チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

庭の生き物 2

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庭の生き物 (2)

金語楼現象
柳家金語楼を覚えておられるだろうか。禿げ頭の落語家であるが喜劇俳優、落語作家(筆名有崎勉)として昭和40年代初めまで活躍した。今年1月に亡くなった往年のロカビリー歌手、山下敬二郎の父親、と言っても知っている人も少ないだろう。晩年、テレビで「血、血、血を増すマスチゲン」という奇怪なCMソングを歌っていた。

昭和30年代のことである。ある小学校に「金語楼」というあだ名の女の子がいた。今だったら親が学校にねじ込んでもおかしくないようなひどいあだ名だ。
「それがね、席替えで僕の隣に座ることになったんだけれど、毎日見ているとだんだん可愛く見えてきてね」と高校の同級生、N君が恥ずかしそうに言った。16歳のN君の初々しい表情が今でも目に浮かぶ。

彼の話を聞いた後、ブスだと思っていたが、付き合ってみると魅力的な女の子だった、苦手だと思っていたが勉強してみたら数学は面白い、あの臭いで敬遠していたのにドリアンに病みつきになった,というように始めはいやだったのに、だんだん気にならなくなる、ときには好ましくなるという現象を人知れず「金語楼現象」と呼ぶようになった。自分の観察では夫婦の7割、会社の上下関係で4割の金語楼現象がみられる。

■蛭の金語楼現象
人に嫌われる蛭ではあるが、蛭に親近感を、あるいは「敵ながらあっぱれ」と感じている人も少なくない。蛭対策サイトにはこのような感想が書かれている。

「蛭だって悪気があって人間の血を吸っているわけではない。少しぐらい吸わせてあげてもいいんじゃないか・・・」

「彼らは、私たちの気配を感じるやいなや親の仇とばかりに遮二無二襲ってきます。靴に取り付き靴下バリアをものともせず突破し、三対の歯で皮膚に噛み付く。そして後先考えず、吸って吸って吸いまくる。身体はボンボンに膨れ上がり血の風船と化する。彼らの一心不乱な姿、それは我が子の運動会で特等席を必死で確保しようとする若い頃の私を見るようだ」

珈琲花園のMさんの家では山羊を飼っているので、蛭がいるのは仕方ないそうだ。吸い付かれてもどうってことないのだけれど、血が止まらないからお座布団など後の洗濯が大変、などと恐怖感は微塵もない。一度、あなたも吸い付かれてみるといいわよ、という。蛭は1匹見たらその周りに10匹はいるというから、そのうちやられるかもしれない。ま、少しくらい吸われてもいいか。

■蛭対策の基本
1. 何と言っても肌を露出させないこと。蛭の入り込む隙間をなくす。

2. 女性用ストッキングは蛭が吸い付こうとしても繊維が邪魔して吸い口から空気が漏れるので吸い付けない。ただし、外国では腹をすかした蛭がやせ細りストッキングの網目を通り抜けてしまい、吸われたという例がある。ちなみにその蛭はたらふく血を吸ったため、まるまると太り網目から出られなくなり御用とか。

3. 上記理由によりスパッツは隙間なく装着すれば有効。

チェンライでも農作業するタイ人は長靴、長袖シャツを着用し、肌を露出していない。これは蛭対策と共に強い日差しを避けるという意味合いがあると思う。

日本の春日大社奈良公園には山蛭の宿主である鹿が多数放し飼いにされている。暗闇の公園の灌木の中で恋を語らっていたカップルが蛭に吸い付かれ、血だらけになって転げ出てきたという話を読んだ。ここでデートする場合は男女ともストッキングを2枚履くべき、肌を露出するような行為はもってのほかだ。

■医療用蛭
子供の頃、蛭を集めている人がいた。竹箒でシャブシャブと農業用水の表面を波立てると、ヒラヒラと蛭が寄ってくる。これを瓶に入れる。肩こりの場所に張り付けて悪い血を吸い取らせると聞いた。エジプトの壁画にもインドの古代医学書にも蛭による瀉血療法が出ているという。

現代でも手足の接合手術の後のうっ血部分に蛭を吸いつかせるという療法が行われている。糖尿病の末期になると、足指など末端部の血行が悪くなり、その部分が壊死することがあるが、これにも蛭療法は効果がある。悪い血を吸い、ヒルジンの作用で血行が良くなる。歌手の村田英雄もこの療法を受けていたら足を切断しないですんだかもしれない。医療用蛭はまだ保険適用外で英国から空輸されてくるという。
サイトで見るとフランス、ロシアでも医療用蛭が養殖されているようだ。フランスの蛭には米国FDAの医薬品認可が下りている。

日本では「ピル」の認可にもあれだけ手間取ったのだから、薬局に行って「蛭、10日分下さい」と気軽に購入できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。


写真上から、庭のマンゴーの木と果実、赤色の「ブーゲンビリア」、黄色は「勝利の花」
マンゴーは長さ20センチ以上、太さ15センチの特大サイズ。去年40個位なって食べたが、最高の味でした。