軍馬慰霊碑(その3)
旧陸軍獣医中尉井上朝義氏の「忘れられない思い出」の中にナコンナヨックでも1000頭以上の軍馬が銃殺された、と書かれている。ナコンナヨックはバンコクから車で1時間足らずのところにある。旧日本軍の施設を引き継いだのだろう、タイ陸軍の軍事施設がある。また軍付属のゴルフ場があり、バンコク在住の邦人で常連も多い。ゴルフ場の近くのワット・プランマニーに、軍馬に触れた石碑がある。
「日本旧陸軍 第三十七師団碑誌(画像)
第三十七師団(冬)は 一九三九年(昭和十四年)三月二十五日九州で編成 中国山西省晋南へ出征して警備に任じ、次いで一九四四年春 中国縦断の大陸打通作戦に参加して南進した。
すなわち中国還城から南へ征旅一万四百余キロ、千山万岳を踏破し仏印を経てタイに入り一九四五年夏 英印軍との最後の決戦に備えてこのナコンナヨックに進出した 図らずも同年八月十五日終戦 天を仰いで長恨極まりなく武器を捨ててこの地に駐留し力尽きて倒れし多くの兵馬をこの地に埋めて 一九四六年 故山に復員した
この大戦において 惜しくも戦没せし殉国の師団将兵七九二〇柱と師団軍馬四三七六頭の将霊を祭り、わずか七歳で消滅した歴戦の師団と軍旗三旗を偲び 併せて大戦間失われし彼我幾多の犠牲を悼むと共に 永遠なる平和への思いをこめて この碑を建てる
このナコンナヨックは 師団終焉の記念すべき地であり、師団がここに駐留間 タイ王国軍民から賜りし暖かい友情と この碑建設に尽力下されしナコンナヨック郡役所及びプランマニー寺のご好意に対し 深く感謝の念を表する そしてこの碑が 末永く日本とタイ王国との親善の礎石となることを祈る
一九八九年三月二十五日)(第三十七師団創立五十周年記念日)
第三十七師団慰霊碑建設奉賛会」
師団の兵員数は平時で1万2千人、戦時で2万5千人と言われている。中国からタイまで1万キロ以上トコトコ歩いてきたわけだから、移動のための軍馬も多かったのだろう。碑の中では4376頭の軍馬が斃れ、多くの兵馬を埋めたとなっているが相当数が英国軍の命令により銃殺されたのは間違いない。
当時の英国人の差別意識は今では考えられないものだ。会田雄次京大教授の「アーロン収容所」は、彼がビルマの捕虜収容所で1年9ヶ月暮らした体験記である。英国を知るには欠かせない古典、といわれている。これを読むと日本の軍馬抹殺命令などは、当たり前のことだったと思われる。
「当時の常識、価値観」を知ることが歴史を知る第一歩だが、それにはどうしたらいいか。エッセイスト山本夏彦氏は当時の新聞を1,2年分読むといい、と書いている。当時の雑誌もいい。
ある大学の客員研究員になり、図書館の閉架式書庫に入り込んで日韓併合について調べたことがある。明治、大正の新聞や雑誌、朝鮮総督府、総監府の資料を読んで、日本は朝鮮半島を「植民地」にしたわけではなく、国費の相当額をつぎ込んで経済、教育、農政などあらゆる面で日韓の格差是正に努めていたことを知った。
日韓併合から終戦までの36年間に半島の人口は800万人から2000万人に増加した。半島の人は搾取され、飢えに苦しみ、などというがそれなのにどうして人口が増えたのか。公衆衛生1つとっても目覚しい進歩があったのだ。ほとんどゼロだった教育機関も小学校から大学まで整備された。京城帝大は大阪帝大、名古屋帝大に先駆けて設立されている。米国はフィリピンを36年間、植民地にしていたが教育、産業インフラは何も作らず、人口が増えるどころか対米フィリピン独立戦争ではフィリピン人6人に1人が死んでいる。(ちなみに大東亜戦争期間中日本軍との戦いで17人に1人が死亡)。
日韓併合について半島人や朝日新聞、NHKの言っていることは事実に反することが多い。そのせいか、半島人に過度の贖罪意識を持っている日本人が多くいる。情けないことだ。
最近、尼崎市に住む韓国人が子供手当554人分の申請をしたという記事を読んだ。タイの孤児院の子を養子にしたのだという。
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/gossip/topics/news/20100425-OHO1T00110.htm (読売新聞)
これについて4月24日の民団新聞では 愛情を持って養子にし、子供手当てでその子たちに希望を持たせようとしている同胞の申請を断るのは人種差別そのものだ、と日本政府を非難する投稿を掲載している。
http://sakurako.iza.ne.jp/blog/entry/1568540/
日韓の歴史をちょっとかじっただけの自分でも、おお、相変わらずやっているなあ、と思ってしまう。
今回は人種差別のことから話がえらく逸れてしまった。散漫な文章で失礼。(この項終わり)
今日の市場の果物です。ドリアン、マンゴスチン、ランブータンが出始めましたがマンゴーの10バーツ(約30円、キロあたり)に比べるとまだ高値です。