チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

片雲の風にさそはれて 3

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片雲の風にさそはれて(3)

■誤算の1.人民元のみ有効
中国はまだカード社会の入り口にある。中国では個人の信用度が低くて個人への与信が困難なため、大多数の中国人はクレジットカードを持つことができない。都会の高級ホテル、観光地の土産店ではVISAやマスターカードが使えるらしい。しかし、カード会社では中国旅行から帰国したらすぐに暗証番号を変えることを勧めている。この国では偽造、スキミングが横行しているので、カード決済は安全とはいえず、これがカードの普及を遅らせている。

中国国内の銀行に預金をすれば「銀聯」と呼ばれるデビッドカードを発行してもらえる。但し銀聯カードを使用する際、カードを発行した銀行のある省や市を越えては使えない場合がある。これは銀聯カードを発行した銀行が、概ね省内の管理で手一杯だからである。先進国では当たり前の決済がスムーズにいかないのだ。
国内発行のカードでもこれだけ不便なのだから、タイの銀行が発行したクレジットカードが使えるはずがない。こんなことを知ったのは旅行のあとだった。
ドルとバーツを合わせて持っている現金は日本円で10万円弱、航空券をこの中から購入するとなると、自由に使える金は少ない。残金を計算しながらの旅は結構疲れる。

■誤算の2.英語が通じない
ジンホン市内で8時過ぎまでホテルを探したが、人民元の手持ちが少ないために宿泊を断られ続けた。モーハンで人民元に替えたお金は1000B分だけ。1泊分は前払いできるのだが、もう1泊分のデポジットが出せない。
カードが使えるだろうと考えて、と「大飯店」書いてある大きなホテルにはいった。机のボードには「空室あり」と書いてある。フロントの若い女性は、自分のニーハオに対して「アアー」と不愉快そうな顔を向けた。バックパッカーの来るところではないと言わんばかりの不機嫌な対応だ。怪しい人物と思ったのか、「没有、没有」を繰り返す。「空室あり」のボードを指さすとお姉さんは黙ってそれをひっくり返して「満室です」の表示に変えてしまった。

タクシーを停め、寝る真似をして「ホテル、旅社(リーシェ)」と告げる。運転手は車で5分ほどの賓館前で車を停めた。賓館のフロントには松本伊代によく似たハイティーンの子がいた。英語は全く通じない。先払いで2日分出せと中国語で言う。ここで放り出されたら野宿することになってしまう。押し問答をしていると先ほどのタクシー運転手がやってきて何やら応援してくれた(らしい)。デポジット分は明日払う、その代わりパスポートを預ける、ということで話がついた。

翌日、旅行代理店に行った。少数民族を訪問するツアーを申し込むためである。中国には政府認定の少数民族が55部族いて、そのうち25部族が雲南省に居住している。その中にはアカ族のルーツ、ハニ(哈尼)族、約150万人も含まれる。ハニ族は雲南省各地に自治州や自治県を作って暮らしている。できたらハニ族の村に行ってみたい。旅行代理店には数人の人がいたが、全く英語が通じない。日本人は筆談ができると思っているのだろうか、メモに変な漢字を書いてくれるのであるが隔靴掻痒の感がある。中国を旅行するには指さし会話帳は必須と思われる。

■誤算の3.ネットが開けない
突然、思い立って旅に出たので、行き先についての下調べはほとんどできなかった。その代わり、ネットで雲南省の観光案内、ジンホン、昆明旅行記などのアドレスをUBスティックにコピーしておいた。現地のインターネットカフェでゆっくりこの中から必要な情報を読めばいい、という考えだ。
ラオスカンボジアではどんな小さな街でもネットカフェがあり、多少遅いがインターネットを利用することができた。

ところがジンホンではネットカフェを見つけるのに一苦労。ホテルで場所を聞いてやっとネットカフェに辿りついたが、PCを使う前にパスポートの提示を要求された。ウズベクでもこんなことはしない。まずメールを開いて、必要な返事を書いたり、メール配信の記事を読んだりした。画面を見ていると店の女性が背後から画面を覗き込む。時間をおいて3度ほどこれを繰り返した。意図的な行動だ。変な外人が「ジャスミン革命に立ち上がれ」とか共産党批判文を書いているのではないかと監視していたのだろう。

メールは何とか開けたが、旅行記や観光情報は文字化けで読めない。愛読する右寄りの政治ブログや産経ニュースは軒並み開くことができない。自分の書いたブログさえ開けないのには驚いた。自分が共産党に批判的であることが当局にばれているのだろうか。


写真一番上は「ジンホン市内風景」、「ジンホン市場」、「ジンホン市場駐車場」、一番下が「求人案内」