チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス旅行 1

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ラオス旅行(1)

■ケガの功名
一塁手と激突して転倒し、肩を強打、その後、痛みは和らいできたものの、とてもテニスができる状態ではない。仕方ないのでパソコンを抱えて図書館へ行き、ブログ原稿を書いた。おかげで何本かストックができた。テニスはできないし、原稿は書いた、となるとどこかに行きたくなる。
チェンライ県はラオスと国境を接している。以前から、ラオス世界遺産、ルアンプラバン行ってみる価値はありますよ、と人から聞いていた。そうだ、ラオスに行ってみよう。まず、ルアンプラバンに行き、そのあと首都ビエンチャン、ここからはベトナムハノイへ、南シナ海を見てホーチミン市に回ってもいいな、と考える。

朝、旅に出ることに決め、午後1時半にはチェンライ旧バスターミナルからチェンコン行きのローカルバスに乗っていた。チェンライからチェンコンまで140キロ、2時間半、料金は65B (約180円)。出国手続きをしてチェンコンから対岸のラオス領フエサイに渡る。船賃は40B。

フエサイはメコン川に面した北ラオスの宿場町である。北タイからやってきた観光客はここで一泊し、翌朝、船に乗って、あるいはバスでルアンプラバンへと向かう。メコンをフエサイからルアンプラバンへ下る船にはスピードボートとスローボートの選択がある。スピードボートだと7時間でルアンプラバンへ着くが料金は1500Bと高い。スピードボートはヘルメット着用、凄まじいエンジン音のため着いた時には耳がおかしくなっているという。昨年の乾季はメコンの水量が異常に少なく、ボートが川の中の岩にぶつかって死者が出た。スローボートは450B、途中パクベンに1泊して2日がかりで目的地へ着く。スローボートは、100人は乗れる大型屋形船、時間に余裕のある欧米人はこのスローボートで川下りを楽しみながらルアンプラバンへ向かうのが一般的だ。

ラオス、ルアンプラバン
ところでラオスとはどんな国か。中国、ミャンマー、タイ、ベトナムカンボジアに囲まれた内陸国だ。人口は千葉県の人口と同じ、約600万人。人口は少ないが国土の広さは日本の本州と同じくらいある。特に資源に恵まれているわけではなく、今では海外の援助を頼りにひっそりと暮らす慎ましい国ではあるが、14世紀にはランサーン王国(ランサーンは百万頭の象を意味する)が興る。現在のラオス領はもとより、タイ北部、カンボジアを版図とする大国であった。
ルアンプラバンはランサーン王国(1353-1975)の王都で、カーン川とメコン川の合流地点に位置する。緑豊かな街ルアンプラバンは、その美しいラオスらしい街並みと、歴史的、文化的遺跡保護の観点から、1995年、ユネスコによって世界遺産に指定された。ルアンプラバンは英国の旅行雑誌「ワンダーラスト・トラベル・マガジン」で2009年、行くべき都市の第一位に選ばれたという。ちなみに京都は第5位。
民族構成は低地ラオ族が70%、高地ラオ族が20%、丘陵ラオ族が10%となっている。ラオス国籍を持つ国民を政府はすべてラオ族と呼んでいるが、実際は人口の30%はアカ、モン、リス、ヤオ、タイルー等40を超える少数民族で占められているという。いまだ、昔ながらの慣習、文化に生きる少数山岳民族を訪ねる欧米の観光客は少なくない。

■懲りずにまた長距離バス
チェンライからチェンコンへ向かうバスの中でクレジットカードを忘れたことに気付いた。手持ちの現金は日本円で6万円位だから、ベトナムへ行くのは無理だ。帰りの航空券が買えない。ま、フエサイで一泊してルアンプラバンに2,3泊、ビエンチャンからタイ東北部に出て長距離バスでチェンライに戻るという旅程なら、1週間、5万円で充分いけるだろう。

フエサイの出入国管理事務所を出たところに机一つ、そして行き先を書いた看板だけの旅行代理店があった。どこに行きたいの、え、ルアンプラバンなら17時に出るVIPバスがあるよ。
時間をみると16時を回ったところ。距離は500キロ弱、12時間かかるようだが寝ている間にルアンプラバンに着くのなら、とフエサイ泊まりをやめて、バスチケットを買った。渡し船の時から一緒だったオーストラリア人(同年輩か)もチケットを買った。近くにトイレは?、と自分に聞く。向かいの店で5B 払えば貸してくれるけど、このVIPバスならトイレが付いているんじゃないの、と言うと、「お前、写真だけで判断しちゃいけない、乗ってみたら写真とは似ても似つかぬオンボロバスということはよくあることだ」と教えてくれた。この夜、彼の予告が100%正しかったことを思い知ることになる。(続く)


写真上、対岸はラオス。バスはタイのローカルバスです。冷房はないが料金が安い。