チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス旅行を終えて

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ラオス旅行を終えて

旅行記をやっと書き終えた
ラオス旅行に出かけたのは昨年の11月のことだ。車中泊も含めてわずか5泊6日の旅行記を書き上げるのに18本、400字詰の原稿用紙にして80枚ほど費やしてしまった。言語抽象能力、事象簡約能力に何か欠陥があるのか。お前のレポートはそれでなくても冗長と言っているのに、懲りないやつだなあと呆れている方も多いことだろう。申し訳ない。しかしながらラオスには、無能な自分をしてそれだけのことを書かせる何かがあったことは事実だ。ロバが旅をしたからといって馬になって戻ってくることはない。しかし人心、木石にあらねば、というように、誰でも旅に出れば何か感じることがあるという証左にはなるのではなかろうか。

ルアンプラバンも、これが世界遺産?と思うほど小じんまりしたものであったし、それほど美味しい食べ物や酒に出会ったわけではない。
それなのに、なにかラオスはいいなあ、と思わせるものがある。旅行者の短見ではあるが、この国には「慎ましさ」が感じられる。それは貧しさと隣り合わせなのかもしれないが、山あいの竹壁の家から漏れる灯り、ナイトバザールの静けさ、車やバイクの少ない通り、親切ではあるが控えめな人々など、アジアの喧騒、溢れるエネルギーから遠い世界がラオスにはあったように思う。

ほの暗いナイトバザールでは、音楽もなく、物売りのけたたましい掛け声もなく、値段交渉でさえささやくように行っている。幼いころ連れて行ってもらった夜の縁日と雰囲気がよく似ている。あの頃、事前の連絡もなくよく停電があった。ろうそくが入ったどんぶりがあって、その灯りで父母、我々兄弟3人の一家5人がちゃぶ台を囲んでいた。あのとき若かった父はすでになく、母も今では会話もおぼつかない。幼児だった兄弟も皆、還暦を過ぎている。こうして人は老い、若い人へと代わっていくのだろうと、柄にもなく感傷的になってしまった。テニスをし、ビールを飲むだけの毎日では忘れがちな感情である。

スティーブ・ジョブスのスピーチ
旅と人生は似ている。予定外のことがおこり、そしてそれが面白いのだ、と書いたことがある。よくないと思っていたことがあとになってよかったと思うことが多々ある。逆のこともあるが、それは本人の心の持ちよう、その経験をどう生かすかで、その後の人生が左右されるのだろう。

アップルコンピュータ創立者スティーブ・ジョブスが2005年にスタンフォード大学で行った卒業祝賀スピーチを思い出す。そのスピーチの中で、彼は私生児としての恵まれない生い立ち、ドロップアウトした大学生活、自分が創業した会社からの放逐、さらにすい臓がんで余命3カ月の宣告を受けるといった体験を紹介する。普通の人ならばそこで挫折したり、自暴自棄になるような苦難である。しかし、彼はそういった試練が、結果として自分の人生にとっていかに素晴らしいことであったかと感謝している。
例えば、死の宣告からは、「何かを失うことに対する恐れから逃れる最善の方法は、自分がいつかは死ぬことを忘れないことだ」と分かったし、この世から消えることが確実だからこそ「限られた時間を自分らしく生きるべきだ」と思うようになったという。

■ハングリーであれ、馬鹿であれ
自分が感動するのはスピーチの締めくくりで「ハングリーであれ、馬鹿であれ」と卒業生に呼びかけるくだりだ。スタンフォード大学は、国内はもちろん世界中から俊秀が集まる有名大学だ。また私立大学で年間の授業料が3万6千ドル(約300万円)と高額である。頭がよくて裕福な家庭の子弟でなければなかなか行けない。その卒業生に、「ハングリーであれ、馬鹿であれ」とあえて呼びかけたのはなぜか。

輝かしい将来を約束されているあなた方にもいろいろな試練が待ち構えているでしょう、でもそれは決して無駄なものではない、点と点をつなげば線になっていくように人生は続いていく、でも最後にはこの世から皆、消えていくのです。そう思ったら、自分の人生を自分らしく力強く生きていく気になりませんか、今、あなた方が持っていると思うもの、財産であれ、才能であれ、それは空しいものかもしれない、これまでの思考をリセットし、自分の心や直感に従う勇気を持って、生きるべきではありませんか・・・・。

このスピーチの映像はUチューブで見られる。<http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html>
一人、また一人と立ち、最後に全員がジョブスにスタンディングオベーションを贈る場面は感動的だ。こんなことを思い出すのも旅の効用といえるのではないか。


写真一番上から、「ラオスのリス族」、「刈入れ後棚田」、「ルアンプラバンの街並」、
バスから撮影した「民家」、「ルアンプラバンの寺」