チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ2年

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介護ロングステイ2年

■読売新聞12月26日の記事
新年早々に知人が下記の新聞記事を送ってくれた。認知症の人でも軽快することがある、頑張ってください、とのメモ付き、ありがたいことだ。

読者と記者の日曜便:寝たきりを克服 感謝の手紙

 詐欺話とか、証拠の改ざん事件とか、取材相手に嫌がられ、逃げられる仕事が多い1年でした。気が張ると食事が後回しになるたちで、先日の健康診断では、なんと栄養失調の可能性を指摘されました。深く反省中です。きょうは、そんな私も元気がわいた、大阪府茨木市黒田清子さん(83)、高山弥生さん(56)母子の便りを紹介させてください。まず、娘さんの分から。

 〈4年前に郷里の岡山県の病院で寝たきりの状態だった母を自宅に引き取りました。生活全般にわたって全面的な介護が必要な「要介護5」で、認知症も進んでいました。周囲は「絶対に無理」と反対しましたが、長年離ればなれで親孝行できなかった母の面倒を見るのは自分しかいないと決断しました〉
 弥生さんには勤めがあり、昼間はヘルパーさんに食事や入浴の世話を頼み、帰宅後、ベッドで動けない清子さんの体勢を2時間おきに変えます。「親切なヘルパーさんじゃ」と言われたときは、「私がわからないんだ」と悲しくて涙が止まらなかったそうです。
 〈でも、ある日母が「もう歩けるようにならんのじゃろか」と漏らすのを聞いて、体が熱くなるのを感じました〉。会話もままならないお母さんですが、やっぱり元気になりたいと思っていたんだ、と気づいたのです。
 〈それからは、軟らかい食事をやめ、多少硬くても好物を食べさせ、おむつではなくトイレを使ってもらうようにしました〉。思い切った転換でしたが、生きようとする力を引き出したかったそうです。すると、2年ほどして認知症が快方に向かい、支えられて歩くようになりました。今は骨折で入院していますが、病室でご家族とおしゃべりを楽しんでいるそうです。
 〈医者も「100人に1人のこと」と驚いています。そんな母の今年の目標は、日曜便に手紙を書くことでした。「頑張っている人の話が出てきて励みになるわ」と記事を切り抜き、私も「手紙を書いて『頑張れば元気になる』と、みんなに教えてあげよう」と話しました。「日曜便に手紙を」が口癖になりました〉
 そして書き上げたという、清子さんの便りです――。
 〈私は83才のおばあさんです。介護の5だったのに、皆さんのお陰で今は介護の2になり、色色と世話になり書き表せません〉
 短いですが、うれしい手紙。清子さん、目標達成ですね。来年はうさぎ年で年女だとか。さらに長い便りをお待ちしています。私も負けずに、しっかり食べて頑張ります。
             
■とりあえず食の改善
認知症は改善しないと一般的には言われている。母の症状も進み、体も衰えてきたように思う。自力では歩けなくなった。来た当初は毎晩1缶のビールを飲んでご機嫌だったが、今はビールを飲む?と聞いても小さな声で「いらない」という。
でも介護度5から2に改善した人がいる。この記事に勇気づけられて、女中さん任せにしていた食事に少し変化をつけることにした。ポテトサラダや出し巻き卵などを作った。小匙でオイさんが口に運んでくれる。サトイモの煮つけ、海苔の佃煮、肉じゃがのジャガイモ、食べることで元気が出てくるのであれば、こんなにうれしいことはないのだが、以前より、食べる量が少なくなったような気がする。

■やはり気力が第一か
車いすを押しているとき、母が「お母さんはもう死ぬよ」と呟いたことがある。「そんなことはないよ、お母さんが生きているだけで皆うれしいんだから、長生きしてね」、「そうかい、そうだね」。この会話を何度繰り返したことだろう。
母は日中、寝ていることが多くなった。その分、夜中に起きていてなかなか寝付かない、時には大声を出す。母に添い寝して宥めるのだが、2時間、時には3時間たっても寝てくれないことがある。
そんな時、「お母さん、長生きしてね」と言ったところ、大きな声で「いやだ」と言われてしまった。

若い時から母は結構プライドの高い人だった。病み呆けた今の生活は、本人にとって不本意であるに違いない。ふと、正気に戻るとき、今の自分が嫌になるのだろうか。「いやだ」、母の決然とした言葉に、一瞬たじろいでしまい、何も言えなかった。

生きようとする気力を取り戻した「清子さん」はやはり100人に1人の稀有な例なのだろうか。


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最近、シルブリン病院では日本語の掲示が出るようになりました。
薬剤部が薬舗、中央検査部(セントラル・ラボラトリー)が実験センター、会計が勘定場などいまいちですがわからないことはないです。