チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

カンボジアから再びタイへ

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カンボジアから再びタイへ

■バスの中で
プノンペンを朝8時に出発したバスは南下してコーコンへと向かう。道路は片側1車線であるがバイク、普通車に警笛を鳴らしながら、バスはがんがん追い越しをかけていく。この国ではバスに優先通行権があるようだ。車両はちょっと路肩に寄る。中央車線を越えてくるバスを見て対向車も少し路肩に寄る。両側の車両が作ったわずかな間隙をバスはスピードを落とさず抜けていく。初めはおーおーなどと言いながら手に汗を握って眺めていたが、そのうち慣れてしまった。
タイでもカンボジアでも長距離バスの車内では、のべつ幕なしに他愛のない活劇、カラオケ、歌番組のビデオを流している。ローカルな音楽やドラマに興味がないという人はMP3とかICレコーダなどで自分の音楽を聴くようにした方がいいだろう。歌番組を聴いていたら、どうも聞き覚えのある曲が流れている。クメール語で歌っているがメロディに乗せて日本語の歌詞が浮かんでくる。「死んでもお前を離しはしないー、・・・夜が、夜が泣いてる、ああ、女のためいき」。おおこれは吉川静夫作詞、猪俣公章作曲の「女のためいき」ではないか。確か森進一が歌っていた。こんなところで日本歌謡を聴くなんて、と思っていたら、曲が変って「生きてる限りはどこまでも 探しつづける恋ねぐら 傷つきよごれた わたしでも 骨まで 骨まで 骨まで愛して ほしいのよ」。そうだ、これは「骨まで愛して」だ、城卓矢なんて今どうしているのだろう。クメール語にパクられて、作詞の川内康範先生も草葉の陰でお怒りのことであろう、などと取り留めのないことを考える。まず著作権料は支払われていないだろう。

■コーコン到着
バスは昼頃、大きな川のほとりで休憩駐車した。乗客は食堂に入ったり、出店で軽食や果物などを買っている。小学校高学年ほどの元気のいい女の子がサンドイッチを製造販売していた。コッペパンより一回り大きいバケットをナイフで2つに割って、手早くバターを塗り、ソーセージ、ソムタム(硬いマンゴーのサラダ)を挟む。バケットをつかんで出来上がりパンを客に手渡すまで15秒ほどの早業だ。1個50円。ボリュームがあり、ソムタムの酸っぱさがなんともいえない。この旅行で食べた最も美味しいものの一つだった。繰り返しになるがカンボジアのフランスパンは本当に美味しい。
田んぼが地平線まで続く平野から、やがてバスは山道に入った。カーブ、ならびに高低差が上げしく、前方が良く見えない。対向車は来ないという前提の元にバスはスピードを上げる。バスは3時ごろ、簡易商店が2,3軒あるだけの広場に着いた。ここが終点?カンボジア人乗客は途中で皆降りていて、ここまで乗ってきたのはフランス人のカップルと自分だけ。バスを降りると20人ほどの若者に囲まれた。イミグレ(国境)まで3ドル、と口々に叫んでいる。周りには建物がない。国境は遠いのだろうか、皆目見当がつかない。やはり事前調査は必要だ。気がつくと、自分ひとりが客引きに囲まれている。3ドルと言っていたのが2ドルに下がってきた。そのうち1ドルという男がいたので、じゃあ、というと人垣がさっと消えた。男はトランクを足に挟むとバイクの後ろに乗れという。バイクは左に海を見ながら片側2車線の舗装道路を猛スピードで走り始めた。

■この日も15ドルのゲストハウス
大きな橋を渡り、バイクはひた走る。対向車も並走車も見かけない。いつ着くのか、本当に国境に、イミグレに向かっているのか。不安は募る。
バイクは突然スピードを緩め、道路の真ん中で止まった。「実はガソリンが切れそうだ」。男はそう言って、反対車線にあるガソリンスタンドに合図をした。するとウィスキーのビンを2本持って女の子が道路を横切って走って来た。ビンの中身はもちろんガソリン。「これ払ってね」。なんだ、結局3ドルになるのか。でもこちらとしては持ち出しても仕方ないリエル札が使えたので、トクした気分になる。

カンボジアのイミグレには外人が2組ほどいただけで、簡単に出国手続きが済んだ。200メートルほど歩くとタイのイミグレがある。ここを出たところにミニバスが待っていた。タイ湾のチャン島に渡り、リゾート気分を、と思ったがもう4時を回っている。急ぐ旅でもないので途中のトラットという街まで行って泊まることにした。国境から約100キロ、ミニバスがトラットのバスターミナルに着いたのはもう6時近かった。トゥクトゥクに連れられ、マーケット近くのGHに。クーラー、温水シャワー、トイレ、テレビ、冷蔵庫付き。このGH で一番いい部屋です、通常750Bですが、特別に500Bとオカミサンが言う。こうしてこの日も15ドルほどの宿に泊まることになった。

画像は上から「タイ・カンボジア国境」「カンボジアのイミグレ」
「サンドイッチの売り子」「休息所/食堂」です。