チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

バスの窓から

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バスの窓から

■車は右側通行
カンボジアはフランスの植民地だった。そのせいか車は右側通行で日本やタイの逆である。慣れていないから、カンボジアに来ると道路を横切るときに「逆走」してくる車に、ひやりとさせられることがある。ウズベクでも車は右側通行だった。逆走車に慣れるまで1年はかかったと思う。
戦後、GHQから、車は右、人は左の米国方式に改めるよう日本政府に対し強い勧告があった。しかし、日本ではすでに車のハンドル、信号からバスの乗降口、鉄道に至るまですべて車は左、人は右方式で出来ており、これを変えるためには莫大な費用がかかるという理由で従来方式を踏襲することになった。英国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシアなどが日本と同じく車は左、人は右の対面交通方式をとっている。どうして日英は右側、米国は左側通行になったのか。日本や英国では昔、左腰に挟んだ刀やサーベルが物にぶつからないように、またスラリと刀を抜きやすいように道の右側を歩くようになった、米国では拳銃を右腰に装着しているため、同様の理由で左側通行になったという話がある。でもこれは本当ではないと思う。三銃士やダルタニアンが剣を抜くとき、剣を左壁にぶつけている様子を見たことがないからだ。

■荒っぽい運転
ODAの一環で交通政策の専門家がアジア各国を訪れて政府への助言を行っている。その専門家の話では、英国の植民地であった国とフランスの植民地であった国では交通道徳がかなり違うという。フランスの影響下にあった国では運転が乱暴でルール無視が多い。その点、英国の旧植民地では比較的交通ルールが守られているというのだ。
タイは酒酔い運転は普通、バイクや車の逆走、交差点での駐車など何でもありの国ではあるが、それでもカンボジアに比べれば大人しいほうではないか。
バスは片側一車線の道路を100キロくらいのスピードで飛ばす。前にバイクが走っていれば警笛を鳴らすだけでがんがん追い越していく。車の追い越しも対向車があろうと無かろうと関係なく強引な追い越しをかける。あー、このままでいくと正面衝突だよ、と固唾を呑んでみていると、対向車がわずかに路肩によってぎりぎりのところですれ違う。相手も100キロくらい出しているからまるでアクロバットだ。歩行者よりバイク、バイクより車、車よりバスの方が偉い、その順番で通行優先権があるように思われる。

■ バスの車窓から
同じアジア、陸続きであってもタイとカンボジアではバスからの風景が違う。タイの農村ではさすが中進国、トラクターや耕運機が見られるが、カンボジアでは水牛に鋤を引かせている。また山国のチェンライから来たせいか地平線まで続く田園風景は心をのどかにさせる。でもあの地平線からポルポト派が進軍してきたら、どうにも逃げようがないなどと考えた。
バスはいくつかの村や街を通り過ぎていったが何処の町にも英語表示、中国語表示の看板があり、それらはクメール語の看板と同じかそれ以上だ。どんな小さい村でも携帯電話を扱う店がある。まだ草葺の農家もあるが概ね板つくりとなっている。貧富の差は発展途上国の常として歴然としてある。豪壮なお屋敷を時折見かけた。豪邸は正面から見るとシンメトリーの構造となっている。これはアンコールワットの遺跡群がほとんど左右対称の重厚なつくりとなっていることと関係するのではないか。「アンコールワットと現代クメール家屋」などという一文を加藤秀俊さんだったら書いたに違いない。彼は列車から見えたものだけを種に「車窓から見た日本」という民俗学の名著を著している。

真ん中の画像はガソリンスタンド

カンボジア青山学院付属小学校?
丁度、土曜日だったせいか、子供がバラバラと校門から出てきた。(画像下)カンボジアはタイに比べて圧倒的に子供が多い。ポルポト派によって800万の国民の3分の1が殺されたというが、現在の人口は1600万人を越えている。特に中学生に当たる年齢の人口が飛びぬけて多いのだそうだ。校舎が足りず、2部、3部授業しているとも聞く。バスの窓から四隅が柱、草葺きの大きなあづまやで数十人の生徒が授業を受けているのが見えた。また、「AOYAMA PRIMARY SCHOOL」と英語で書いてある学校を見た。青山学院はこんなところにまで進出しているのか。
JICAのMさんにあとで尋ねてみると、校舎を寄付すると寄付者の名前を学校に付けてくれるのだという。カンボジアに230棟もの学校を寄付しているJHP(http://www.jhp.or.jp/index.html)という日本のNGOがあるがその校舎のひとつなのだろうか。