チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

支援のうねり

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支援のうねり

■情報はリアルタイム
日本で放映されているNHKをタイで視聴するには、特別料金を払わなくてはならない。一部のニュース番組のみ無料である。ところが今回の大震災後、NHKの特別配慮で終日NHKを見ることができた。日本の災害情報、原発事故対策をリアルタイムで固唾をのんで見ていた。一日中、大震災関連の番組を見、またインターネットで情報を読んでいると、まるで日本にいるような錯覚に陥ってしまう。スーパーに買い物に出るとき食料品は陳列棚に並んでいるだろうか、などと心配してしまう。被災された方々の不便を思うと申し訳なく感じられる。

タイが即座にこの国としては異例といっていい額の救援金の拠出を決めたことはご報告したが、その後も官民挙げて寄付の申し出が相次いでいる。

タイのニュースクリップ3月18日付は「王族、市民、企業 東日本大震災でタイに支援のうねり」と題して次のように伝えている
日本の外務省によると、17日、東日本大震災の被災者にタイのワチラロンコン皇太子が寄贈した毛布2万枚がタイ航空機で成田空港に到着した。高橋副外相は同日、タイのチャワノン外相補佐官と会談し、「今回の2万枚の毛布支援に心から感謝している。困った時の友は真の友人」と、タイ側に謝意を伝えた。
 タイ政府は14日の閣議で2億バーツ(約5・4億円)の日本支援予算を決めており、18日にもタイ空軍の大型輸送機で救援物資を日本に運ぶ。輸送機は帰路、帰国を希望するタイ人を連れ帰る予定。
 タイ国内では被災者への義援金募集が広がりを見せている。芸能人のチャリティーイベントやテレビ番組での呼びかけに応じ、タイ王室系企業のサイアム・セメントが1000万円を寄付するなど、企業、地方行政体、個人から多くの寄付が寄せられている。(引用終わり)

■自国民の救援も
この記事で注目すべきはタイ空軍が輸送機を飛ばし、帰路、帰国を希望するタイ国民をこの軍用機に収容するという点である。各国が東電の原発事故による放射能汚染拡大を懸念し、自国民の国外避難を勧告しているのは周知のとおりであるが、タイにおいても下記の報道がされている。

東日本大震災、在日タイ人退避を計画」
カシット外相は3月17日、原発事故による放射能汚染拡大という緊急事態の発生に備えて福島県内などに在住しているタイ人を韓国、中国、台湾などに退避させるべく日本国内の船会社に連絡を取るよう指示したことを明らかにした。
 被災エリアに暮らすタイ人は2万人を超えるが、在日タイ大使館やタイ人ネットワークが無事を確認できたのは1万5000人程度にとどまっている。
 これについて外相は、「通信システムの障害で連絡が取れないのではないか。(被災して消息不明の)行方不明者にタイ人が含まれていないことを願っている」と述べた。

 また、救援物資を積み込んだタイ軍のC130輸送機2機が18日夜に日本に向かう予定だが、これら輸送機が帰国希望のタイ人を乗せて帰ってくることも可能とのことだ。

 一方、タイ国際航空は日本便に変更はないとしていたが、旅客数が大幅に減少しているため、数日中に減便などを決める見通しという。(引用終わり)

■多くは望まないけれど
タイでさえ、と言っては失礼になるが、自国民の生命と安全を守るために国を挙げての配慮をしているのである。逆の立場であったらどうだろうか。もし、チェンライに原子力発電所があって、放射能拡散事故が発生した場合、日本から自衛隊機や日航機がチェンライやチェンマイに飛来して我々を救出してくれることは考えられない。大使館や総領事館にはいざという時の邦人避難のマニュアルはない、と日本の外務省が認めている。

「国民の生命と暮らしを守る」民主党政権である。海外の邦人はともかく、せめて今回の大災害にあわれた方たちの復興支援には全力をあげて取り組んでもらいたい。

なお、タイの国営通信会社CATテレコムは、同社が提供する「009」から始まる国際電話サービスの日本への通話料金を3月17日から23日の間、無料にすると発表した。今、タイから日本にかける国際電話は無料である。こんなところにもタイの人々の優しさを感じる。

それに引き換え、無料視聴できたNHKの国内放送は19日で終了してしまった。もう海外の邦人には情報を流す必要がないほど、震災後の状況が好転したということだろうか。「皆様の受信料で成り立つ」NHKにしてはつれない仕儀ではある。


写真は先週、団地内に来たノーネーン(小坊主)へのタンブンの模様です。