメコンとなる。この大河には中国からラオス、タイに貨物船が頻繁に行き来している。

バスの中でガイドが植物園の入場料を集めはじめた。額が分からず、お金の出し入れにモタモタしていたら、若い女性が自分のお札を見せて微笑んだ。彼女は潮州から一人で来たという。
ゴム林の山道を走ること約70キロ、中国科学院西双版納熱帯植物園に到着した。入門ゲートには「AAAA級景区」という看板が出ていた。
中国全土から集まった団体さんが開園を待っている。広大な国土を持つ中国ではあるが、この国は寒冷な砂漠の国といっていい。それだけにヤシやバナナの木が生い茂るこの植物園は中国人憧れの場所となっている。

■熱帯植物園
ゲート辺りで写真を撮っていたら、潮州さんがニコッと笑って、ペットボトル入りの水を差し出した。おお、ワシを耄碌ジジイと憐れんで、水を恵んで下さるのか、まっことかたじけないのう、お女中、と中国語で言えるはずもない。「シェ-、シェ-」とおそまつ君のイヤミそっくりのお礼を言ってボトルを押し戴く。それにしても中国にもこういう娘さんがいるのか。
タイでも若い子が年寄りに親切にしてくれる。それを「日本では本領を発揮できなかったが、やはりオレはもてるんだ」と勘違いして問題を起こす熟年があとを絶たない。この場を借りて苦言を呈しておきたい。

さて、この熱帯植物園は面積900ヘクタール、1万種を越える熱帯、亜熱帯の植物が整然と植えられている。園内は広いのでグループ毎に、ガイド付き電気観覧車で回る。中国人は椰子の木を見て大喜びだが、こっちは俺んちにも生えてるよ、といった感じで白ける。でも携帯スピーカーでガイド嬢が歌を聴かせると葉を一斉に開く植物は面白かった。

■潮州さんに返礼
ツアーの特徴であろうか。予定の植物園、?族観光村を回った後、数か所の土産物店に案内された。国営普?茶センターではお茶の試飲販売があった。碧螺春という緑茶を買うことにした。1缶40元だが5缶まとめて買うと100元とのこと。潮州さんが飛んできて、私も欲しいから5つ買ってシェアしましょう、という。5缶買って2缶、彼女に進呈した。お金?不要、不要。ツアー中、自分が迷子にならないよう気を配ったり、女中さん用に選んだ安い腕輪をプレゼントしてくれたりと、彼女にはお世話になりっ放しだった。最後にお返しらしきことができて正直、ホッとしたものである。


写真上から「瀾滄江」「植物園入り口、左は潮州さん」、「園内にて」、「園内の観光客」、「園内風景」